1年にわたって激しい戦いが繰り広げられたNHK杯もいよいよ大詰め。
今回は一昨日に放送された準決勝・羽根碁聖 対 張栩棋聖の対局を振り返りたいと思います。
黒番:羽根直樹 碁聖
白番:張栩 棋聖
結果:249手まで黒番羽根直樹碁聖の1目半勝ち
白2、黒3と向かいあった小目ですね。この型は先にかかったほうが有利といわれていると思うのですが、たいして気にすることも無いということですかね。
黒2は解説のメイエンさんも「羽根さんらしい手」とのこと。自分ならまず左辺に開きます。
左下の型は最近良く見るようになりました。張栩棋聖は黒14を見てあっさり隅を取りました。これで白不満なしということなんでしょうね。自分のレベルではさっぱりです^^;
黒は1から5とめいっぱいに打ちました。白は6と左辺に殴りこみです。
白8ハネの型もあるんですね。自分は黒9のところにノビる手しか打ったことがなかったです。解説によると黒9は意外な手で、張栩棋聖もおやっという表情をしていました。白20はH13にノビずに実戦のように打つのが正しいのですね。G10ツケの筋が無くなるので。
ここらへんはお互いに秘術を尽くしている感じです。メイエンさんの解説を聞いてなるほどと思いましたが、自分では打てないでしょうね。
右上で黒はシチョウ有利を利用して反撃。白16まで一段落したところで黒は19と強烈なパンチを繰り出しました。
白3がB14からの追い落としを防ぐ手筋。白9でF8に打つとH11からの切りで白石がとられてしまいます。黒14にはメイエンさんも張栩棋聖も驚いた様子でした。しかしうまく黒石を閉じ込める手段も難しいようです。
黒4のアタリを無視して白は反撃。黒も16ブツカリから18キリと激しいことになってきました。
白11は黒12と換わって損だったのではないかと解説にありました。右辺の黒模様が破れ、白が活きているようでははっきり白良しとメイエンさんは言っていましたが・・・・。
白25と打った張栩棋聖の手つきは力強く見えました。ところが・・・・・。
ところが白20あたりでどうも張栩棋聖の様子がおかしい。急に持ち時間を使い出しました。解説のメイエンさんも「はっきり黒が良しです。」と訂正が^^;
張栩棋聖も非勢を意識したようですが、時すでに遅かったようです。
249手(黒10)まで羽根直樹碁聖の1目半勝ちとなりました。
いやはや、今回の対局はさすが四天王同士の対決、大熱戦でした。
途中まではメイエンさんの解説にも惑わされ、非常に難しい碁と感じました。
少し前までは羽根碁聖は張栩棋聖に勝ち越していたんですが、ここ最近は5、6連敗くらいしていて今回もダメなのかなあと思いながらの観戦でした。
しかしさすがは羽根碁聖。急所で難敵を下したのは見事です。
これで羽根碁聖は決勝に進出!
決勝の相手は高尾九段ー結城九段戦の勝者です。
ここまできたら是非優勝して欲しいですね。
それでは今日はこの辺で。