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しゅう太郎の囲碁ブログ

主に自戦譜やプロの棋譜について思うがままにコメントするブログです

第52期王冠戦、挑戦者は羽根直樹碁聖に決定!

2011年10月15日 19時05分52秒 | プロの棋譜

 

名人戦第5局は井山名人の勝ち。

相変わらずの山下本因坊らしい強烈な攻めが炸裂したかと思いましたが、井山名人が見事なシノギを見せてくれました。

山下本因坊は全力で取りにいってしのがれて負けというパターンが少なからずありますね。

 

 

さて、じつは名人戦第5局の最中に(私が)大注目の対局がひっそりと行われていました。

第52期王冠戦挑戦者決定戦です。(王冠戦は中部総本部所属の棋士のみで行われる地方戦です。)

残念ながら棋譜はありませんが、羽根碁聖が難敵・小県九段を下し、挑戦者に決まったとのことです。

挑戦手合いの相手は山城王冠。

山城王冠は羽根碁聖が登場するまでは長らく中部総本部のトップでした。

7大タイトルは獲得こそないですが、6回も挑戦があります。

そして王冠獲得数は15!王冠戦挑戦手合い登場回数は25!

まさに「ミスター王冠」ですね。

羽根碁聖は最近山城王冠に負けることが多いです。

頑張ってほしいですね。

 

 

それでは今日はこの辺で。

 

 


第67期本因坊戦リーグ開幕

2011年10月09日 22時38分01秒 | プロの棋譜

先の名人戦第4局は山下本因坊の勝ちで名人奪取に王手。

両者普段と逆のような打ち回しでした。

焦点がはっきりしていてわかりやすく、面白かったです。

井山名人はどうも噛み合っていない感じがしますね。

 

さて第67期本因坊リーグが開幕しました。

リーグ参加棋士は羽根直樹碁聖(35)、井山裕太名人(22)、張栩棋聖(31)、瀬戸大樹七段(27)、結城聡天元(39)、高尾紳路九段(34)、河野臨九段(30)、黄翊祖八段(24)の8名です。

今期も前期に勝るとも劣らない棋士が揃いましたね。

以下開幕戦の結果です。

 

(左が勝ち、△は先番)

河野九段 2目半 △張棋聖

(1勝)     (1敗)

結城天元 中押し △羽根碁聖

(1勝)     (1敗)

 

うーん、羽根碁聖はいきなり負けてしまいました。

どうも昔から結城天元は苦手にしてるんですよね・・・。

羽根碁聖は井山名人や張棋聖のような才気煥発タイプには強いですが、山下本因坊や結城天元のようなパワータイプには弱いような気がします。

しかしまだ1敗!

まだまだこれからの頑張り次第ですね。

 

それでは今日はこの辺で。


信じられない、羽根碁聖、歴史に残る大ポカか?棋聖リーグ羽根・山下戦

2011年10月02日 16時11分18秒 | プロの棋譜

棋聖戦Aリーグは崖っぷちからの大逆転で井山名人が優勝。

高尾9段と挑戦者決定戦を争うこととなりました。

羽根碁聖は勝てばAリーグ優勝でしたが、苦手の山下本因坊に中押し負け。

今期はことごとく急所で山下本因坊に負かされてしまいました・・・。

ところで問題なのがこの羽根ー山下戦。

何が問題かと言うと、最後の攻め合いのところはどう考えても羽根碁聖の勝ちだと思うのです。

詳細は週刊碁なり碁ワールドなり見てみないとわかりませんが、ちょっと不可解なところがありました。

 

そこを含めて振り返ってみたいと思います。

 

黒番:羽根直樹碁聖

白番:山下敬吾本因坊

結果:172手まで山下敬吾本因坊の白番中押し勝ち

 

 

最初は平易な序盤で始まりましたが、白16の打ち込みから競り合いに。

 

黒9まで上辺は一段落。白10の打ち込みから黒はゴリゴリと決めました。白20に対して受けるのは利かされということなのでしょうね。黒26はQ2スベリくらいでは甘いとみましたか。

 

