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「調布 妖怪通信」 アーカイブ

過去teacupへ投稿した妖怪関連の情報の配信記録
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ゆるくても、格が違う古代神

2016-11-28 20:38:00 | 妖怪
昨年から今年にかけて、ゲゲゲの鬼太郎のニューブランド「ゆる~いゲゲゲの鬼太郎」の人気がLINEスタンプを中心に、徐々に上がってきているようです。ここ"妖怪の街 調布"でも、11/23~12/4の期間、調布パルコで『「ゆる~いゲゲゲの鬼太郎ショップ」in調布パルコ』がオープンしております。
デザインがクリスマスカードなのに、12/4にクローズって・・・

ヤカンを持つリアルな鬼太郎がせっかくの"ゆるさ"をぶち壊している感じです。

そもそも、鬼太郎は"ゆるい"キャラクターです。アニメの主題歌の歌詞からも判るように、"お化け"は基本的にニートで、鬼太郎も同様です。ねずみ男がやっかいな問題を持込んだりしなければ、又、妖怪ポストに届けられる依頼を無視したり、難題を選別したりすれば、今までの妖怪事案の8割はスルーできてているでしょう。もっと鬼太郎にはのんびりしてもらいたいと思います。
"ゆとり鬼太郎"です。

ゆる~いゲゲゲの鬼太郎」は鬼太郎ファミリーの妖怪もラインアップされております。その中で、「ぬりかべ」は基本的に"石の壁"ですので、なかなかゆるくするのは難しそうですが、モエールパブリッシングの"萌えわかり!妖怪変化ビジュアルガイド"の「ぬりかべ」はかなり"ゆるい"です。それは、この本に登場する主な妖怪は萌え絵の少女が"妖怪コスプレ"をする感じで表されているからです。
"ゆるい"というより"よろい"「ぬりかべ」です。

では、一反木綿は?というと、日本の"ゆる妖怪"の代表格のひとつの2008/10/3の記事でも紹介している「びろーん」という妖怪に似ているといえば似ている気もします。こいつは仏壇に潜むメジャー妖怪「塗仏」の低級バージョンです。・・・で、下の図画と解説は「世界の妖怪大百科」から。
洋画のゴーストバスターズに出てきそうなB級妖怪です。

最後に歴史的・世界的に有名な、怪なる"ゆるキャラ"を紹介しましょう。古代エジプトの"死者の書"に描かれている「メジェド」です。シンプルなデザインの妖怪に見えますが、実際は神様です。
この神の想像図で、仏様になり損ねた妖怪とのレベルの違いが如実に表されてしまいました。


柿を欲しがると、お化けが!

2016-11-23 15:08:00 | 妖怪
11/8の記事でタイを訪れた旨、記しましたが、滞在期間中にパタヤの北、ナクルアビーチにある建設中の巨大木造寺院「真実の聖域」に行って参りました。完成までにはまだまだ、10年単位でかかるようですが、内部外部とも、その凄さは短い言葉ではとても表しきれません。ただ、強いて例えるなら、さしづめ「妖怪城」であります。
奇怪な様相の無数の木彫りの彫刻には、度肝を抜かれるばかりでございました。

ここで、貰えるパンフレットには日本語版もありまして、そこにはキャッチコピーとして「地球上に創造された天国の華美」と記載されております。尚、下の画像はそのパンフレットからの抜粋です。
表現のスケールがデカ過ぎ。でも「天使の戦車」には乗ってみたかった。

この建物の一番凄いところは建材が全て木材であるところ。元々、"木"には本ブログでも言及しておりますが、精霊や神霊が宿ることで、「木霊」を代表とするような妖怪に成り得ます。さらに、この建物の木材は伐採や加工する時に祈祷や何らかの怪的な施しを受けてきているでしょうから、その神秘力はかなりな強さと云えるでしょう。ちなみに日本では「木霊」は人間の姿で現われることもあります。下の図画は『図説 妖怪辞典』の「木霊」です。
樹齢が大きいと、やはり年配の女性になって現われるのは、ちょっと残念です。

では、若い女性の「木霊」の例が無いか?というと、そうではありません。次に示すように、妖怪カードゲームの「ようこそ了法寺へ」では「[愛妖]木霊」㊤、恋愛カードゲームの「ガールフレンド(仮)」においても「[妖怪仮装] 木霊」㊦があります。

2本の木とも、樹齢は十数年位です。樹液もさぞかし甘酸っぱい事でしょう。

ところで、妖怪化し易い樹木には椿・松・桜・柳・檪・竹などがあり、中にはそれらの樹木名を冠した名前が付いた妖怪もいたりしますが、かなり変わっているところでは"柿"。「タンコロリン」(09/6/27の記事参照)は「人面樹」の一種とも言えるかもしれませんが、人間に化けるケースだと変態妖怪の「柿男」がおります。先の「図説 妖怪辞典」掲載の図画では、お尻に何やら刺さっているようですが・・・
これは未成年女子への性犯罪事案です。"微笑ましい"って一体・・・。


透明妖怪"ねずみ男"現る

2016-11-19 20:47:00 | 妖怪
ここ最近の記事で、黒・赤といった色調を持つ妖怪を色々と列挙しましたが、そもそも妖怪は基本的に人間には見えません。殆んどの場合、妖怪は気配を感じるだけです。妖怪の色も人間(妖怪絵師)がその妖怪の印象で付けたものです。化石でしか存在しない古代の生物の想像図と同じと言えるかもしれません。間違えてはいけないのは、妖怪が見えないのは妖怪画無色透明だからではないという事。もし、妖怪が見える眼鏡あったとすると、一部の妖怪を除き全て色がついている事を確認できるでしょう。但し、自身を不可視にできる技をもつ妖怪もいます。「天狗」です。きっと、民話「天狗の隠れみの」で知っている方もおられるでしょう。この隠れみのは"ねずみ男"も400年前に夢の中で交わった"天狗の女"に高尾山でもらっており、それ以降の展開は上記の民話通り、タダ酒を飲んで・・・
このエピソードは結局"夢オチ"なんですが、ねずみ男は"ムセー"するって事が、驚愕です。

