冬の終わりに

写真：寒空/金沢市

　「泣いてばかりいたって…」
　なんてごめんね

　あなたの心を溶かしたのは
　「春」という名の希望でした
　
　もう少し
　もう少し待っていてね
　あなたの笑顔がみたいから
　幸せの春はすぐそこ

　もう振り返ることはない
　うしろには希望がない

　金沢にも春一番
　さようなら　冬
　バイバーイ　冬

金沢ごころ

写真：浅野川薄暮/金沢市主計町（かずえまち）

　真っ白な雪と　鉛色の空は　今年も変わらぬ

　変わらぬようで　変わり行くは旧金沢市街
　旅人を　温かく迎えたい心意気は　住人にも心地よい

　その一方で　街は拡大し続ける
　近年の道路整備で交通は大変スムーズ
　旧市街地を残しつつ　日常生活を改善できたのは　さらに心地よい

　問題は人心が文化文明に追いついていない

　悲しいかな

　私個人の問題ではなく　市民一人一人の事として省みたい

　街も人も　また来たくなるような
　素敵な金沢で在り続けたい

響き

写真：路地裏/金沢市主計町（かずえまち）

　ＴＶの声　人の声
　電話　台所　トイレ　お風呂
　ドアの音
　自動車　バス　サイレン
　いらっしゃいませ
　機械の音　ＢＧＭ
　風　雨　雪
　ワン　ニャー　カァー

　コツ　コツ　コツ

　足音？
　いや　春の音
　心地よい　春の音
　澄ましてごらん

雪楽日

写真：降り止まぬ/金沢市

　春が　そこに見えている
　おかげで　余計に寒い

　慌てることはない
　雪はやがて雨になる
　冷えた心も　溶かしてくれるだろう

　順番だ　巡る季節　そのはざ間
　もうしばらくの辛抱

　ほら
　お日様が　まだあんなに高いだろ

空の宴

写真：snow dust/金沢市

　天空は大宴会
　今は　どの神様が唄っているのだろう
　楽しそうだな

　ステージにはお日様のスポットライト
　雪の神様が　フゥーッ！
　紙ふぶき　ごめん　本物のふぶき
　いやぁ　ちょっとやりすぎ
　鼻に入っちゃうよ

　えっ？
　ベテランの大トリの唄だから
　サービスしちゃった!?

　さあ
　冬の大宴会そろそろお開きです

雪道予報

写真：冬返し/金沢市彦三町

　今朝は再び　ギュッギュッ
　日中ところによって　シャリシャリ
　明日は　厳しい冷え込みとなります
　ガリガリ君およびツルツル君の
　各注意報が発表されています
　転倒にご注意ください

春届

写真：陽光とどく/金沢市

　泣いてばかりいたって
　しあわせはこないから

　そうだよ　春風が涙を乾かしてくれる
　でかけよう


　春一番/キャンディーズ

あしたのために その１８

写真：雪に陰る/金沢市

　地元では公立高校の入試が近い
　あのころ　大瀧詠一の「A LONG VACATION」はもとより
　彼のプロデュースしたメロディがよく流れた
　佐野元春がデビューしたのもこのころだった

　週刊少年ジャンプには江口寿史が連載していた
　衝撃の「ストップ!!ひばりくん!」

　くどくて脂っこいジャンプに
　パステルカラーが練りこまれていた
　ポップでカッコよくて
　コマから音楽が聞こえてきた

　学校を卒業して湘南地方へ転居
　パレットの絵の具を全部入れ替えたような気がした

　あれから幾年
　あの時代に受けたものは　今の自分の源流だとおもう
　江口寿史的色の写真を撮ってみたい
　だが私の根底には金沢の色が染み付いている
　冬の街を撮っていてよくわかった
　悪くない

　あしたからまた
　少し迷いつつも　シャッターを切る

日差し

写真：休日/射水市

　日差しに誘われて港に来た

　寒い
　海風が冷たい
　空にも寒さが残っている

　ラジオでは平年並みの気温と伝えている
　南の地方から鶯の初鳴きの便り

　冬の終わり
　日差しが　人を誘う
　

かたち

写真：ハート/氷見市

　伝え方一つ
　同じ内容でも相手による

　なぜ分からないのだ？

　○に□は入らない
　あなたが○にして伝えないから
　いろいろ試してみればいい