黒は右下隅にはいって地を稼いだので当然下辺の黒石は攻めを食らいます。

白41で、、、

 

出切りは無理ですね^^

 

黒26とドカンと打ち込み。K6の黒石の動き出しを睨んだ手ですね。

 

白10と手堅く中央の黒石を取り込んだのは計算ができていたのか、白が無理と判断したのか。

しかしその後の左辺の白石を取られたのは誤算としか考えられません。ここが取られて何事もなければ終了です。

左辺の攻め合いですが、、、

 

黒3=A10 黒7=B10

以下は1例ですが、白2と打ってもA10にさえ打てばどう打っても黒の1手勝ちなのです!

 

山下本因坊は下辺からの大石への攻めに全てを託します。

以下のようになり黒投了となりました。

 

しかし!

 

これはどう考えてもおかしい!

 

問題は黒21の放り込みです。

 

ここは黒1と抜く1手でしょう!

ここで白はQ7から白1子を取られる手を防がないといけません。

例えば白2と押さえると、やはりQ7割り込みから追い落としがあるので黒5までが先手で利き、右辺の黒ははっきり生きです。

これが実戦との大きな違いなんです。

 

白2には当然黒3です。実戦は黒3でなく黒S9に打って白はR8につなぎ、それから黒がT16に放り込んだのと同じ理屈になっています。

*訂正(10月2日20時30分) 黒3ではQ7から取ってしまう手がありますね。失礼しました。

 

白はどう打っても右辺の黒は生きるので、みやすくするため白2と防いだとしましょう。

そこで実戦のように黒3に放り込みしろ4つなぎに黒5とつぐ。

これで果たして攻めあいはどうなるかということですが、、、

 

以下1例ですが、白6とアテコミを防ぎつつ手数を伸ばしても、どう打っても黒が手勝ちとなります。

 

 

 

 

上述の例は黒の攻めあい2手勝ちです。

詳細は解説待ちですが、2手勝ちを覆すにはよっぽどの妙手が発見されないと無理としたものでしょう。

これは羽根碁聖、痛恨のミスだったのではないでしょうか?

ミスだとしたら残念無念です・・・。

残るは王座戦のみになってしまいましたが、考えてみれば張栩棋聖も井山名人も2冠。

現在の囲碁界は群雄割拠で、どんなに頑張ろうと調子が良かろうと、2冠くらいが限度ともいえます。

羽根碁聖は王座戦に集中して頑張ってほしいですね。

 

それでは今日はこの辺で。

 


天元戦予選 羽根直樹碁聖対今村善彰九段

2011年09月24日 14時03分27秒 | プロの棋譜

9月22日に天元戦の予選Aが行われました。

前期の天元戦では比較的苦手とする山城九段に敗れた羽根碁聖。

はたして今期はどこまでいくことができるでしょうか?

 

黒番:羽根直樹碁聖

白番:今村善彰九段

 

結果:125手まで黒番羽根碁聖の中押し勝ち

 

 

白番の今村九段は名人リーグにもはいったことがある、中部総本部の実力者です。

昔の記事にも書いたことがあったかもしれませんが、私が初めて打っていただいたプロ棋士が今村九段です。

当時は8子局で打っていただいて、大石を殺しにいったら、ことごとくこちらの石が殺されました(笑)

今村九段の棋風はとにかく石が踊らない。地に辛く堅実。

羽根碁聖は地に辛いですがギリギリの崖っぷちを歩いている感じなので、両者の棋風はやや違う印象です。

それでは対局を振り返ってみたいと思います。

 

羽根碁聖は黒5が多いですね。私はC14にカカッて道策流を目指す碁が多いです。

白8が最近良く見る様子見。自分は打たれたことはあっても打ったことはないです。

昔は、

 

当然のごとくこんな感じで打たれていました。次はAやB、もしくはその周辺、Cや下辺3連星とか。

時代は変わりました^^;

 

 

どかんといきなり黒1に打ち込み。白2のハネに対してもさらに黒3と打ち込み。ここから激しい競り合いになりました。黒石が多いところとはいえここら辺ではやや羽根碁聖のほうが打ちやすい気がします。白48のノゾキに対して、

