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しゅう太郎の囲碁ブログ

主に自戦譜やプロの棋譜について思うがままにコメントするブログです

第59回NHK杯準決勝~羽根直樹碁聖VS張栩棋聖~

2012年03月06日 16時25分05秒 | プロの棋譜

 

1年にわたって激しい戦いが繰り広げられたNHK杯もいよいよ大詰め。

今回は一昨日に放送された準決勝・羽根碁聖 対 張栩棋聖の対局を振り返りたいと思います。

 

 

 

 

黒番:羽根直樹 碁聖

白番:張栩 棋聖

 

 

結果:249手まで黒番羽根直樹碁聖の1目半勝ち

 

 

 

 

白2、黒3と向かいあった小目ですね。この型は先にかかったほうが有利といわれていると思うのですが、たいして気にすることも無いということですかね。

 

 

 

黒2は解説のメイエンさんも「羽根さんらしい手」とのこと。自分ならまず左辺に開きます。

 

 

左下の型は最近良く見るようになりました。張栩棋聖は黒14を見てあっさり隅を取りました。これで白不満なしということなんでしょうね。自分のレベルではさっぱりです^^;

 

 

黒は1から5とめいっぱいに打ちました。白は6と左辺に殴りこみです。

 

 

白8ハネの型もあるんですね。自分は黒9のところにノビる手しか打ったことがなかったです。解説によると黒9は意外な手で、張栩棋聖もおやっという表情をしていました。白20はH13にノビずに実戦のように打つのが正しいのですね。G10ツケの筋が無くなるので。

 

ここらへんはお互いに秘術を尽くしている感じです。メイエンさんの解説を聞いてなるほどと思いましたが、自分では打てないでしょうね。

 

 

右上で黒はシチョウ有利を利用して反撃。白16まで一段落したところで黒は19と強烈なパンチを繰り出しました。

 

白3がB14からの追い落としを防ぐ手筋。白9でF8に打つとH11からの切りで白石がとられてしまいます。黒14にはメイエンさんも張栩棋聖も驚いた様子でした。しかしうまく黒石を閉じ込める手段も難しいようです。

 

黒4のアタリを無視して白は反撃。黒も16ブツカリから18キリと激しいことになってきました。

 

 

白11は黒12と換わって損だったのではないかと解説にありました。右辺の黒模様が破れ、白が活きているようでははっきり白良しとメイエンさんは言っていましたが・・・・。

 

白25と打った張栩棋聖の手つきは力強く見えました。ところが・・・・・。

 

 

ところが白20あたりでどうも張栩棋聖の様子がおかしい。急に持ち時間を使い出しました。解説のメイエンさんも「はっきり黒が良しです。」と訂正が^^;

 

 

張栩棋聖も非勢を意識したようですが、時すでに遅かったようです。

 

 

249手(黒10)まで羽根直樹碁聖の1目半勝ちとなりました。

 

 

いやはや、今回の対局はさすが四天王同士の対決、大熱戦でした。

途中まではメイエンさんの解説にも惑わされ、非常に難しい碁と感じました。

少し前までは羽根碁聖は張栩棋聖に勝ち越していたんですが、ここ最近は5、6連敗くらいしていて今回もダメなのかなあと思いながらの観戦でした。

しかしさすがは羽根碁聖。急所で難敵を下したのは見事です。

これで羽根碁聖は決勝に進出!

決勝の相手は高尾九段ー結城九段戦の勝者です。

ここまできたら是非優勝して欲しいですね。

それでは今日はこの辺で。


棋聖戦の最中ですが、第59回NHK杯準々決勝~羽根直樹碁聖vs謝依旻女流本因坊~

2012年02月23日 21時42分59秒 | プロの棋譜

 

現在第36期棋聖戦7番勝負・第5局の真っ最中ですね。

ここまでの成績は2勝2敗の五分。

果たして棋聖を獲得するのはどちらの棋士になるでしょうか?

