半年

写真：モロッコインゲンの花/金沢市
（秀明自然農法による栽培）

　今年もはや半年が経ち
　振り返ればどうだったか　確かめるとして
　けれども　悔やまずに
　
　残りの半年　どのように過ごすか
　明日からの　一日一日が大事で
　普通に過ごせることが　素敵で
　ぐうたらな日があっても　それでいいのだと
　受け止めたら　楽です

蒸す中で

写真：玉ねぎの花/金沢市
（秀明自然農法による栽培）

　雨と熱気が土を温め
　野菜を促す
　
　一部は　根に
　一部は　茎に
　一部は　葉に
　一部は　花に
　
　玉ねぎも　大切な時間で　忙しい

中身

写真：虎ノ尾/金沢市

　中に居ると　分かりにくいのが　環境
　一度　外から見たらいい
　滑稽に見えたら　
　きっと良いことだ

茹だる

写真：人参の花とアカスジカメムシ/金沢市
（秀明自然農法による栽培）

　うだるような　蒸し暑さの中で
　虫たちは　せっせと食事をとっていた
　カラスも　赤いグミを平らげていた
　人は　冷えたうどんを食うのが精一杯だった

生き延びる

写真：葱坊主弾ける/金沢市
（秀明自然農法による栽培）

　種が落ちたところに
　分けつしたネギが葉を伸ばしている
　可能な限り　生き延びようと
　智慧を絞っている

梅雨の青空

写真：銭葵/金沢市

　真夏の空と　ちょっと違う
　梅雨の青空が　好きだ
　秋に似た　澄んだ空
　でも
　地上から　高いところまで
　輝いているのが
　梅雨の青空だ
　輝きが　人を元気にする

スリット

写真：落日/金沢市野田

　夕焼けを呼んだのは　垂れ込める雲
　地平線とのスリットに　陽が沈む
　シャッターを切るには
　けっして　長くない時間だった

豆とカラスと

写真：えんどう豆/金沢市
（秀明自然農法による栽培）

　5月
　肌寒さは　えんどう豆にやさしく
　雲を突き抜けるが如く　蔓を伸ばした
　
　6月
　鞘が垂れると　カラスが目を細めた
　抜け殻となった鞘が　地べたに散乱
　「お前たち十分食べただろう」
　カラスの胸に当たるところに　真っ黒のテグスを張り回らせた
　黒には黒　効果絶大
　今日は　人間様
　そして　命繋ぐための鞘に目印をつけた

　来月
　暑い日差しが出たら　乾いた鞘を採りにいく
　えんどう豆が　眠りに入るから

清涼感

写真：グミの実/金沢市

　梅雨は　冷たいものと　酸っぱいものがおいしい

多様化

写真：黒大豆の芽生え/金沢市
（秀明自然農法による栽培）

　スマートフォン　タブレットPC　マルチコアCPU
　コンピューターの進化は止まらず
　道具として　生活にさらに馴染んできた
　多様化は　コンピュータのみならず
　時間はゆっくりだが
　生き物も　どんどん姿を変えて行く
　黒大豆は　なぜ黒くなりたかったのだろう
　いずれまた　色を変えるのだろうか
　一度　訳を聞いてみたい