しゅう太郎の囲碁ブログ

主に自戦譜やプロの棋譜について思うがままにコメントするブログです

1週遅れの第59回NHK杯テレビ囲碁トーナメント 羽根直樹碁聖 対 彦坂直人九段

2012年01月24日 20時23分49秒 | プロの棋譜

 

1月22日に放送されたNHK杯は凄かったですね。

女流の謝依旻女流3冠が前回のNHK杯優勝者・山田規三生九段を撃破!

この歴史的快進撃は一体どこまで続くのでしょうか!?

 

さて今回は前回の予告どおり、1週前の羽根ー彦坂戦を振り返りたいと思います。

 

黒番:彦坂直人 九段

白番:羽根直樹 碁聖

結果:178手まで白番羽根直樹碁聖の中押し勝ち

 

 

黒の小林流の布石でスタート。懐かしいです。

黒15に対してS6に継ぐのももちろんありますが、気合は実戦の白16ですかね。

白22までさすがに羽根碁聖はカライ^^

ただアマチュアレベルだと黒のほうが勝ちやすい気もします。

先手を取った黒は左上のカカリへ。

 

 

左上の型は結構ややこしくて、自分はできるだけ避けるようにしています。

例えば白15ではJ17に押さえる手もありますし、黒18ではJ15にカケツグ手やC11と軽く左辺を打つ手もあります。

白19に対して21から当てを決める手もあります。

実戦は黒20と手抜き、手抜いたのならと白21ノビ。ここで22と23の場所が見合いということなんでしょうね。

 

 

黒5までは定型ですが、白6は黒の厚みを意識して高く打ったということなのでしょう。

しかしそれでも黒7のボウシがぴったり。

以降白の苦しいシノギの旅が続きます。

 

白苦しすぎます。

シノギ好きの羽根碁聖は喜んで打っているのかもしれませんが^^;

 

白20とは凄まじい。

O13の切りがあるので勝つためにはこれしかないのでしょうが、果たして白の大石は大丈夫なのでしょうか^^;

(白4=P9)

 

 

そうこうしているうちに黒は得をしていき、白の大石を殺さなくても勝てそうな形勢に・・・。

しかし!

こういう時が一番危ないのです!

白は必死の頑張りモードが継続している一方で、黒は勝ちがちらつき始め、安全モードに切り替わるところだからです。

実際この後の黒の打ち方はややぬるかったようで、逆に中央の黒石が攻められる展開になりました。

 

中央の黒が逃げている間に、右辺の白も助け、白の逆転ムード。

 

 

白26をみて彦坂九段が投了。

 

 

いくらシノギ好き・攻められ好きの羽根碁聖といえども、この碁は本当に危なかったのではないでしょうか?

しかし驚異的な粘りと開き直ったような打ちぶりは、いかにも羽根碁聖らしいなあと思いました。

大変楽しめた1局でした。

 

それでは今日はこの辺で。


羽根直樹、始動。(第37期名人戦挑戦者決定リーグ)

2012年01月18日 19時37分56秒 | プロの棋譜

 

第37期名人戦挑戦者決定リーグ

 

黒番:内田修平 七段

白番:羽根直樹 碁聖

 

結果:白番羽根直樹碁聖の中押し勝ち

 

 

去年は羽根碁聖が大活躍した1年でした。

7大タイトル中、本因坊、王座、碁聖の3つのタイトルに挑戦し、名人リーグは挑戦者決定プレーオフに進出、棋聖リーグでは3勝2敗で4者同率と後一歩のところまでいきました。

 

ところが年末頃から大失速・・・・・。

 

これまで得意としていた張栩棋聖に王座戦5番勝負で3連敗した後、本因坊リーグでも負け。

名人リーグでは5連勝中だった井山天元にも負け。

羽根ファンの私としても非常に寂しい気持ちでした。

しかし!

これからどうなることかと心配していましたが、年が明けて徐々に復調してきたようです!

前にも触れましたが、本人も言っている通り、敗戦を引きずらないのが羽根碁聖の良いところです。

私もようやくブログを書く気力がでてきました(笑)

 

それでは週刊碁にあった羽根ー内田戦の一局面を見てみたいと思います。

なお名人リーグの棋譜と観戦記は朝日新聞に掲載後、朝日のHPに掲載されます。

 

 

 

 

ここまでは見た瞬間、羽根碁聖が白番だとわかる展開^^。

解説では黒1,3が広げすぎだったらしく白4の消しが絶好。

続く黒5からの打ち方も白4への援軍を自然に作らせてしまい疑問だったようです。

まあこういうところはアマチュアレベルでは難しすぎて、どこに打っていいか全くわかりません^^;。

この後内田七段が凄い捨石作戦をみせたようですが、終始羽根碁聖がわずかに良かったそうです。

朝日の観戦記が楽しみですね。

 

次回は NHK杯 羽根ー彦坂戦 を書く予定です。

それでは今日はこの辺で。