 

それでは先週行われた注目の一戦、第59回NHK杯準々決勝・羽根直樹碁聖vs謝依旻女流本因坊戦を振り返りたいと思います。

 

 

黒番:謝依旻 女流本因坊

白番:羽根直樹 碁聖

 

 

 

 

結果:188手まで白番羽根直樹碁聖の中押し勝ち

 

 

 

 

謝さんの黒番。布石は小目2つのスタートということで意外でした。これは私がミニ中国流を封じられたときに用いる黒番での打ち方と同じです。

 

 

白15では左上を守るのも、右上を打つのもパッとしないとの治勲さんの解説がありました。ここまではまるで黒が羽根碁聖のような進行ですね。相手が羽根碁聖なので、謝さんはあえて地を意識したのかもしれません

 

 

白6ですか、こういう手があるんですね。ちょっと勉強していないとあっという間に置いていかれてしまうのが怖い^^;一路下のO4はもう古い型なんでしょうか?

 

 

白14はどこに打つのか難しい。自分ならO8にかけつぐかも。しかしちょっとかったるいかな?実戦のようにK3から打って、調子で守るのが碁の流れなのかもしれません。

 

 

ここで黒はT11にポン抜きましたが、R12についでおくべきだったとのこと。

つなぐとS9切りが利きとなり、白石の眼の具合が違ってきますが、謝さん少々狙いすぎましたか。

 

 

この局面では早くも白がやや打ちやすいとの解説でしたが、素人目では黒の確定地が多く、黒のほうが良いかと思って見てました。

(白4=S11)

 

 

しかしここからの進行をみてようやくはっきり白が良いなと思いました。白は全く無駄な石が無く、流れるような進行。いつも苦しい手ばかりを捻り出している(本人は思ってないかも^^;)羽根碁聖とは別人のようです^^

 

 

白10と出た時、解説の治勲さんが「これはチャンス!」と言った時は「お!?」と思いましたが、「本当は黒ダメなんだけどね」と後から追加発言^^;

ここで黒E2と打つのは黒が攻め合い負けのようです。

 

 

白6切り込みから左辺を決めたのは、当然とはいえ白気持ちが良いですね。

そして黒15とはあまりにも辛い・・・。

治勲さんも言っていましたが、この碁は羽根碁聖が強すぎる^^;

ここまでノーミスなのでは?

(白6=C10)

 

 

非勢を意識してか、黒は20と頑張りました。

 

 

治勲さん、「これは逆転もあるよ!」と言っていましたが、恐らくリップサービスではないかと思います。ただし問題は右下の白石のシノギです。

 

 

黒P11のハネダシだけは要注意。白石が切れてしまいます。よって白11は当然の手ですね。

シノギのほうですが、白19と切り、はっきりしてきたようです。

(白7=S9)

 

 

白10とコウを取り返したところで謝さんが投了しました。

とても取れる石ではないですね。

負けると右辺の黒全体がコウになってしまいますし。

(黒1=R11,白4=S11、黒7=R11)

 

 

というわけで謝さんの快進撃はベスト8で止まりました。

しかしNHK杯の歴史に名を残したことは間違いないでしょう。

前回優勝者の山田九段に勝ったということは、十分優勝の可能性もあるということです。

これからが楽しみですね。

 

さて一方の羽根碁聖。

最近絶不調の状態から少しずつ抜け出してきたようです。

この碁は治勲さんはリップサービスでいろいろ言っていましたが、恐らく羽根碁聖の完勝だったと思います。

これで第53回以来の優勝が見えてきました!

ここまできたら是非優勝して欲しいですね。

 

それでは今日はこの辺で。


1週遅れの第59回NHK杯テレビ囲碁トーナメント 羽根直樹碁聖 対 彦坂直人九段

2012年01月24日 20時23分49秒 | プロの棋譜

 

1月22日に放送されたNHK杯は凄かったですね。

女流の謝依旻女流3冠が前回のNHK杯優勝者・山田規三生九段を撃破!

この歴史的快進撃は一体どこまで続くのでしょうか!?

 

さて今回は前回の予告どおり、1週前の羽根ー彦坂戦を振り返りたいと思います。

 

黒番:彦坂直人 九段

白番:羽根直樹 碁聖

結果:178手まで白番羽根直樹碁聖の中押し勝ち

 

 

黒の小林流の布石でスタート。懐かしいです。

黒15に対してS6に継ぐのももちろんありますが、気合は実戦の白16ですかね。

白22までさすがに羽根碁聖はカライ^^

ただアマチュアレベルだと黒のほうが勝ちやすい気もします。

先手を取った黒は左上のカカリへ。

 

 

