goo blog サービス終了のお知らせ 

「調布 妖怪通信」 アーカイブ

過去teacupへ投稿した妖怪関連の情報の配信記録
(正確に表示やリンクされない記事あり。画像クリックによる拡大不可)

羽衣を脱いだ天女はタダの人

2013-10-25 23:57:00 | 妖怪
前回の記事で紹介の星間移動した姫君は""の義父にいくつもの難題を課せられた訳ですが、次々と全て解決できた理由と言うのが、実は夫(天稚彦)からのあるプレゼント。自称、海竜王でもある天稚彦は自分の着物の片袖を、その霊力を発揮させる為の呪文を教えた上で、姫君に持たせてあげたのです。差し詰め、この袖は"鬼太郎の霊毛ちゃんちゃんこの類い"という事でしょうか。
闘牛士よろしく、"天稚彦の袖"を翻し、千頭の牛を見事に牛小屋に誘導しました。

この例のように、日本では元々"袖"というのは霊力や妖力との関わりが強いのか、「小袖の手」を代表とする"袖妖怪"が幾つかおります。その中から水木しげる大先生は袖引小僧袖もぎ様といった"袖妖怪"を図画として残されております。
普通なら自分で袖を千切って渡すはずですが、こちらの袖もぎ様はやけに積極的なようです。

さらに、2005年の映画「妖怪大戦争」では、その他多数妖怪の一つとして「袖切り」というレアな妖怪が登場しています。
姿を見せない"通り魔"です。挙動不審な方は濡れ衣に注意が必要です。

さて、冒頭で引き合いに出した鬼太郎の"霊毛ちゃんちゃんこ"ですが、さすが鬼太郎、「鬼太郎なんでも入門」によると、"ちゃんちゃんこ"だけでなく、身に纏っている全てが妖力に満ち溢れております。
この中では、"天女の羽衣のシャツ"が肌触りも着心地も良さそうで、着てみたいところ…。なんせ、天女が実際に身に着けていた素材となると、「そりゃもう!」です。で、下の図画は水木しげる大先生による神々しいお姿の天女であります。
ところで、そんな天女から羽衣を強奪した輩もおります。御存知ねずみ男です。その悪行の様子は08/11/9の記事を御参照下さい。

では最後に、そんな羽衣をまとう天女を凌駕する美しさを持つ伝説の姫様を紹介します。その名も衣通姫(そとおりひめ)、「その美しさが衣を通して輝く」というのが名の由来。どんなに綺麗な衣服でも、生身の美しさには、結局敵わないという事…。ちなみに下の図画は「天下統一クロニクル」の衣通姫です。
目を凝らしても、○○などが透けて見える事はありませんので、ご注意下さい。


もしも義父が鬼だったら…

2013-10-19 17:47:00 | 妖怪
9/23の記事で地球と月の往来に関する怪異譚として、かぐや姫を始めとした幾つかの伝説を紹介しました。月への行き来なら、その手段としてはまだ現代のロケット・スペースシャトルレベルなので、全くの夢物語ではないでしょう。
かぐや姫も仮に超文明の月星人なら、宇宙船での帰還もあり得る話です。

ちなみに江戸時代の伝奇で、虚舟(うつろぶね)という"空飛ぶ円盤"型の乗り物と異質な衣裳で小箱を抱えた美人が海岸に漂着していたという記録がありますが、ひょっとするとお土産(不死の仙薬か?)をもって里帰りしたかぐや姫かもしれません。
イイ男が見つからず、そのまま引き返したような気がします。

ところで、かぐや姫より遥かにスケールの大きい星間移動をされた姫君の伝説も日本にあります。「織女と牽牛の伝説」にも通じるストーリーになっていますが、室町時代の"御伽草子"にある天稚彦草紙」の姫君がその人。ある日、天界に赴いた夫である天稚彦を捜しに、姫君は金星彗星(プレアデス星団)などを巡っております。下の図画は"天稚彦草紙絵巻"から。中央上部の6人の天人がいる場所が""でしょう。
ようやく姫君はとある天界の地で天稚彦を見つけますが、実は天稚彦の父親は""である事を知ってしまいます。""の義父は天稚彦との仲を認めるのに必要な難題を姫君に与えます。その一つは「千穀の米を一粒違わず運べ」というもの。女手一つでは無理な要求も、蟻さん達が姫君を助けて、成し遂げてしまいました。
で、紆余曲折の後、年に一度の7月7日のみ"天の川"を越えての逢瀬が許されたのです。なので、七夕で星空を見上げる事はお二人にとって、1年ぶりの濃厚なラブシーンを覗かれるようなもの… 来年から、見上げるのはもうやめてあげましょうね。

でも、宇宙はこんなロマンチックな怪異ばかりではありません。12/11/25の記事にもあるように、そこは、"恐怖大妖怪のすみか"なのであります。
助けてー! 鬼太郎!

