ソウル・フォト Soul Photo

魂に響く写真を届けたい・・・。

悪の条件2

2012-07-25 22:48:17 | 

写真:キモグリバエ/金沢市

 悪と知って行う悪と、悪と知らないで行う悪とでは、どちらが依り悪なのだろうか。
 単純な話で考えてみたい。

 Aさんは高速道路で130kmで走行し、スピード違反で警察に捕まった。
 Bさんも同じく130kmで走行し、スピード違反で捕まった。

 彼らの言い分はこうだ。
 Aさん「身内に不幸があって急いでいました。申し訳ありません。」
 Bさん「制限速度が100kmとは知りませんでした。許してください。」

 二人の言葉から真相を考えてみたい。
 Aさんは制限速度が100kmであることを知っており、自分が速度超過をしているのを知っていた。
 しかし、身内の不幸があり、一秒でも早く目的地まで行かねばならない事情があった。止むに止まれぬ状況だった。

 Bさんの事情はこの文面からは推察できない。
 単に130kmで走行していたという事、速度制限を知らなかった、という事だ。

 では、この二人に悪の大小はあるのだろうか。
 共通するのは速度超過30kmということである。彼らには後日、警察から罰金の支払通知書が届くことだろう。
 この状況では、二人の悪の大きさは同じように見える。

 違いは制限速度の有無を知っていたかどうかである。
 Aさんは知っていた。Bさんは知らなかった。これが大きな問題である。
 
 結論は、Bさんの悪がAさんより大きいのだ。
 Aさんは速度制限を知っていたので、普段は制限速度を守っていたことだろう。
 しかし、この時は「身内の不幸」という事情が発生したため、速度超過をした。内心、天使と悪魔の戦いだったことだろう。
 Bさんは速度制限が有ることを知らずにたまたま130kmで走行していたら、たまたま警察に捕まった。
 普段は制限速度100kmのところを160km、あるいは40kmで走っていたかもしれない。
 高速道路の場合、この速度では速度違反である。重大な交通事故、交通渋滞を引き起こす可能性は高い。

 知らないで行う悪とはこういうことなのだ。
 知って行う悪はどこかに躊躇したり、心身構える事がある。Aさんも「警察に捕まりはしないか?」という罪悪感があっただろう。
 知らないで行う悪は、欲望のまま行動するだけだ。Bさんには何の躊躇いもなくスピード超過をしている。

 昨日、ハエが
 「なぜ人間は 我々を攻撃するのだ?」
 「我々は 何一つ 悪いコトをしていない!」と叫んだが、
 ハエも知らないで悪を行なっているのである。

 もし、ハエに心があって、自分たちが人間に不快感を与えている事、病原菌をまき散らしている事を知ったならば、
 ハエは人間に遠慮して近づくのを止めただろう。殺虫剤で身内が殺される事も減るだろう。

 よってハエは人間からみて悪の昆虫である。

 だが、もう少し考えてみたい。人間の側にハエが集まったのは人間のせいである。
 人間がゴミ箱を屋外に放置し、腐敗物やゴミをを近隣や道路に撒き散らしてきた。
 それらは皆、ハエの食料であり繁栄のための育児場なのだ。
 
 人間はハエの生態も知らずに繁栄してきた。

 人間も悪なのである。



悪の条件

2012-07-24 23:09:46 | 

写真:ニクバエ/金沢市

 美しいモノが何かを確かめるには
 一番美しいモノを 見ればよい
 
 善いコトは できるだけ沢山する
 その数だけ 笑顔が返ってくるだろう

 悪いコトはどうか
 一番悪いコトをすればよいのか
 悪いコトばかりしていればよいのか
 否である
 普通の人はまずできない
 悪いコトを試して 刑務所に入る訳にはいかない

 されど
 これでは 何が悪いコトなのか 分かりようもない
 善いコトすら 判断に迷うかもしれない
 人は悪いコトを知る必要があるのだ

 そこで
 人間に悪いコトをする動物の営みを観察する
 害虫のトップスター ハエである

 日常よく見られるハエは
 黒くて不快な羽音を鳴らし ゴミ袋などに無数にたかる姿は グロテスクですらある
 食料は腐った動植物で 幼虫はウジと呼ばれ 親と同じものを食べ 食料が寝床になる
 人をウジ虫呼ばりすることもあるが ウジの食性によるのだろう

 また
 病原菌を媒介して 人間は赤痢などの恐ろしい伝染病に罹ることがある
 本当に嫌われモノだ

 おかげで
 人間は叡智を絞り 殺虫剤 ハエ取り紙
 最近では電撃ラケットなどで ことごとく ハエを撃退 殺傷する
 だが この程度でハエは絶滅しない
 
 なぜ 人間とハエは戦うのか
 というより 人間が勝手に害虫 すなわち悪として戦っているだけだ

 ハエはきっとこう言うだろう

 人間が居るところに食料がたくさんある
 ウジを育てるにも最適だ
 たまたま飛んでいたら人間の住居だった 暖かくて雨露もしのげる よい所だ
 それなのに
 なぜ人間は 我々を攻撃するのだ?
 
我々は 何一つ 悪いコトをしていない!



共生

2012-07-21 22:52:21 | 

写真:屁糞蔓と茱萸/金沢市

 侵略するものは 内側から崩壊する
 侵略されるものは 外側から崩壊していく
 どちらも 正義であり悪でもある
 されど
 元を辿れば 同じ大地の上
 共に生きる手立ては いくらでもある


弱虫

2012-07-19 20:34:05 | 

写真:こっち見んな/金沢市

 今日もどこかで 誰かが殺されている
 自分を殺す という方法で
 自分で死ぬ ということではなく
 自分を殺す

 6年前 このブログを始めた時からも
 40年前 井上陽水が "傘がない" を歌った時からも
 自分を殺す人は まだ絶えていない

 弱虫はもっと 弱虫になればいい
 弱虫になって ひたすら逃げて
 弱虫になって どこかにかくれて

 いいじゃないか 
 生きて行くためだもの
 誰もキミを責めはしないさ



師弟

2012-07-16 21:38:02 | 

写真:7月の紫陽花/金沢市野田

 私に感謝する必要はありません
 自分に感謝すれば良いのです
 あなたの長所を伸ばして行くべきだと思います



  ( ナポリ 臨海実験所教授 グランツィアーノ ・フォリ ト )


氷室の日

2012-07-01 21:56:02 | 

写真:氷室饅頭(左、豌豆餡 右、小豆餡)

 古き慣わしを 今に伝え
 無病息災を祈り 頬張れば
 酒の香 かぐわしく
 まさに是 至福の時なり


 
   *1 餡の小豆、豌豆は秀明自然農法による自家栽培
   *2 皮は、秀明自然農法の栽培米を用いた自然米酒「夫婦杉」の酒粕を使用