左上の型は結構ややこしくて、自分はできるだけ避けるようにしています。

例えば白15ではJ17に押さえる手もありますし、黒18ではJ15にカケツグ手やC11と軽く左辺を打つ手もあります。

白19に対して21から当てを決める手もあります。

実戦は黒20と手抜き、手抜いたのならと白21ノビ。ここで22と23の場所が見合いということなんでしょうね。

 

 

黒5までは定型ですが、白6は黒の厚みを意識して高く打ったということなのでしょう。

しかしそれでも黒7のボウシがぴったり。

以降白の苦しいシノギの旅が続きます。

 

白苦しすぎます。

シノギ好きの羽根碁聖は喜んで打っているのかもしれませんが^^;

 

白20とは凄まじい。

O13の切りがあるので勝つためにはこれしかないのでしょうが、果たして白の大石は大丈夫なのでしょうか^^;

(白4=P9)

 

 

そうこうしているうちに黒は得をしていき、白の大石を殺さなくても勝てそうな形勢に・・・。

しかし!

こういう時が一番危ないのです!

白は必死の頑張りモードが継続している一方で、黒は勝ちがちらつき始め、安全モードに切り替わるところだからです。

実際この後の黒の打ち方はややぬるかったようで、逆に中央の黒石が攻められる展開になりました。

 

中央の黒が逃げている間に、右辺の白も助け、白の逆転ムード。

 

 

白26をみて彦坂九段が投了。

 

 

いくらシノギ好き・攻められ好きの羽根碁聖といえども、この碁は本当に危なかったのではないでしょうか?

しかし驚異的な粘りと開き直ったような打ちぶりは、いかにも羽根碁聖らしいなあと思いました。

大変楽しめた1局でした。

 

それでは今日はこの辺で。


羽根直樹、始動。(第37期名人戦挑戦者決定リーグ)

2012年01月18日 19時37分56秒 | プロの棋譜

 

第37期名人戦挑戦者決定リーグ

 

黒番:内田修平 七段

白番:羽根直樹 碁聖

 

結果:白番羽根直樹碁聖の中押し勝ち

 

 

去年は羽根碁聖が大活躍した1年でした。

7大タイトル中、本因坊、王座、碁聖の3つのタイトルに挑戦し、名人リーグは挑戦者決定プレーオフに進出、棋聖リーグでは3勝2敗で4者同率と後一歩のところまでいきました。

 

ところが年末頃から大失速・・・・・。

 

これまで得意としていた張栩棋聖に王座戦5番勝負で3連敗した後、本因坊リーグでも負け。

名人リーグでは5連勝中だった井山天元にも負け。

羽根ファンの私としても非常に寂しい気持ちでした。

しかし!

これからどうなることかと心配していましたが、年が明けて徐々に復調してきたようです!

前にも触れましたが、本人も言っている通り、敗戦を引きずらないのが羽根碁聖の良いところです。

私もようやくブログを書く気力がでてきました(笑)

 

それでは週刊碁にあった羽根ー内田戦の一局面を見てみたいと思います。

なお名人リーグの棋譜と観戦記は朝日新聞に掲載後、朝日のHPに掲載されます。

 

 

 

 

ここまでは見た瞬間、羽根碁聖が白番だとわかる展開^^。

解説では黒1,3が広げすぎだったらしく白4の消しが絶好。

続く黒5からの打ち方も白4への援軍を自然に作らせてしまい疑問だったようです。

まあこういうところはアマチュアレベルでは難しすぎて、どこに打っていいか全くわかりません^^;。

この後内田七段が凄い捨石作戦をみせたようですが、終始羽根碁聖がわずかに良かったそうです。

朝日の観戦記が楽しみですね。

 

次回は NHK杯 羽根ー彦坂戦 を書く予定です。

それでは今日はこの辺で。


第59回NHK杯テレビ囲碁トーナメント 羽根直樹碁聖 対 村川大介七段

2011年11月21日 19時28分15秒 | プロの棋譜

昨日のNHK杯は待ちに待った羽根碁聖が登場。

相手は井山天元に続く期待の若手、関西棋院の村川七段です。

開始前の羽根碁聖のインタビュー。

「去年は早々に負けてしまったので・・・・(以下略)」

さすがは羽根碁聖、去年のベスト8では不満ということですか^^

それでは対局を振り返りたいと思います。

この対局は羽根碁聖屈指の名局ではないでしょうか。

 

 

黒番:羽根直樹 碁聖

白番:村川大介 七段

 

結果:231手まで黒番羽根直樹碁聖の7目半勝ち

 

 

 

 

まずは序盤。

羽根碁聖の道策流は非常に珍しい!