 

 

黒1から黒11まで決めれるだけ決め手から黒13に手を戻しました。当然かもしれませんが、利かしにきた瞬間というのが非常に重要で、ノータイムでつなぐようではまだまだということですね^^

黒17を1本打って、黒19が面白い手と思いました。あくまで白石を裂いていく手で、C14やF16をみているんですね。

 

 

両者我が道を行くという感じですね。

 

 

こうなってはもう止まりません。最後は白の大石が死んで終局となりました。

 

白石は死んでいます。

 

羽根碁聖の完勝といえる内容ではないでしょうか?

前期のリベンジに向けて幸先のよいスタートを切れたと思います。

次の相手は後藤俊午九段です。

勝てば本戦入りとなります。

頑張ってほしいですね。

 

それでは今日はこの辺で。


第36期名人戦7番勝負第3局

2011年09月22日 19時12分57秒 | プロの棋譜

 

 黒番:山下道吾本因坊

 白番:井山裕太名人

 

 結果:174手まで黒番山下道吾本因坊の中押し勝ち

 

 

1日目では右下で大きなコウができ、コウを解消後は白が黒を攻める展開でした。

この辺ですでに黒が良さそうに思えましたが、上辺の白を厳しく攻め立て、はっきり黒がよくなったようです。

第4局は10月5日(水)6日(木)に静岡県下田市「清流荘」で行われるます。

 

 

そしていよいよ迫ってきました、棋聖リーグ最終一斉対局!!!

来週9月29日(木)に行われます。

Bリーグは高尾九段がすでに挑戦者決定戦進出を決めていますが、問題はAリーグです。

井山名人、山下本因坊、羽根碁聖、河野九段の4名に挑戦者決定戦進出のチャンスがあります。

単純な数学上の確率で優位なのは羽根碁聖なのですが、相手は最も苦手とする山下本因坊。

そこを考えると河野九段が挑戦者決定戦進出を決めるかもしれません。

楽しみですね。

 

それでは今日はこの辺で。

 


第36期名人戦7番勝負第2局 2日目

2011年09月15日 19時22分03秒 | プロの棋譜

 

結果:179手まで黒番井山裕太名人の中押し勝ち

 

 

昨日はこれから激しくなると書きましたが、激しすぎてわけがわかりません(笑)

難しい死活が絡みまくる上に、捨てる場合も含めた形勢判断も必要なので、私では到底解説不能であります。

左辺1線ハネの妙手から黒ペースになったとのことですが、それ以外の手が全てダメと読みきってこその妙手であり、それができなければ理解できていないということなので、私では説明不可能ということです。無念。

やはり井山名人が打つ碁は難解な碁になるようです。

ちなみに羽根碁聖が打つ碁は(少なくとも争点に関しては)簡明な碁になって、アマチュアでもなんとなく理解はできる感じですね。

うーーーーむ、これはちょっと、1局目に続いてレベルが高すぎる!!!

この間の山下-羽根の本因坊戦のほうが(理解しやすいという意味で)面白かったなあ^^;

第3局は9月21日、22日青森県弘前市『藤田記念庭園』で行われます。

 

それでは今日はこの辺で。


第36期名人戦7番勝負第2局

2011年09月14日 19時37分21秒 | プロの棋譜

王座戦の挑戦者決定戦で羽根碁聖に負けたばかりの井山名人。

十段戦で村川七段に負けたばかりの山下本因坊。

対局過多による疲労がでてきているのかもしれません。

しかしそれもトッププロにとっての宿命。

名人戦では素晴らしい碁を打って欲しいですね。

 

さて第2局は井山名人の黒番で、中国流対2連星の布石でスタート。白が56手目を打ったところで1日目が終了となりました。

 

 

黒番:井山裕太名人

白番:山下道吾本因坊

 

 

以下、幽玄の間・荒木六段の封じ手予想です。

A=二子を逃げる前に白の弱みを追及する。
B=広い方へ逃げる。
C=変化を求めた逃げ方。
D=戦いが不利だと判断し、大石を安泰にする。

 

