現在第36期棋聖戦7番勝負・第5局の真っ最中ですね。
ここまでの成績は2勝2敗の五分。
果たして棋聖を獲得するのはどちらの棋士になるでしょうか?
それでは先週行われた注目の一戦、第59回NHK杯準々決勝・羽根直樹碁聖vs謝依旻女流本因坊戦を振り返りたいと思います。
黒番:謝依旻 女流本因坊
白番:羽根直樹 碁聖
結果:188手まで白番羽根直樹碁聖の中押し勝ち
謝さんの黒番。布石は小目2つのスタートということで意外でした。これは私がミニ中国流を封じられたときに用いる黒番での打ち方と同じです。
白15では左上を守るのも、右上を打つのもパッとしないとの治勲さんの解説がありました。ここまではまるで黒が羽根碁聖のような進行ですね。相手が羽根碁聖なので、謝さんはあえて地を意識したのかもしれません
白6ですか、こういう手があるんですね。ちょっと勉強していないとあっという間に置いていかれてしまうのが怖い^^;一路下のO4はもう古い型なんでしょうか?
白14はどこに打つのか難しい。自分ならO8にかけつぐかも。しかしちょっとかったるいかな?実戦のようにK3から打って、調子で守るのが碁の流れなのかもしれません。
ここで黒はT11にポン抜きましたが、R12についでおくべきだったとのこと。
つなぐとS9切りが利きとなり、白石の眼の具合が違ってきますが、謝さん少々狙いすぎましたか。
この局面では早くも白がやや打ちやすいとの解説でしたが、素人目では黒の確定地が多く、黒のほうが良いかと思って見てました。
(白4=S11)
しかしここからの進行をみてようやくはっきり白が良いなと思いました。白は全く無駄な石が無く、流れるような進行。いつも苦しい手ばかりを捻り出している(本人は思ってないかも^^;)羽根碁聖とは別人のようです^^
白10と出た時、解説の治勲さんが「これはチャンス!」と言った時は「お!?」と思いましたが、「本当は黒ダメなんだけどね」と後から追加発言^^;
ここで黒E2と打つのは黒が攻め合い負けのようです。
白6切り込みから左辺を決めたのは、当然とはいえ白気持ちが良いですね。
そして黒15とはあまりにも辛い・・・。
治勲さんも言っていましたが、この碁は羽根碁聖が強すぎる^^;
ここまでノーミスなのでは?
(白6=C10)
非勢を意識してか、黒は20と頑張りました。
治勲さん、「これは逆転もあるよ!」と言っていましたが、恐らくリップサービスではないかと思います。ただし問題は右下の白石のシノギです。
黒P11のハネダシだけは要注意。白石が切れてしまいます。よって白11は当然の手ですね。
シノギのほうですが、白19と切り、はっきりしてきたようです。
(白7=S9)
白10とコウを取り返したところで謝さんが投了しました。
とても取れる石ではないですね。
負けると右辺の黒全体がコウになってしまいますし。
(黒1=R11,白4=S11、黒7=R11)
というわけで謝さんの快進撃はベスト8で止まりました。
しかしNHK杯の歴史に名を残したことは間違いないでしょう。
前回優勝者の山田九段に勝ったということは、十分優勝の可能性もあるということです。
これからが楽しみですね。
さて一方の羽根碁聖。
最近絶不調の状態から少しずつ抜け出してきたようです。
この碁は治勲さんはリップサービスでいろいろ言っていましたが、恐らく羽根碁聖の完勝だったと思います。
これで第53回以来の優勝が見えてきました!
ここまできたら是非優勝して欲しいですね。
それでは今日はこの辺で。