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「調布 妖怪通信」 アーカイブ

過去teacupへ投稿した妖怪関連の情報の配信記録
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千物語は999話で終了

2022-03-06 16:45:00 | 妖怪
今回の記事は、カテゴリーとして"妖怪"のタグをつけた第999話目です。『百物語』の10倍となる妖怪『千物語』を目標に、細々と続けてまいりました。この『百物語』について、かの水木しげる大先生は、著書『妖怪なんでも入門 (妖怪大百科)』の「妖怪のひみつ③」で、"妖怪を呼びだす方法"として言及されております。
添えられた図画には、日本を代表する妖怪の一つ「ろくろ首」と、2体の妖怪。それらは同書の巻頭カラー頁の『妖怪の海水浴』と『妖怪の夕食会』のそれぞれに登場している「こうもりにんげん」と「ドクロン」であります。
半魚人」を背後からモリで刺そうとしている「こうもりにんげん」は、西洋の吸血鬼由来の妖怪でありましょうし、「ドクロン」は『悪魔くん』第13話にも登場している悪魔の類であります。このように、『百物語』は日本妖怪だけでなく、西洋妖怪や悪魔をも呼びだすという事を示唆しております。
さらに水木大先生は『妖怪100物語 (妖怪百物語)』を著しておりますが、"■はじめに"ということで、以下の注意書きを記しております。
つまり、"悪い事は言わないから、読むのは99話までにしておきなさい。"という事です。ちなみに第100話は「塗り坊」。"ねずみ色で、和歌山城下の路上でゆらゆらと動き、人に付いてくるが、やがて少しずつ薄くなって消える"という妖怪です(2018/4/14の記事参照)。特別な妖怪ではなさそうですが、100話目に据えたという事は、もし読んでお化けが出たとしても、"(すこしいたずらをするていど)の妖怪だから平気"ってことかもしれません。
・・・という事で、『百物語』と同様、最後の1000話目を載せる事で、自分や記事を見て下さる方々に、たとえそれが妖怪の"いたずら"だとしても、不吉な事が起きるかもしれないという懸念から、本ブログの妖怪記事も今回で終了と致します。最期の999回目の妖怪は、水木しげる大先生にあやかって、『妖怪100物語』第99話の「狸火」です。
この記事の後で、「塗り坊」の記事を見ると、ヤバいかも。

今後は1000話目回避の為、「妖怪」タグは付けず、妖しくも怪しい画像に簡単な添え書きだけをする体裁で、のんびりと随時掲載していきます。


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ゲゲゲの目玉鬼太郎

2022-02-28 22:23:00 | 妖怪
3回続けて、「役行者」ゆかりの記事となります。先ずは、今から1300年の昔、大峯の山々を行場としていた役行者よって草創された「龍泉寺」に伝わるちょっと深イイ話の紹介です。それは、役行者がその地で発見した底も見えないほど深く青く澄みきった泉にまつわる話で、『龍の口伝説』と言われます。人に姿を変えた白蛇の恩返し譚ですが、我が子の為に自分の両目を差し出すという献身さに胸を打たれる方も多い事でしょう。
又、このストーリーと酷似しているのが、近江八景の一つ「三井晩鐘」の『晩鐘伝説』です。こちらの方は白蛇より、格上の「龍」の恩返しとなっております。下の画像は、画家の三橋節子さんによるこの伝説をモチーフにした絵画です。
母乳代わりとはいえ、意外と大きい。赤ちゃんも舐めるの大変だったでしょう。

龍泉寺の伝説もそうですが、本ブログでも数多く取り上げているように、やはり"蛇"というのは妖怪と結びつきやすいのでしょう。でも、それにしても人間に化けているとは言え、気づかないものでしょうかね。例えば、他の白蛇の例を見てみると・・・