高尾日記によれば、高尾九段の予想はBとのこと。

私もここはBだと思います。

明日から激しい展開になるでしょう。

楽しみですね。

 

それでは今日はこの辺で。


今週の週刊碁

2011年09月12日 21時21分19秒 | プロの棋譜

さっそく今週の週刊碁を買ってきました。

1面トップは「川畑院生惜しい」(中野杯で川畑院生が常石初段に勝ちそうだった記事)

裏面トップは「羽根登場」(王座戦挑戦者決定戦の記事)

 

正直、今週号はあまり興味深い記事は無かったです。

唯一気になった記事が上記の王座戦挑戦者決定戦の記事でしたが、ほとんど解説らしい解説も無く、ガッカリでした。

しかしインタビューで張栩王座が羽根碁聖についてコメントをしていたのは斬新に感じました。

あまり聞いたことが無いので。

やはり張栩王座は羽根碁聖に結構負かされていたことを気にかけていたようですね。

詳しくは週刊碁をお買い求めください^^

 

それでは今日はこの辺で。


大和証券杯 羽根直樹碁聖対小県真樹九段戦

2011年09月10日 22時05分27秒 | プロの棋譜

 本日夜8時から大和証券杯の1回戦が2局行われました。

2局のうち、羽根ー小県戦を振り返りたいと思います。

 

 

 

 

黒番:羽根直樹碁聖

白番:小県真樹九段

結果:206手まで白番小県真樹九段の中押し勝ち

 

 

羽根碁聖、負けてしまいました。

どうも小県九段には分が悪い印象があります。

この間のNEC杯でも負かされていましたね。

それでは実戦をみていきたいと思います。

 

白16のボウシは本因坊戦での山下本因坊を彷彿とさせますね。

 

 

黒9とは驚きました。ここはこう打つところなんでしょうか?本因坊戦では(石の配置は違いますが)ずっと手抜きのままで、

最後はQ6の1間トビで手を入れていました。

 

 

この白1は初めて見ました。1路控えるN15ならよく見ますし、自分もそう打つのですが。

 

以下は羽根碁聖が4隅を取り、中央の黒石のシノギに回るという得意の展開に。

 

幽玄の間の石田篤司九段の解説ではここらあたりはやや白が苦しいのではないかとのことでした。

私もそう思いましたが・・・・

 

以下のように進み、なんだか白にうまく打たれてしまったようです。

早碁なのでこの段階では双方秒読みです。黒に何かうまい手があったかもしれません。

あと解説では触れられませんでしたが、黒14でR10にすべったりするのはどうだったのでしょう。

 

ここで黒が10と当ててコウにしたのは、黒が非勢を意識してとの石田九段の解説がありました。

(白5はR8)

 

コウダテが続かないためか、早碁の勢いか、羽根碁聖は白11に対して隅を捨て、黒12とコウを解消。

しかしさすがに隅の白地が大きいようです。

 

以下しばらく打ちましたが、最後は盤面でも足りないという形勢で、白49をみて羽根碁聖が投了しました。

 

4隅を取って大石をしのぐいつもの羽根碁聖の得意パターンでしたが、

厚く攻めるのは小県九段の得意パターンでもありました。

羽根碁聖はハードスケジュールによる対局疲れもあったかもしれません。

王座戦では頑張ってほしいです。

それでは今日はこの辺で。


第59期王座戦挑戦者決定戦

2011年09月08日 18時59分12秒 | プロの棋譜

最近若干調子を落とし気味の羽根碁聖と常に絶好調の井山名人との大一番、

第59期王座戦挑戦者決定戦が本日行われました。

 

黒番:井山裕太名人・十段

白番:羽根直樹碁聖

 

174手まで白番羽根直樹碁聖の中押し勝ち

 

 

 

いやはや、あいかわらず羽根碁聖は井山名人に強いですね。

これで対戦成績は羽根碁聖の8勝3敗ですか。

相性というものはあるのかもしれません。

羽根碁聖も山下本因坊にかなり負けてますし。

それでは今日の対局を振り返ってみたいと思います。

 