ところで、「透明人間」というキャラクターがいますが、これはあくまで人間であって妖怪ではありません。混同しないように注意が必要です。
この「透明人間」を怪画作家の佐伯俊男氏が描くと、無修正のエロ画像になります。
最後は無色透明な何かが飛び出てくるのでしょうか。

ここまで、エスカレートしてはいませんが、ゲゲゲの鬼太郎のエピソードの中に、これも"ねずみ男"が、「悪魔ベリアル」に自分の姿を売って、「透明人間」になり、女子大の女子寮に忍び込むという、成年男子の夢を実現させております。
透明人間は、こんな色っぽいおねえさんをほっとけないのですよ。

この"ねずみ男"のやりたい放題も、鬼太郎に正体を見破られてジ・エンド。食い意地が出て、女子大生があげた天ぷらを食べようとした時、溶いたメリケン粉を掛けられ、あえなく見つかってしまいました。
これはちょっと、"ねずみ男"に同情します。 鬼太郎、この"ねずみ男"は無罪で!

・・・で、もし処罰するなら、こんな奴に食らわして下さい。
「裏山死刑」でお願いします。


コタツの中から、こんにちは

2016-11-14 21:09:00 | 妖怪
前回の記事では、地味な黒い妖怪を紹介しましたので、今回はその対極、派手な赤い妖怪であります。"赤い妖怪"と言えば、「天狗」・「」は別格として、本ブログで既出ですが、達磨系妖怪の「木魚達磨」や「妖怪達磨」。又、人気妖怪では、ゲゲゲの鬼太郎アニメでおなじみの「朱の盤」などが思い浮かびます。では、唐突ですが、ソーシャルゲーム『妖怪百姫たん!』の「朱の盤」。
情熱の踊り子。太ももの赤いタトゥーがセクシーであります。

次はマイナーな妖怪ですが、先ず1832年制作とされ、58体もの妖怪が描かれた「百鬼夜行絵巻 (松井文庫)」(図録)のなかの一つ「赤入道」。
さらに下の図画は、明治期の怪絵師河鍋暁斎による「暁斎百鬼画談」にある赤い妖怪「ちからここ」。尚、この妖怪は真珠庵系の「百鬼夜行絵巻」にも同じ姿の妖怪が描かれています。
槌で叩くと、ブシャーと中味が飛び散りそう。次のシーンは見たくないです。

この二つの妖怪には、ややこしい事に色違いバージョンがあります。1737年制作の著名な妖怪図録「百怪図巻」では、「赤入道」は「がごぜ」名義で赤味が取れてしまっていますし、先の「百鬼夜行絵巻 (松井文庫)」には白い「ちからここ?」が描かれております。
この時期の妖怪は本当に難解であります。

さて、この「赤入道」ですが、容姿が全く違う別バージョンまで存在します。明治時代に制作された「ばけもの絵巻」、これは全12話から成り立っている絵巻で、その中のひとつに、コタツから現われた「赤入道」が男を驚かせるシーンがあるのですが・・・
母親によくこんな絵を描いてもらいました。後世に遺すなら、もっとちゃんと描こうよ。

最後に、前回の記事に倣って、妖精達のキュートな"Baby's In Red"。
赤よりも、はみ出た肩が魅惑の妖精でした。

<bgsound src="http://www.saturn.dti.ne.jp/~syunjun/gegege.mid">

黒くても明るく生きてる妖怪達

2016-11-08 20:58:00 | 妖怪
先週一杯、仕事でタイに行っておりました。国民に愛されていた国王が亡くなられた後で、国全体が喪中。バンコク市内も観光地のパタヤでも、一部の欧米人を除き、95%がモノクロ、特に黒い衣服の人が往来を行きかっておりました。それは、少し異様な光景でもありました。…で、今回は見かけが黒っぽい妖怪を水木妖怪から幾つか紹介していきましょう。黒っぽい妖怪の代表は「ベアード」様が筆頭ですが、本ブログでも紹介済みの妖怪からだと、有名どころの「海坊主」・「黒髪切り」・「黒坊主」の他、水木大先生は「疱瘡神」・「古杣」なども黒い姿で図画にしております。それ以外では、「ぴしゃがつく」、「しばかき」・「大坊主」・「地の神(土公神)」などが挙げられます。



「地の神」の名とは裏腹にまるで西洋の悪魔の様相。これは恐ろしい光景です。

黒い妖怪の印象は"有害妖怪"ですが、中には"有益妖怪"もおります。「黒仏」です。火事を知らせてくれたり、「座敷童子」的なラッキーな存在とも云われているようです。
真っ黒なのは火事の煤のせい? でも"有益妖怪"ならもっと恐くない顔にして欲しいです。

変わり種なら、その名もズバリ「黒玉」。まるで黒く染まった「ケサランパサラン」のような毛玉状の姿になっております。
口が何かに塞がれた瞬間に黒い影が見えたら、それは"アレ"か、こいつです。

最後に6/3の記事で紹介した妖精達の妖艶な"Baby's In Black"。
黒い妖精も案外いい感じです。