黒9では右上にシマることがほとんどだと思います。

 

 

黒18と大上段に攻める羽根碁聖。

いつもとは雰囲気が違います。

 

村川七段も黒2に対して白3と反発。

以下右上は一段落するも、今度は中央の戦いに移行。

黒24と羽根碁聖らしからぬ攻めっ気100%の手が飛び出しました。

 

今度は白15と村川七段が逆襲。

ここは解説でもありましたが、白G8 あたりが左辺に対して利きなので、強く白15ま

でいけるところです。

対する羽根碁聖は、なんと平然と右下のシマリ(黒16)を打ちました!

さあここからが本局のハイライト。

羽根碁聖が得意のシノギをみせるのか!?

 

 

白1と中央を攻める村川七段。

対する羽根碁聖。

黒6から8と中央を値切りながら白1子を取り込みました。

 

 

 

黒6まで下辺から利かし、

 

 

 

黒9まで左上から利かし、

 

 

 

黒17まで右下から利かし、勝負あり!!!

 

 

 

以下寄せて、羽根碁聖の盤面14目勝ちとなりました。

 

 

 

これだけ見事な捨て石は久しぶりに見ました。

左から利かし!

下辺から利かし!

左上から利かし!

右下から利かしてゲームセット!

 

「捨て石の名局」なんて本があったら、掲載間違いなしでしょうね。

羽根碁聖の完勝だったと思います。

第53回以来の羽根碁聖の優勝が見たくなってきました^^

 

 

それでは今日はこの辺で。


第52期王冠戦、羽根直樹碁聖が王冠位を奪取

2011年11月16日 20時10分52秒 | プロの棋譜

 

今日は第52期王冠戦が岐阜県高山市奥飛騨温泉郷の「ホテル穂高」で行われました。

 

 

 

黒番:羽根直樹 碁聖

白番:山城宏 王冠

 

結果:299手まで黒番羽根直樹碁聖の5目半勝ち

 

 

やってくれました、羽根碁聖!

これで計8期目の王冠位を獲得、去年の雪辱を果たしました。

それでは対局を振り返ってみたいと思います。

 

 

羽根碁聖は相手が2連星の時は黒5で右上にしまる事が多いですが、白2のように小目の時はかかることが多いですね。

白6の3間高バサミは久しぶりに見た気がします。最近また流行し始めているのでしょうか。

黒23まで、黒は気持ちよく攻めているように見えますが、だからといって黒が良いとは限らないところが碁の難しいところ^^;

いつものしのぐことが多い羽根碁聖とは立場が逆ですね

 

これは黒がうまくやったと思いました。局後の感想戦でも白が失敗したとコメントがありました。

白5のキリがやり過ぎだったようです。

 

黒8のツケコシが厳しい手段。

 

出るのは以下黒4まで黒好調。

 

しかし黒1と継いでは黒ますます好調。

黒7のブツカリに控え室では驚きの声が起こりました。

 

 

黒10までとなっては、元々白石が多かったところなので黒不満無しとの評。

 

 

上辺に打ち込んだ白石を生かして、黒28が厳しい。

左下と下辺の白石の絡み攻めを狙っています。

ただし局後の羽根碁聖の感想では、上辺で白をあっさり生かしては黒良くなかったとのこと。

 

 

黒20と封鎖して中央の黒模様が大きくなってきました。

 

白17と抜いて白が良くなったかもしれない、と局後の山城王冠の感想がありました。

 

ちなみに右下隅は以下のように手残りです。

 

中央の黒模様は味が悪かったのですが、軽症ですんだようです。

局後の感想では白に決定的な決め手があったようですね。

 

こうなってははっきり黒良しの判定が出ました。

 

 

以下寄せて右上のコウ争いとなりましたが、大勢に影響なく、最後は黒の盤面12目勝ちとなりました。

 

 

途中で危ない場面もあったようですが、序盤から羽根碁聖がずっと押し気味だったようにみえました。

これを弾みにして、他の棋戦も頑張ってほしいですね。

 

それでは今日はこの辺で。


第36期棋聖戦挑戦者決定戦

2011年11月14日 20時28分00秒 | プロの棋譜

 

さて11月11日に行われたもう一つの重要対局・第36期棋聖戦挑戦者決定戦です。

 

 

黒番:井山裕太 十段

白番:高尾紳路 九段

 

結果:284手まで白番高尾九段の半目勝ち

 

 

 

 

高尾九段、やりましたね!