 

これは実戦の進行です。この右上の型は一時期非常に流行しまして、三村先生のブログでも「生徒がこればっかりやっている」と嘆いて(?)おられたのを思い出しました^^

 

こういうのもあります。

 

ちなみに上2つは黒のシチョウが良い時の打ち方で、悪いときは以下のような打ち方があります。(6はP5)

 

実戦の進行です。こういう打ち方があるんですね。右辺に黒が一着芯を入れれば、私なら白を持って勝てる気がしません^^;

 

羽根碁聖は激しく出切っていきました。黒20まででやめて他に回る手はないのでしょうか?

 

下辺の黒のノビキリまで下辺の白が嫌な形に。手を入れる形も無く、とりあえず17の打ち込みに白は回りました。

 

黒は直接相手をせず左上を打診。白はもう一着14と手を入れました。途中黒13で、

 

1とハネてしまうと、以下のようになり黒さっぱりでしょうね。(5はH2)

 

黒は4と伸びました。ここは白からいつでも打てるところでしたが、決めると外からの利きが違ってきます。実戦でもここを決めなかったことが白にとってプラスに働きました。

 

ここらへんでははっきり白が苦しいと思いました。私はぱっとみL10のボウシから裂いていくのかなとみていましたが、井山名人は16と打ちました。17の抜きで、

 

以下のように手抜くのかなと思いましたが、これは上辺の白がひどく、黒も厚くなって、白の負けコースかもしれません。

 

井山名人はコスミツケから裂いていきました。羽根碁聖も激しく2段ハネで応戦。以下のようになり、はたして白にシノギがあるやなしや!?

 

注目の白の1手はN8のツケでした。ここで黒はN8くらいに打つのかなと思いましたが・・・。

 

井山名人はJ10の天元でした。うーーーーん・・・・・。この手の意味はどれだけ考えてもわかりません。週刊碁の解説に期待します^^

 

白1のツケが鋭い手でした。この手を本局の勝着に認定したいです。以下のようになり白としてはこれ以上ないくらいの大威張りの生き。途中黒4で、

 

1と這えば実戦の手段はないのですが、代わりに以下のように黒石が取られるか上辺の白と連絡してしまいます。ここで序盤で白がR2を決めなかったことがプラスに働いたことがわかると思います。

 

以降は小ヨセです。途中黒8は必要な手で、

 

1などと手を抜くとハサミツケから黒4子が落ちてしまいます。

 

結局黒3と受けるくらいで黒辛い。

 

黒16のハネから18のコウが井山名人の勝負手。

 

しかし黒2のコウダテに白はかまわず解消。白5と出て井山名人の投了となりました。

 

以下のようになり白は生きています。当然井山名人も読みきりで、最後は投げ場を求めたのでしょう。

 

羽根碁聖強し!

序盤を苦しくしてからの粘りと激しさを織り交ぜた打ち回しはさすがの一言です。

一方これで井山名人は碁聖戦準決勝、棋聖リーグ、本因坊リーグ、王座戦挑戦者決定戦と、今期はことごとく羽根碁聖に負かされてしまいました。

張栩王座との番碁は初ですね。

対戦成績は羽根碁聖が勝ち越していましたが、最近張栩王座も盛り返してきて今はほとんど五分です。

非常に楽しみな番碁です。

それでは今日はこの辺で。


困った、第36期名人戦第1局

2011年09月05日 12時29分28秒 | プロの棋譜

 既報の通り、名人戦は山下本因坊の黒番5目半勝ちでした。

しかし相変わらず井山名人が絡むと難解になってしまう・・・。

解説も見つつ何回か並べましたが、やはり難しい。

山下ー羽根戦の方が意図はわかりやすいですね。(もちろん裏にはプロの尋常ではない読みが隠されているのでしょうが。)

第2局は9月14、15日に京都府京都市「 国立京都国際会館 」で行われます。

 

さて9月8日にはいよいよ王座戦挑戦者決定戦・羽根直樹碁聖 対 井山裕太2冠戦があります。幽玄の間で中継されるそうです。

棋聖リーグで河野九段に、十段戦で秋山八段に敗れ、決して調子の良くない羽根碁聖。ここ一番の大勝負に果たして勝つことができるのでしょうか?