う~ん、これならもし気づいても、気づいてない振りをするかもです。

先の二つの伝説にある"目玉を舐める"という行為から連想する妖怪がおります。2014/5/28の記事で紹介している「目玉しゃぶり」です。この妖怪は"瀬田の唐橋"に現れたとされています。で、この"瀬田の唐橋"というのは、「三井晩鐘」と同じ、"近江八景"の一つではありませんか! まさか、あの赤ちゃんが龍の目玉を舐めて育った結果、妖怪「目玉しゃぶり」になったのではないでしょうね!
ところで、妖怪最強の目玉といえば、御存じ「目玉親父」となるでしょう。しかし、我らが鬼太郎の目玉も相当なもんです。原作コミックの『土ころび』のエピソード(伝承妖怪の「土ころび」は登場しません。) では、公害によって身体が丸い肉塊に変質し、まるで「土ころび」のようになったた元人間が登場するのですが、鬼太郎の目玉を吸いこんだところ、爆発してしまいます。
目玉親父が鬼太郎の目玉に抱きつくシーンは感動モノです。

でも、元々は公害の被害にあった人間で、しかも「ねずみ男」にたぶらかされて、鬼太郎を取り込もうとしただけなのに、爆発させてしまうのは鬼太郎らしくないような気がします。恐山の「妖怪病院」で、元の姿に戻してあげる治療をさせてあげれば良かったのに と思います。
これはひどい。


鬼の世界にダンディズム

2022-02-17 10:33:00 | 妖怪
前回の記事で「役小角(役行者)」と使役されている鬼「前鬼」と「後鬼」を紹介しました。その後、1300年経った後のエピソードを、魔界の伝道師・永井豪氏が、"「役小角」の末裔・小角ゆう手天童子郎(正体は前鬼)に導かれ、永遠の時の闇に葬られた神々の復讐劇に巻き込まれていく" という『邪神戦記』で描いております。
小角ゆうさんはまだ中学2年生です。「役小角」の呪縛から解かれてしまった悪神を再び封じる為、小角ゆうを覚醒させるべく、「前鬼」は転校生に化けて彼女とコンタクトをとるのですが・・・
こんなシチュエーションでも冷静でいられる鬼さんはダンディだと思います。しかし、結局は「役小角」が備えていた神通力を得るまでには至らず、敢え無く学校の先生に化けた悪神達に捕らえられてしまいました。
はしたなく、お漏らしまでしてしまったようです。この後どうなる… ドキドキ

さて、複数の鬼を使役していた歴史上の人物は「役小角」だけではありません。平将門討伐で功を成した藤原秀郷の孫、「藤原千方」がその人です。「金鬼」・「風鬼」・「水鬼」・「隠形鬼」という名の四鬼を率いて、伊賀、伊勢において謀反を起こしたと伝えられております(藤原千方の四鬼)。
"犬と飼い主は顔が似る"と言われますが、鬼の場合も当てはまるのでしょう。

この恐ろしい形相の「藤原千方」も、「役小角」と同様、美少女化されております。下の画像はソーシャルカードゲーム『あやかし百鬼夜行 魂』の「藤原千方」です。
こうなると、当然使役する鬼達も、美少女化はしておりますが、フェミな人達の逆鱗に触れてはダメなので、ここではPS4ゲーム『仁王2』に登場する「隠形鬼」に代表して登場してもらいましょう。
これだったら、フェミな人も納得ですね。


鬼の世界にフェミニズム

2022-02-06 10:53:00 | 妖怪
先週は節分があったので、各種メディアで、「鬼」の話題を見聞きする事が多かったかと思います。又、実際に「鬼は外!」と唱えて豆撒きをされた方もいた事でしょう。そんな嫌われ者の「鬼」ですが、歴史上の人物に「鬼」を実際に使役していた人物がおります。その一人が飛鳥時代の呪術者であり、修験道の開祖でもある「役小角(役行者)」であります。下の図画は江戸時代(安永4年/1775年)の修験道に関する文献『役君徴業録』にあるお姿です。
平安時代の著名な陰陽師である「安倍晴明」は「式神」を使役していましたが、人外の者を使役した点からみると大先輩にあたります。
役行者」が使役した鬼は「前鬼・後鬼」と言う名の鬼の夫婦であります。使役されるようになった経緯は、「役行者」に改心させられたという伝承と、調伏させられたという2通りがありますが、江戸時代(寛永3年/1626年)刊行の『役行者御傳記圖會』で、その内の調伏している場面を見る事ができます。
上の図絵からは判りにくいですが、夫「前鬼」と「後鬼」は、Wikipediaの解説のもあるように、それぞれ外観上の特徴があります。下の写真は「大峰山の女人結界門」近くにある「前鬼」と「後鬼」の像です。
顔を見ただけでは夫婦の区別がつきませんが、像では「後鬼」の方がふっくらして、女性っぽい体型になっています。いづれにせよ、"なんで、夫が前で、婦が後や"とか、"夫婦の持ち物はなんでそうなっとるんや"とか、"女人禁制とは何事や"など、フェミの人が怒ってクレーム付けそうな話であります。
ここまでの「役行者」の姿は修行を積んだ老人のようでありますが、南條 武著『完全図解シリーズ 妖怪ミステリー』に採録されている「役君小角」は、口からのぞく歯が牙のようで、顔も少し人間離れしております。
"謎の宗教"って・・・ 敬虔な修験道者に怒られますよ。