今まで分の悪かった井山十段に見事な半目勝ちでした。

高尾九段のタイトル戦登場は久しぶりですね。

高尾九段は張栩棋聖とはほとんど互角の成績なので楽しみです。

一方井山十段は今期はことごとく四天王に邪魔されていますね・・・。

まあ井山十段はまだまだ若いので、これからどんどん強くなっていくでしょう。

実戦は私が気になった1箇所だけを振り返りたいと思います。

 

 

布石は井山十段得意の中国流に高尾九段は2連星で対抗。

もう見飽きたくらいの布石です^^;

白16の打ち込みに対する黒の対応が勉強になりました。

黒は17(白32のところ)と受け、白ははねだして這う。

これが黒として嫌なので、私はこの形になるのを今までできるだけ避けてきました。

そして注目の井山十段の対応です。

 

黒21から星につけぎってからのしぼり!

 

これは勉強になりました。

 

 

 

 

それでは今日はこの辺で。


まずは第59期王座戦第2局を振り返る

2011年11月12日 23時53分37秒 | プロの棋譜

11日は第59期王座戦第2局と第36期棋聖戦挑戦者決定戦といった2つの重要対局が行われました。

まずは王座戦を振り返りたいと思います。

 

 

黒番:張栩 王座

白番:羽根直樹 碁聖

 

 

結果:300手まで黒番張栩王座の1目半勝ち

 

 

 

 

 

黒1,3,5は張王座おなじみの得意布石。

白14下がりでは黒15のところに押すのが普通らしいです。

私はあまり白14の下がりは打たないんですよねえ。

単に白16に下がって黒N5にケイマで封鎖、白先手の定石があるじゃないですか。

その後は白すぐに14に下がらないので。

まあN4のハネダシの具合があるから違うのでしょうね。

 

 

 

白11では伸びずに、

 

 

抜いて以下のようになれば定型。

 

 

ここらへんでは黒やや打ちやすそうとの評がありました。

 

 

ここで昼食休憩。羽根碁聖は得意の天ぷら蕎麦でした^^

 

 

右辺の荒らし方がうまかったようで、ここでは形勢不明のようです。

 

 

白は22から必死の寄りつき。

 

 

白34の直前までは黒が大変ではないかと言われていたそうです。この手で、、

 

 

1と当て込んでいたら白が良かったのではないかとのことでした。継ぐ場所が難しいそうです。

N5しかないように見えますけどね^^;;詳しい解説は無かったので私にはわかりません。

 

 

しかしまだまだ難しい形勢。

 

 

白2の放り込みでは3のところに下がるほうが大きかったようです。

以下白20からコウ争いとなりましたが、白及びませんでした。

 

 

300手の大熱戦を制し張王座が2連勝。

羽根碁聖も勝つチャンスはあったようですが、残念ながら及びませんでした。

しかし追い込まれてからが羽根碁聖の本領発揮です。

期待したいですね。

 

それでは今日はこの辺で。

 

 

 

 


天元戦第2局、王座戦第2局、棋聖戦挑戦者決定戦

2011年11月10日 18時33分20秒 | プロの棋譜

 

既報の通り、天元戦第2局は井山十段の半目勝ち。

左下ではっきり良いワカレになってからは終始安全運転のようにみえました。

このままタイトル奪取となるのでしょうか?

 

そして明日は重要対局が2つあります。

王座戦第2局と棋聖戦挑戦者決定戦です。

王座戦第1局は張王座と羽根碁聖の初の番碁ということで楽しみにしていたのですが、

なんだかお互いが妙に噛み合ってしまったというか、今期の本因坊戦のときのような激しさ

が見られませんでした。

まあ羽根碁聖は追い詰められてからが勝負ですから、明日はそれほど期待しないことにし

ます^^

 

棋聖戦挑戦者決定戦は本来羽根碁聖が出るべきところでした。

碁ワールドにも書いてありましたが、やはり羽根ー山下戦は終盤まで羽根碁聖が優勢だっ

たようです。

まあ来年に期待しましょう^^

高尾九段が久しぶりのタイトル戦登場となるかが見ものですね。

高尾九段は井山十段にはかなり分が悪いですが、先の本因坊リーグでは井山十段に久し

ぶりに勝っていますから、まだまだわかりません。

 

明日はブログを更新できませんので、できれば土曜日に更新したいです。

 

それでは今日はこの辺で。


羽根碁聖、88手の短手数で黄八段に快勝! ~第67期本因坊リーグ~

2011年11月07日 19時53分41秒 | プロの棋譜

 

本因坊リーグ1回戦では天敵の結城九段に敗れた羽根碁聖。

2回戦はこれまで1勝3敗と負け越している黄翊祖八段が相手です。

厳しい結果も覚悟していましたが、なんと88手の短手数で完勝です!

