写真:雷雲/金沢市高柳町
人生とは 旅人のようなものだと 人は言う
往き先は 決まっているのだが
道は 数え切れないほど 雑多にある
どの道を どの道標を選ぼうが自由なのだが
他の道から こっちへ来い そっちはダメだと言う
良かれと声を掛けてくれるのは ありがたいが
一方で 余計なお世話だと 言い返したくなる
後で 言う通りにすれば良かった と思ってみても 道は戻れない
歩いた時の分だけ あの道が遠く
目前には多くの道が絡んでいる
難儀していると 左から急げ 右からは慌てるなと
またしても 迷わす声が聞こえてくる
己の足は そんなに長くなく 短くもない
ならばと 駆け足で励めば たちどころに 息切れをした
息を整えるまで ゆっくり歩けば
景色の流れがあまりにも遅く つい駆け出してしまった
時は過ぎ いつしか 大きな二又路にでくわした
人生最大の選択 旅路のクライマックスか いやまだ先は長い
はたと立ち止まり どちらの道を選ぶか本当に迷ってしまった
周りには 声を掛ける人もいない 呼びかけても誰も返事をしない
ああ そうか
多くの人の勧告を選んだのは己だった 己が選んだのだ
多くの回り道 人の忠告を振り払って 道を選んだのは己だ
順調に歩いていけたのも 己が選んだ道だ
人は人と同じように歩けない 道を選ぶのも人であり人である
どの道を どのように歩いても 自由
全ては有りと思いたい
ただ
気になるのは生まれた時から 全てが仕組まれている気がする
誰が仕組んだのか わからないが