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「調布 妖怪通信」 アーカイブ

過去teacupへ投稿した妖怪関連の情報の配信記録
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やっぱ、蛸はたこ焼きが一番

2013-11-24 19:04:00 | 妖怪
もう1回"タコ妖怪"で引っ張ります。「たこ神さま」とは勝るとも劣らないタコの"エッチ妖怪"に「大蛸」がおり、その性質上"妖怪交戯"の妖怪の一つにもなっているなど、人との絡みシーンが色々図画にされています。

大蛸は昔から海女さんを襲う事が多いようで、08/3/15の記事で紹介した"喜能会之故真通"などにも多数描かれているようです。
竜の刺青のあねさんも大蛸の足技には、為すすべ無しです。

外人さんもほら、ご覧の通り…
OH YEAH! それにしても何故、すっぽんぽんなの?

現代の大御所妖怪絵師、佐伯俊男氏もタコと人間のエロティックなイラストを残していらっしゃいまして、先ず"喜能会之故真通"とは男女が別となったシチュエーションとも云える"妖異海鳴契"の図。
いわゆる"素股"という行為でありましょうが、ビビって萎えないところが「漢」ですな。

あとは、どうも人間の方から敢えてタコを招き入れたと思われる図画を2点紹介します。1点目は"独楽上手"の図。タイトルからして、タコを巧みに操る女学生と思われます。

最後は"喜能会之故真通"の上級者版"2P+2TAKOプレー"の図
タコをオモチャにしてはいけません!

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"蛸神教"ってあるかもしれん

2013-11-22 22:57:00 | 妖怪
前回に続き"タコ妖怪"の記事ですが、今回は目をグローバルに向けてみます。先ず、世界的に知られているのは主に北欧の海に出没する巨大なタコの怪物「クラーケン」。巨大なイカは"ダイオウイカ"という実在の怪生物がおりますが、巨大なタコはまだ未知の領域で、日本と同様、妖怪と捉えられているようです。尚、下の図画は海外のイラストレーターによる擬人化された「クラーケン」であります。
バイオハザード系アクションホラーゲームのラスボスの様相であります。

佐藤有文著"いちばんくわしい世界妖怪図鑑"には、大西洋の"タコ妖怪"として、「妖獣スキュレー」なる妖怪が紹介されております。外観からはタコと蛇のいわゆる"ハイブリッド妖怪"と云えるでしょう。
"クークー"と鳴く? ひょっとして、ハトも混じってるのか!?

言うまでも無く、デカイだけが妖怪ではありません。小さくても奇妙なタコは実在します。下の写真はインドネシアで捕らえられたAlien octopus(エイリアン オクトパス)と呼ばれた人面タコです。
すっかり茹でられてしまったようです。足だけ見れば"おでん"に入れたくなります。

エイリアンときましたので、宇宙の秘境・魔境まで妖怪探索エリアを拡げてみますと、やっぱりいました。火星に"火星だこ"。
コメントに困ります。

そして、神の領域へ…
これが真の蛸神様。"妖怪エッチナンバー1"って言ってたのはどこのどいつだ!

ちなみに、この"天地創造"の特集記事には 「巨大怪たこ説」の他に「天地1メートル説」も併記されておりまして、もう何がなんやら。
なぜ、キリン? コメント不能であります。


タコは吸盤の無い足が美味

2013-11-16 17:10:00 | 妖怪
前々回の記事は"エッチ妖怪ナンバー3"の「猿神」についてでした。で、今回は"エッチナンバー1"の「たこ神さま」をあらためて紹介しますが、12/5/20の記事で参照した水木しげる大先生著作の"ぼくは妖怪博士"よると「たこ神さま」は潮干狩りに来た娘を見初め、嫁にもらうため、娘に言われるままに自分の足を6本切って2本足になったという、どちらかというと愛の為に自分の身を犠牲にした感じにもとれます。でも逆にそこまでして、人間の娘を嫁にもらうとは、ある意味なのでしょう。
又、同じ水木しげる大先生著の「妖怪・神様に出会える異界」に掲載の「蛸神様」は前述の「たこ神さま」とは別妖怪のようです。昔、岩手県九戸郡野田村で草刈りをしていた女性に足を一本切られた"七本足の蛸"を蛸神様として、水蓮の池という沼の傍らの祠(綿津海神社)に祀った。その沼の一部が気味悪いほど青白く濁ることがあり、これは蛸神様が来訪されたためだという…というのが伝承です。
でも、別に悪さをした訳でもなく、単に足を一本切られた可哀相なタコって事です。

ところで、タコという生物はその容貌から、かどうかも別にしても、古今東西で多くの妖怪のモデルとなっておりますし、図画にも遺されております。今回はその特集第一弾と致しましょう。先ず、歌川芳員1853年作"東海道五十三次内 由井"の大蛸
「狙われた海女さんがその後、何をされるか?」は次回以降のお楽しみとしましょう。

二つ目は河鍋暁斎による幕末期(1864年)作の戯画"狂斎百狂 どふけ百万遍(部分)"から五本足の大蛸。周りにも念仏を唱える妖怪達が描かれています。
この大蛸は江戸幕府を揶揄しているらしいですが… ややこしいタコです。

三つ目は200年程遡ります。狩野派の絵師"狩野宗信"1666年作の「化物絵巻」から「蛸入道」。左側には「鯰女」が描かれており、一説によると獲った魚をダシにして、「鯰女」を口説いているシーンともされているようです。
次の展開はあまり想像したくないです。

今回の最後は江戸時代中期頃に書かれた百科事典"和漢三才図会"にも掲載の由緒ある妖怪「石距」。読みは"てながだこ"…"超難解読み妖怪"の一つです。
解説によると蛇が変化した妖怪らしいですが、普通のタコにしか見えません。ただ、"妖怪美少女絵巻"の石距の吸盤の無い足を見ると、その片鱗がわかるのでした。
板さん、吸盤の無い足の方、一つお願いします。


妖怪の偽装を見破ろう!