週刊碁によりますと、まず羽根碁聖が序盤早々「1度試してみたかった」という新手を右下で繰り出しました。

その後中央で黄八段が強襲、羽根碁聖が頑強に抵抗し、殺すか殺されるかの緊迫した局面で羽根碁聖に

妙手が出て黄八段の投了となったようです。

これで羽根碁聖の成績は1勝1敗となりました。

 

3回戦は現在王座戦で戦っている張栩棋聖が相手です。

頑張ってほしいですね。

 

それでは今日はこの辺で。

 

 

 

 


天頂の囲碁3の9路盤は尋常じゃない強さ

2011年11月05日 13時14分47秒 | プロの棋譜

 

前回の続きで、天頂の囲碁3の話です。

天頂の囲碁3は強さが4段まで選べるのですが、さらに4段の上に「長考」というものがあります。

時間設定をしないと延々と考え込んでしまうのですが、1手10秒とか20秒とかで設定することもできます。

つまり、「長考」で「1手10秒」とかできるわけです。

なんだか変な感じですが^^;

自分はもっぱらこの、「長考」で「1手10秒」の天頂と打っています。

 

そして気分転換に9路を打ってみたのですが・・・・・

なんと、

なんとなんと、

 

 

互い先で50回ほど打ちまして、5回しか勝てませんでした

 

 

最初は黒番ばかりで打って細かく負け続けたので、なら白番ではどうかと白番ばかりで打ちましたが、

結局白番でも負け続けました・・・・・

勝つことが奇跡的な状況なので、勝った棋譜のみパソコンに保存している有様です^^;

 

一度9路盤で 天頂の囲碁3 対 プロ棋士 の対局が観てみたいですね。

前回も述べたとおり、本当にゲームソフトがプロに勝つ日が来るかもしれません。

 

それでは今日はこの辺で。


羽根直樹碁聖、第38期天元戦本戦進出決定!

2011年10月29日 13時57分01秒 | プロの棋譜

既報の通り、名人戦は山下本因坊が4勝2敗で勝利。

名人本因坊は史上7人目。

これで四天王で名人本因坊になっていないのは羽根碁聖だけとなりました。

今期は羽根碁聖にも名人本因坊になるチャンスは十分あったのですが・・・・。

まあ来期以降の楽しみとしておきましょう。

 

 

さて今日は先日行われた第38期天元戦予選A 羽根直樹碁聖 対 後藤俊午九段戦を振り返りたいと思います。

 

黒番:羽根直樹碁聖

白番:後藤俊午九段

 

結果:155手まで黒番羽根直樹碁聖の中押し勝ち

 

 

 

 

羽根碁聖は白が2連星の時はほぼ間違いなく右上をしまるのですが、小目の時はかかることが多いようです。

 

 

 

左下はすっかりおなじみとなった型。自分はいまだに違和感があるのですが^^;

その中でも白9のコスミは比較的珍しいのではないでしょうか。

 

 

以下は石の競り合いです。

ある意味、碁の基本中の基本ともいえることでしょうね。

初学者の方には特に勉強になると思います。

 

 

黒も白も非常にしっかりと、流れるように打っている印象を受けます。

ただ個人的には、白を攻めながら中央の黒模様をまとめている黒を持ちたいです。

 

 

白は大石をしっかり治まりましたが、その間に黒に他の場所を打たれ、少し遅れてしまった感じがします。

 

 

ここは周りの黒が堅いので、P9に切る一手だと思いました。ところが・・・・

 

 

まさかの黒1の下ハネ。ちょっとよくわからないです。右上の黒に味が悪いところがあったのか、下ハネで安全に勝てると見たのか。

 

 

確かに前譜から黒は丁寧に受けている印象は受けます。羽根碁聖は優勢を意識していたのかもしれません。

 