井山2冠は7冠制覇のためには負けられない1戦です。羽根九段には今期ことごとく負かされていますが、そろそろ借りを返したいところでしょうね。

注目の大一番です。

それでは今日はこの辺で。


第36期碁聖戦、ついに決着!!! 続き

2011年08月30日 19時02分41秒 | プロの棋譜

 それでは昨日の続きです。

 

この押しが素晴らしい手と昨日述べました。

その理由は・・・

 

このように伸びると2のハネから黒ハマってしまうからです。黒が3に受けなければ白は3に出て隅の実利が大きいです。

 

よって黒はタケフに受けましたが、実戦のC8に打たれてはタダではすみません。

 

このようになっては「黒さっぱり(幽玄の間の解説)」な展開に。

 

実はここで1と左下の白は取ることができるのですが、以下のように打って中央の黒が取られてしまうのです!この図は本解説でも幽玄8段の方の解説でも示されました。

 

黒の悪い流れは止まらなくなってしまいました。右下に手をつけに行ったのがそっぽで、

 

このコウ仕掛けが2つ上の手段をみて厳しい手でした。それとも右下に手をつけたのは非勢を意識した坂井碁聖の勝負手でしたか。

 

黒はコウダテが続かず、結局F10に手を入れるしかありません。

(この手は生中継中に当てることができました^^たいした手じゃないですが^^;)

 

白優勢で迎えた局面。私はAからつけていく手があると思ったのですが・・・。羽根九段は1とこちらからつけていきました。

 

N18のハイは大きな手。

 

そしてL18ともう1本ハイ。

 

この手が黒の勝負手で、なんと隅が手になっているのです!

私は全く気がつきませんでした><

 

以下のように打ち、黒ぴったりの生き。しかし羽根九段は織り込み済みだったようです。

12と大きなノビに回りました。

A,B,12と一歩一歩の寄せは印象に残りました。

 

 

最後は盤面でも黒が厳しい形勢のようです。

勝った羽根九段は約1年ぶりのタイトル獲得です!

これで7大タイトルの獲得は計8期となりました。

崖っぷちからの3連勝、本当に素晴らしい精神力です。

 

そして休む暇はありません。

王座戦挑戦者決定戦が9月8日に決まりました。

相手は世界戦で異次元の強さをみせつけた井山名人です!!!

しかし羽根九段は今期井山名人に勝ちまくっています。

どちらが勝つか全く予想できません。

二人とも好きな棋士ですが、井山名人は今後いくらでもタイトルをとるでしょうから、ここは羽根九段に頑張ってほしいです。

それでは今日はこの辺で。

 


第36期碁聖戦、ついに決着!!!

2011年08月29日 21時23分10秒 | プロの棋譜

 最終局までもつれた碁聖戦もとうとう今日で決着です。

場所は坂井碁聖のホームグラウンド・関西棋院。

改めて行われた握りの結果、坂井碁聖が黒番となりました。

 

 

黒:坂井秀至碁聖

白:羽根直樹九段

 

結果:246手完、白番羽根直樹九段の中押し勝ち

 

 

 

 

いやあ~、やってくれました羽根九段!

2連敗した時はもうダメかと思いましたが、この人は追い込まれてからの精神力が尋常じゃないですね。

今期は各棋戦で大活躍ですし、羽根九段に無冠は似合いません。

本当に良かったと思います。

それでは対局を振り返ってみたいと思います。

 

1の抜きはAが普通で後にBにかける手が好点となり、やや辛いとの解説がありました。

ただ、上辺黒への攻めを見て、利きをなくしたという意味なのでしょう。

 

このトビは解説の予想にも無かった手。当然私も予想外です^^;

つまり、

 

この1のアテに対しては以下のように応じて、黒石を攻めるという意味でした。

 