2013-11-10 17:27:00 | 妖怪
ここ最近、テレビや新聞でよく"偽装"という言葉を見聞きします。人間の世界では人間が行う"偽装"は当然「悪」でありますが、妖怪はいわゆる"化け物"とも言われるように、"偽装"は当たり前で、化かされた人間は自分の愚かさを嘆くのが関の山。化かした妖怪の方に軍配が上がるのが常であります。
ただ、その"偽装"がばれるケースというか、見分ける方法もあります。全ての"化かす妖怪"に通用するわけではありませんが、「鏡に映す」・「影を見る」というのがその方法。その事例を古今の図画で紹介しましょう。先ずはお馴染みの「幽霊」。佐藤有文著"いちばんくわしい世界妖怪図鑑"から。
解説文には「外国の幽霊はユーモアがある。」「昼間でもどうどうと出てくる。」「はじめから足がついている。」などの他、「幽霊はカガミにうつすとすぐにわかるが、困っている人を助けるために出てくる事が多い。」とあります。さすが、陽気な欧米の幽霊。"恨みのある人を呪うために出てくる事が多い"日本とは違います。

でも日本には「鶴女房」や「笠地蔵」などの日本人好みの"恩返し怪奇譚"が数多くあります。中でも12/9/17の記事でも紹介した「葛ノ葉狐」は陰陽師"安倍清明"の母でもあり、最も妖怪色の強い怪奇譚の一つでしょう。下の図画は歌川国芳作の"源氏雲浮世画合"の葛の葉狐(部分)。障子の影にその正体が全身映し出されております。
浮世絵なので仕方ないですが、日本髪を結ってるところが残念なところではあります。

又、「鬼女」のように、なかなか正体がばれないよう化ける妖怪もおります。それが"紅葉伝説"の「鬼女紅葉」のように男性に対する美女であったりすると、尚更であります。ただ、冷静に対応して見破った平安時代の武将がおります。平維茂がその人。下の図画は月岡芳年新形三十六怪撰』から「平維茂戸隠山に悪鬼を退治す図」であります。平維茂鬼女が化けた美女の誘惑に負けず、杯の酒に映った像から見事に正体を見破りました。
いい気分で、きっと「カモーン」となっちゃう私はこの漢なる行動、ぜひ見習いたいです。

珍しいところでは、逆に影が無い事で妖怪とわかるタイプもいるようで、例えば佐藤有文著の"妖怪大全科"で紹介されている「影なしドッグ」なんかがそうです。
不幸が十三回で済むなら、いっその事、とりつかれてもいいかもしれません。

ところで最近は、人間そっくりでも、その仕草で妖怪と見破れる種類もいますので、日ごろから注意しておく事も必要です。2/16の記事でも参照した"うさたまの妖怪女科図鑑"にある「トコベタ」はその典型的な例です。
これは強敵。平維茂さんも見破れず、後先考えないで、きっと頂いてしまうでありましょう。


凶悪妖怪猿軍団を殲滅せよ

2013-11-04 21:31:00 | 妖怪
前回の記事で、雨を降らす妖力のある妖怪を紹介しました。今回はその流れで"凶悪連続婦女子殺人妖怪"でもある「猿神」を紹介します。猿神12/5/20の記事で、"エッチ妖怪ナンバー3"で「若い娘が好きで、毎年実りのころに、村の若い娘をさなえさせた。娘がいやがると、暴風雨をおこし、村をおそった。ワルいサルだ。」という水木しげる大先生著作の『ぼくは妖怪博士』からの記述を掲載しております。
渓谷に陣取り、巨大に見えますが、娘が相手だとそれなりのサイズになる様です。

ただ、だけが取り柄ではなく、猿神はいにしえの平安京のとある寺で、あの超メジャー妖怪である「ぬえ」と大血戦をしたという伝説もあるとの事です。
火まで吐く事ができるとは! 人間が歯向かうなんて、とてもできなさそうですが…

頭脳プレーで意表を突かれると、やっぱり猿、人間には敵わないって事です。

では次に、水木しげる大先生著作による「妖怪おもしろ大図解」の猿神の図解から、その"凶悪連続婦女子殺人"ぶりを検証してみます。
まとめると、猿神はいけにえの娘を一度捕まえると、絶対に掴んだ腕から娘を絶対に離さず、娘の脂肪を摂る為に裸にして食ってしまい、着ていた着物は自分の腰に巻いてしまうという変態ぶり… となります。又、"エッチ妖怪ナンバー3"なので、当然とは思いますが、猿神は娘を食べる前に強姦します。その様子は「妖怪交戯」に見る事ができます。
これは、けしからんです。

とかく、猿の妖怪は「猿鬼」といい、「狒々」といい人間に生命に関わる害をなす奴が多いので、要注意です。下の図画はやはり猿の妖怪による殺人スプラッターシーンで、「椿説弓張月」のストーリー中、白縫姫(源為朝の正室)に飼われていた老猴が凶悪妖怪化し、侍女の若葉を惨殺する場面です。尚この後、異変を感じた白縫姫に即刻斬撃され退治されます。
怯えた顔は白縫姫に見つかったから。化け猿め、ざまぁ見ろです。