 

黒1とちょっかいをかけましたが、全く争いを起こす気はないようです。

 

 

以下淡々とヨセていましたが、右上でとんでもないコウが発生。

 

白5と継げば、白の生死をかけたコウになりました。

ただこれは後藤九段も織り込み済みで、投げ場を求めたのかもしれません。

コウに関わらず、形勢は黒がはっきり良いようです。

白1(O4)黒4(N4)白7(O4)

 

 

羽根碁聖にとって天元戦は獲得3期と相性の良い棋戦です。

タイトル目指して頑張ってほしいですね。

 

それでは今日はこの辺で。


今月の月刊碁ワールドは絶対に買うべし!

2011年10月25日 18時49分27秒 | プロの棋譜

 

まず先日の天元戦第1局ですが、井山名人の白番中押し勝ち。

黒模様の中で見事なシノギをみせてくれました。

 

さて今月の碁ワールドですが、羽根碁聖特集といった感じでした。

新渡戸稲造を若くしたような凛々しい写真に始まり、インタビュー記事、そして碁聖戦最終局

の自戦解説と羽根ファンには大満足の内容でした。

 

特に自戦解説は非常に勉強になりますし、解説者とは違う考え方をしていることもわかって

面白かったです。

左上の定石でアテに対してつがずに抜いた理由にはなるほどと思いました。

 

あとは羽根碁聖のインタビュー記事で、「一応終局した時点では自分の中でその碁は消化してしまっている。」

「(負けて悔しくて眠らないということは)ないですね。」といったやりとりには、これが崖っぷちの強さなのかと感

心しました。

 

 

これ以上のことは是非今月の月刊碁ワールドを買って、お確かめください^^

 

それでは今日はこの辺で。

 


第59期王座戦5番勝負第1局

2011年10月20日 21時55分13秒 | プロの棋譜

待ちに待った第59期王座戦が今日から始まりました。

羽根碁聖と張栩王座の番碁は初。

これまでの対戦成績は羽根碁聖の13勝12敗と拮抗しています。

ただしここ最近は羽根碁聖が3連敗中です。

 

それでは対局を振り返ってみたいと思います。

 

黒番:羽根直樹碁聖

白番:張栩王座・棋聖

結果:264手まで白番張栩王座の3目半勝ち

 

 

 

 

 

黒17までは昔からたくさん打たれてきた布石。将棋の場合は途中まで同じ前例を辿ることが多く、どこで前例と別れるか、なんてことがよく注目されます。

囲碁は同じ前例を辿ることは非常に少なく、すぐに見たことのない局面が出現します。ここでD14と受ける手は左辺がスソアキでちょっと打ちにくいですね。どこに打つのかなあと思いましたが、張王座にまさかの手が飛び出しました。

 

 

なんと白1下がりから白3,5と1線のハネツギ!羽根碁聖なら必ずL3に打ち込むと思いましたが、上から黒6と利かしました。左下が懐かしい定石。この白15の2間トビが油断ならない手で、

 

 

黒が受けないと実践のように白4コスミが強烈な狙いとなります。まあこれはプロなら誰でもわかっていることであり、当然羽根碁聖も織り込み済みです。

張王座は左辺は何もせず黙って白32のツギ。どうやら形勢に自信があるようです。

 

 

羽根碁聖は囲いあいを拒否、黒2と荒らしあいを選択しました。解説では白33のオキが厳しいとのことでしたが、

 

以下黒24までぴったり黒の1手勝ち。勝負はヨセ勝負へ。

 

以下のようにぴったり黒勝ちですね^^

 

 

どうもここらへんでは白のほうが形勢が良いようです。ただ黒13では普通にJ6ツギならまだまだわからなかったようです。

 

以下は小ヨセ。

 

黒は右辺で勝負手気味のコウを仕掛けますが、逆に少し損をしたのではないかとの解説でした。

 

その後上辺でもコウ争いが起きましたが大勢には影響せず。白の3目半勝ちとなりました。

 

昔ながらの布石に昔ながらの定石、戦いも無い数え碁。

見ていてなんだか懐かしい気分になりました。

 

 

というわけで、我らが羽根碁聖は黒星スタートです。

追い込まれれば追い込まれるほど真価を発揮する羽根碁聖。

まだまだわかりません。

ぜひもう1つタイトルを取って欲しいですね。

 

それでは今日はこの辺で。