この1のツケが良くなかったようです。Aに打って中央へ頭を出すほうが良かったとの解説。

 

黒生きましたが、かなりいじめられる形で見た目以上に小さい地のようです。

 

白はこのように黒4子を取りにいきましたが、

 

以下のような実戦の進行になっては白まずいとのこと。

つまり、

 

手抜くと以下のような手残りだからです。

 

ゆえに、以下のように決めてしまったのはもったいなかった。

 

このツケは羽根九段苦心の一着。

K17詰ツメやO17コスミでは黒に楽をさせてしまうと見ましたか。

 

私は幽玄の間で観戦していましたが、真っ先にこの棒ツギに対して「堅すぎるし、黒石の効率が悪い」と述べました。

毎日の清成九段の総評でもこの手が悪かったと出ていました。

あたってよかった^^

 

Aのようにあてていれば黒に悪い変化は無かっただろうとのこと。

 

白のツケに対して冷静にカカエ。黒自信があるのだろうという評でしたが、どうも先の棒ツギから黒が変調だったようです。

 

白は左辺でうまくさばき、13のツケにまわっては白が良くなったかという解説。

 

このツケは坂井碁聖必死の頑張り。

 

しかし、羽根九段のこの押しが絶妙手!!!

決め手といっても良いと思います。

 

長くなってしまったので、続きは明日にします。

ちなみにもう1つの注目対局、棋聖戦リーグの山下本因坊対井山名人は井山名人の勝ちでした。

とんでもない大捕物で、非常に面白かったです^^

それでは今日はこの辺で。

 


明日は碁聖戦最終決戦!そして棋聖リーグは山下VS井山!

2011年08月28日 16時48分50秒 | プロの棋譜

 明日は碁聖戦の最終局です。

羽根九段がいきなり2連敗を喫した時はもうダメかと思いましたが、持ち前の精神力でなんとかここまできました。

対戦成績も4勝4敗の五分まで盛り返しました。

最近の調子は両者共勝ったり負けたりで、勝敗は全く予想ができません。

久しぶりに羽根九段がタイトルを獲得するのか、坂井碁聖が死守するのか、大注目の1戦です。

 

 そして並行して棋聖リーグ・山下本因坊対井山名人の重量級対決があります。

これは名人戦の前哨戦ですね。

どちらもまだ挑戦の可能性があるだけに、こちらも目が離せない一戦となるでしょう。

 

 それでは今日はこの辺で。


今週の週刊碁(富士通杯、名人戦挑戦者決定戦プレーオフ、碁聖戦第4局など)

2011年08月25日 20時54分39秒 | プロの棋譜

 今週の週刊碁は先週が休刊だったせいか、ボリュームたっぷりの内容でした。

さらに富士通杯に関しては載せきれないので今週と来週に分けたそうです。

これは是非来週も買わねば(笑)

1面トップは「希望の星 井山」 (富士通杯)

裏面トップは「羽根 完勝」 碁聖戦第4局)

4面に名人戦挑戦者決定戦プレーオフの記事でした。

 

 なんといっても富士通杯での井山名人は強かったですね。

崔哲瀚九段との碁が詳細に、古力九段との碁が簡単に解説されていました。

どちらも逆転勝ちだったようですが、それがすなわち世界レベルの実力を示して

いるのではないでしょうか。

準々決勝以降の碁は来週掲載されるようです。

 

 名人戦挑戦者決定戦プレーオフの棋譜は一部分のみ掲載。

山下本因坊得意の中国流からスタート。

序盤は穏やかな布石でしたが、下辺の白の二立二析の石の内側につけた手が

強手で、そこから一方的な展開になったようです。

羽根九段、残念無念!

 

 碁聖戦の解説は若干幽玄の間や関西棋院の解説と違うところもありました

概ね同じでした。

それより解説が始まる前の羽根九段に対する考察が素晴らしかったですね。

 

 話は変わって、今日は天元戦の挑戦者決定戦が行われました。

結果は井山名人の白番中押し勝ち!

是非3冠目指して頑張ってほしいですね。

 

 それでは今日はこの辺で。