英語で人生修行していこう!

50代で塾講師
独学で英語の上級をめざしています

「箒川を渡って」踊ろうマチルダ

2012-01-24 21:47:10 | 日記
「箒川を渡って」踊ろうマチルダ


とんびが鷹を産むわけがない、というところから発想をえた原作『とんび』。
2週にわけて土曜日の午後8時台にNHK総合で放送済みです(重松清作)。

例の上級英語クラブというのが同じ時間帯にあって
二回のこのドラマをやっと英検も終わったので見ました。

これが・・・・。
泣けて、泣けて。

この「踊ろうマチルダ」はアーティスト名ですが
たった一人で活動している人です。
このドラマのエンディングソングを歌っています。

広島のある地方都市で父親に幼い頃捨てられて育った父親と
原爆で身寄りをすべて亡くした母親の間にできた男の子・旭。
なんと父親が小林旭のファンだったことからの命名です。

線路に横付けにされる貨物からの荷物を受けて
小売店に配達する肉体労働の仕事が父親の職業なのですが
雨の休日にその倉庫で悲劇がおきて
旭を崩れてくる荷物から守るために母親が下敷きになって亡くなります。
旭はまだ3歳。


12歳の頃に母の死の詳細を知りたがった旭に
父親が自分の代わりに犠牲になって母が死んだのだと
彼は嘘をつきとおします。
父親の愛情がそうさせるのですね。
決して自分の口から事実を告げないのです。

私がとても感動したのは、父子家庭になってほどなく
父親が長年懇意にしているある住職に
旭には新しい母親が必要ではないかと相談にいった件。
旭はまだ当時4-5歳でした。

深夜寝てしまった旭を父親に強引に抱かせて
その住職が3人で暗い夜の海の浜辺へいくぞと
半ば強引に連れて行くのです。
そして旭にこう言います:
「旭、オマエのかぁちゃんはもう死んだ。
おまえのここ(胸)におるんじゃ。
そしてその腹をいまぐっと抱いてくれてるのはおとうちゃんじゃ。
そしておまえの背中はな、
おまえのことを本当に心配してくれる大勢の回りの人間が守るから大丈夫じゃ。」

父親の友人たちが心配してこの3人を取り囲みつつ、
住職が彼らの手を旭の背中へ1人また1人と自分たちの手で重ねるように
促すのです。

私がこの住職の素晴らしさに胸を打たれたのはただひとつ。
人間がまっとうな大人になり、
社会で道を外さずにしっかりと生きていける秘訣は
まわりにどれだけ自分のことを心配し、
気にかけてくれる人間の存在があるか、
ただそれだけなんだということです。

いくつかのハウツー本があり、こうしたらいいとか、ああしておけば大丈夫という。
でもそのいくつかがやはり何だか胡散臭く、自分には合わないと思えるのは
そこに欺瞞の匂いをかいでしまうからなのです。

小さく見える子どもがいつかは大きな愛情と自尊心をもった
豊かな大人になるには、彼らをとりまく大人の温かな熱い志が
いるんだと思わされました。

私は子どもでもないのですが(汗)、この旭少年のようにネット上のおつき合いとはいえ、
英語の悩みや辛さをあれこれと助言していただける
大勢の仲間に恵まれて本当に幸せだと思っています。
1人じゃ闘えなさそうな大きく見える壁も
気にかけてくださる英語仲間の存在の
なんと心強いことか。

弱い人間が強くなるには、自分の弱さをかみしめつつ嘆きつつ
それでもまたがんばる強さをもつことだと思えますね。

いや~、生きていくってかっこ悪いことばっかりなんですよ。
それでも前に、前に、という精神だけは忘れずに、です。

「箒川をわたって」

太陽は昇り 俺は出番を待ってる

うだうだと悪口を言いながら

箒川を渡って 知らない街へ行くんだ

もううんざりしたのさ この土地には

失われた実り 見捨てられたままの家

みんなで笑った日を思い出す

箒川を渡って お前らともおさらばだ

もううんざりしたのさ あいつらには

箒川を渡って 俺は俺を続けるよ

心をあの場所に残したまま


NHKドラマスペシャル「とんび」の主題歌「箒川を渡って」オリジナルバージョン




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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (angel)
2012-01-24 22:46:18
シルフ姉の文を読むだけでも目頭が熱くなりました。

英検お疲れ様でした。私も何年もこの解放された(答え合わせも終わった)火曜日を味わいました。

しばらくゆっくりしてくださいね。
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やっぱり古巣にもどるという習性が (sylphide1832)
2012-01-25 09:01:18
angel妹へ