このように特徴のあるキャラクターですので、やはり現在のゲームの世界では、美少女化も不可避になっております。下の画像は『ヘクサウォーズ』の「役小角」と、『英雄*戦姫WW』の「役小角」と猫化した「前鬼後鬼」です。

だから、フェミな人に怒られるってば!


ウクライナ妖怪は暗いな

2022-01-28 22:23:00 | 妖怪
今、新型コロナウイルスと共に、世界を不安に陥れている案件に「ウクライナ問題」があります。この緊張状態には、当地の妖怪達も気が気ではないでしょう。・・・と言う事で、今回は"ウクライナの妖怪"「ヴィイ(ブイイ)」についてあります。この妖怪の特徴は目で、自力で持ち上げることが出来ないような大きな瞼をもっており、通常は地下世界に潜んでおります。
Wikipediaには、"日本語表記では「ヴィー」とも書く"との記載がありますが、その一例として、小学館コロタン文庫(62)「世界の妖怪全百科」に「ヴィー」が採録されております。下の画像は巻頭カラーページにある「ヴィー」の図画に、本編の解説文を添えたものです。
最初の「ヴィイ」とは自力で開けられない大きな瞼をもっている点は同じですが、単眼であることが大きく異なります。又、佐藤有文著「いちばんくわしい世界妖怪図鑑」には、"ソ連に伝わる妖怪で、地の底に眠っている。"とされている「ブイイ」が掲載されておりますが(2015/2/7の記事参照)、この「ブイイ」の目や瞼は、いたって普通であります。
一方、水木しげる大先生による「ブイイ」は、結構ややこしい状況になっております。下の図画は、鬼太郎なんでも入門』から「世界妖怪会議」に参加している「ブイイ」で、世界の妖怪大百科』から「妖怪のトランプ」に興じている「ブイイ」です。両者、名前は同じでも、その姿からは別の妖怪といえる状態です。"目を覆う大きな瞼"については、「妖怪のトランプ」の「ブイイ」の右目だけが塞がっているところに、辛うじてその特徴を軽く付け足しているのではないかと思えます。
の「ブイイ」は、"人間が戦争をやめたら、千年まで生きられる方法を人間に教えよう。"という案を出して、会議に参加した全妖怪の賛成が得られました。実際、戦争はなくなりそうにありませんが、この「ブイイ」は良い奴かもしれません。
このような異種「ブイイ」が存在している中でも、水木大先生は単眼で大きな瞼をもつ「ブイイ」を本線にはしているようです。2008/8/11の記事で紹介した"ゲゲゲの鬼太郎"コミックのエピソードにある「妖怪実力世界選手権大会」に登場する「ブイイ」がそうですし、「土精」も、名前は異なりますが自力で開けられない瞼を持つ妖怪となっております(2011/8/6の記事参照)。
で、極めつけは"ゲゲゲの鬼太郎"第4シリーズアニメ第98話『試練・妖魔城への道!』の「ブイイ」です。「西洋妖怪四天王」の一体として、本話のメイン妖怪として登場します。
地底妖怪でななく、海の妖怪として暴れるのですが、問題はその姿・・・

なんか、"薄い本"に出てきそうな。親子で観たら、お母さん赤面です。

本ブログが目標とする「妖怪千物語」まで、残り数話となりましたので、サービスカットです。鬼太郎や共に闘う妖怪達の活躍で、「ブイイ」は退散しましたが、次話で新たな強敵「西洋妖怪四天王」の「ジャイアント」と対峙します。その際に"分身の術"で発生させた「人喰い花」に、猫娘はパンツ丸出しで応戦しますが・・・
結局、食べられてしまいました。この後どうなる? ドキドキ