宇宙なら、ウルトラマンに頼めよ。


猥褻物陳列罪妖怪の登場

2013-10-13 12:52:00 | 妖怪
先日、私用で北海道は小樽に行って参りました。職場へのお土産は小分けできる定番のお菓子として、北海道限定「じゃがポックル」を購入して帰りました。賢明なる妖怪ファンの皆さんなら「じゃがポックル」と聞くとそれは、"じゃがいも"と北海道を代表する妖怪の一つ"コロポックル"とを掛けたネーミングだと気づくでしょう。
"萌える! 妖怪辞典"のコロポックルです。小さいけど実は大人なので注意です。

その他、北海道を代表する妖怪といえば、妖怪四十七士にも選ばれている「ミンツチ」が挙げられるでしょう。
つまり、河童さんです。

さらに、マイナーどころではコシンプオハチスエ、他にも妖鬼化(ムジャラ)ではオッケルイペ熊神ノイポロイクシパウチホヤウカムイなどが北海道地方の妖怪として紹介されております。そもそも北海道の妖怪ってなかなか思い浮かばないし、"ミンツチ"のようにカタカナの名前を見聞きしてもピンと来ないのは、それらはアイヌ民族の妖怪であり、名前もアイヌの言葉で構成されており、馴染みに欠けているからでしょう。…という事で理解を深めるため、幾つか図画を紹介しましょう。先ずは「天下統一クロニクル」から、コシンプの一種でイワコシンプ
憑かれた男は数年内に死にますが、幸運を授かる事もあります(但し、イケメンに限る)。

次は水木大先生による淫欲の神"パウチ(Pawci)"
『アイヌ語では、ウコパウチコロ(ukopawcikor)と言えば"性行為を行う"という動詞であるが、 これは直訳するとuko「互いに」+pawci「パウチを」+kor「持つ」の意味である。』との事ですが、じゃぁ「パウチ」って何かが気になります。
又、同じ北海道の"性的妖怪"の仲間には「トイポクンオヤシ」というのがおりまして、恐らく日本妖怪の中でもっともエロイ妖怪の一つであると考えられております。「トイポクンオヤシ」には男性版と女性版がいて、その特徴というのが、異性の人間に「地面の中からアレだけを出して見せつける」というもの。そして「やりたいならやろう。」と声をかけてHの動作を真似してやるだけで満足してサヨナラしちゃう妖怪です。下の図画は"萌える! 淫魔事典"からの女性版「トイポクンオヤシ」です。
アレを見せられ、"エアーH"した後、残された男は一体どうすればいいのでしょうか。

最後に人魚関連では「アイヌソッキ」や「アヅイコシンプク」といって、アザラシが化けた女の妖怪がいるようです。ちなみに、アヅイコシンプク」は"大人を恐がらせる 大妖怪伝説"には「アザラシ女」という"北海の精"として掲載されております。
この男が何故、腕を切り落とそうと思ったのか? その理由が気になります。


打倒!妖怪野球チーム

2013-10-07 15:29:00 | 妖怪
今シーズンのプロ野球レギュラーシーズンはほぼ終了しました。セ・リーグは後半ジャイアンツの独走で、首位攻防戦らしきものが無く、タイガースファンとしては物足りない展開でございました。ところで妖怪と野球の関わりは、10/8/7の記事にもありますような、ゲゲゲの鬼太郎アニメ記念すべき初回放映の「人間(少年野球)チームvs妖怪チーム」による"おばけナイター"だったり、高校生に成長した鬼太郎が所属した"墓の下高校 野球部"などが思い浮かびますが、水木しげる大先生は1958年に貸本漫画の単行作品として「お笑いチーム」という野球ギャグ漫画を残しております。こちらは河童チームと人間チームとの対戦となっております。
表紙の下のコマは第1話からの抜粋。水木先生、ちょっと手抜きされました?

それ以外だと昭和を代表する妖怪絵師の一人"石原豪人"氏が描いた"阪神-巨人"戦での「毛むくじゃら妖怪(獣人)選手」による凄まじい1シーンがあります。
3対3の同点で迎えた5回裏の阪神の攻撃、ランナー1塁・3塁のチャンスで、バッターは生身の胸に直接チーム名がプリントされた獣人。ヒットエンドランでランナースタート、バッターも快打するも、巨人の二塁手の獣人(こいつも直接胸にチーム名)がホームの方へ突進、ピッチャーの上空でライナーをキャッチ! ダブルプレーで阪神、絶好のチャンスを潰しました…。あと、獣人バッターの小さすぎるヘルメットとお尻の虎マークも気にはなります。

上の図画のように昭和期において、野球に関するメディアは「強い巨人」と「"アンチ巨人"の代表としての阪神」が主流だったとは思います。ただ、今のご時世では絶対に出版できないと思われるタイトルの怪奇野球漫画を見つけました。
私も負けてる試合の方が落着いて観れる点では、「呪われた阪神ファン」かもしれません。

ところで、先の獣人野球選手はスーパープレーヤーとして超ファインプレーなどで、観客を魅了してくれるのでしょうが、漫画「アストロ球団」で対ビクトリー球団戦において使用された「人間ナイヤガラ」という最狂且つ最凶のプレーも妖怪好きの野球ファンなら覚えておきましょう。
たとえランナーが死んでも走塁妨害になりません。恐るべし。

最後に、妖怪ではありませんが"ビーロボカブタック"から、10号機でテントウムシ型バイオチップを持つ女性型ビーロボ「テントリーナ」のピッチャー、そのサウスポーの勇姿であります。
獣人と同じで帽子小さいけど、名前の「点取りぃな」はもっとダメでしょ。