もともとが文学畑なので、その真逆の論理性にむやみと
憧れがあるパラドックスを持っているのが自分だなぁって。。。。
でも、いつも最後に行き着くのはとても難解な問題、
「善くなろうとする人間の源ってなんやろ?」
なんですわ。
これって教育哲学の元でこんなことばっかりを考えてたのですけど、
いつも人間って素敵やなぁって思わさせるものについ惹かれます。
ほっとするところがやっぱり文学の部分なんですよねぇ。
返信する
Unknown (大阪の主婦)
2012-01-25 18:20:35
ううむ。深い。深い話や。。。

なんていうのか日常、もう尋常ちゃうからな~(涙)

あと、どうも自分の思考を受け入れてくれるリアルワールドの友達が少ない。これで働きにでも行ってたらまた似た価値観の人も出会えたんだろけど。
教員やってたころが一番「似た仲間」に恵まれたわ。。。

時事英語教室もいいけど、なかなかいけないのが残念やねん。

子供が共通のワールドはどうもあう人間がすくないな。自分が欲して近寄ったわけちゃうしな。

ブログ界のほうが 同じ感覚で笑え、賛同できる人が多いのよね~。不思議やわ。。

今後ともどうぞよろしく。(←このブログのなんのコメントにもなってへんがな)
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スピーキングについて (sylphide1832)
2012-01-26 09:12:50
マダムへ

マダムのほうでお尋ねだった英会話の件なんだけどね、
私も自分の勤める塾内の英会話クラスなんて(汗)
実は席をおきたくなかったのです。
だってうんざりするほど内情を知っているウチワの
それも同じ英語の話になるのは分かっていたから。
でも大手英会話スクールのポリシーのえげつなさも多少知って
まぁ仕方ないなぁって妥協しました。
現在は、毎週1時間、時事英語特訓塾からの仲間の男性と交代で
自分の好きな記事を読み解いて、それを基にして討論をするクラスになっています。

わが娘より1歳年下の黒人のアメリカ人女子に昨晩はインドでの貸し腹産業の実態を基にして
これは倫理上および法律上どうなんや??と
討論しました。

でもな~。
1週間に1時間なんてそうそう上達するもんじゃないと思いますわ。。。。。
肝試し???
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とんび再放送決まりました (imano)
2012-02-19 11:48:45
踊ろうマチルダスタッフです。マチルダをご理解頂き、また応援頂いてありがとうございます。とんびの再放送が決まりましたのでお知らせさせて頂きます。NHKBSプレミアムで3月4日と11日午前11時になりました。マチルダは昨年住居を秋田にうつした直後に震災がおきました。箒川を渡ってはドラマの書き下ろした曲ですので、主人公安か旭なのかは限定していないようですがドラマのテーマを下に書いたことに間違いありません。音楽監督と演出監督から本のディテールにはこだわらないでとのことで広島でない那須の箒川を歌ったのだとおもいます。ただアップしていただいてるliveで歌う箒川の歌詞には昨年住居を秋田にうつした直後に震災がおき彼自身も含め様々理由で移住を余儀なくされている人々の気持ちも色濃くでています。車に楽器を積んで一年に100カ所前後のliveを旅するの彼が、東北から西に旅するときに越えた箒川がイメージになっているのは間違いありません。再放送の後編が3月11日となったのも何か感じえるものがあります。
ドラマバージョンとオリジナルバージョン聞き比べてみてください。また是非これからも応援よろしくお願いします。ひき続きliveは今年も全国行きます。小さいカフェやパブなどでも演ります。お時間がありましたら是非覗いてください。
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感激しています<涙> (sylphide1832)
2012-02-19 15:52:57
imano様

わざわざ再放送のお知らせ、そしてこの素晴らしい楽曲の謂れをお知らせいただき
驚きとともに感激しています。

しかしなんといってもドラマの水準の高さが
この豊かな楽曲の良さを何倍も増加してくれたのは誰もが認めるところだと思います。

臨床心理士をしている友人にもぜひ見て欲しいとお願いしました。
実は3月11日の再放送は私も下調べをして存じていました。
1人でも多くの方に人間が1人では生きられないのだというこのドラマのコンセプトを知って欲しいです。

財力も地位も名誉も、その基礎にある豊かな人間性の上にしか花開かないのだと
このドラマは語りかけていると私は思いました。

幸福とは何か、という一見青臭い問いも
3.11後の日本では語られるようになりました。

日常のささやかな幸せが
共有してくれる人間の輪で何倍も大きな輝きを増すことを教えてくれましたね。
思い出すたびに何度かくちづさんでいます。

ライブもぜひ足を運びたいと思っています。
ありがとうございました。
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