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「三選後はレームダック化」と読む“政局屋”竹下派の権謀

2018-08-08 | いろいろ

より

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「三選後はレームダック化」と読む“政局屋”竹下派の権謀

 雪崩を打つように、我も我もと自民党議員が“安倍支持”に走り、9月の自民党総裁選は「安倍3選」で決まったも同然の状況だ。

 何しろ5大派閥のうち、細田派(94人)、麻生派(59人)、岸田派(48人)、二階派(44人)の4派閥が安倍支持を表明。唯一、竹下派(55人)だけが“石破支持”で動く方針を固めている状況である。共同通信の取材によると、何と所属議員405人のうち、76%にあたる310人が安倍支持だという。

 一体、首相のどこをどう評価したら、安倍支持となるのか、サッパリ分からないが、調子に乗った安倍陣営は、「総裁選はもうゲームオーバーだ」と勝ち誇っている。

 「すでに安倍陣営の関心は、総裁選後の人事に移っています。官房長官や幹事長の空手形が飛び交っている。4派閥の幹部が集まり、事実上の選対本部をスタートさせたが、水面下では人事を巡るさや当てが勃発しています。当初は、遅れて“安倍支持”を表明した岸田派は、選対に加えないという空気もあった。現在、岸田派は最多の4人を閣僚に送り込んでいる。

 3派閥は、岸田派から閣僚ポストを奪うつもりでしょう。麻生財務相は、岸田派のことを『ゲームに乗り遅れた感じだな』と、露骨に牽制しています」(政界関係者)

 ポストにありつこうとしている安倍支持組は、総裁選で安倍首相と戦う石破派にはポストを与えず、徹底的に干し上げるつもりだ。「丸焼きにしてやる」などと、とても同じ政党の仲間とは思えない罵詈雑言を口にしている。

 それにしても、まだ告示もされていないのに、「官房長官だ」「幹事長だ」と人事の話が飛び交うとは、これほど醜悪な総裁選は初めてじゃないか。「安倍1強」の驕りは、もう末期的である。

■ 求心力を失い、待っているのは逆風ばかり

 しかし、安倍応援団が浮かれていられるのも今のうちだ。吠え面をかくのも時間の問題である。

 たとえ“総裁3選”を果たしても、その瞬間から安倍政権はレームダック化するからだ。安倍にとって、総裁3期目は最後の任期だ。どんなに強い政権も、終わりが見えた途端、求心力を失うことは歴史が証明している。アメリカの大統領も、2期目に突入すると同時に弱体化していく。9月の総裁選が終わると、政界の関心は“ポスト安倍”に移っていくだろう。

 せめて、国民の強い支持があれば求心力を維持できるが、安倍は国民からの信頼を完全に失っている。「支持」と「不支持」は、5カ月連続の逆転。不支持の理由のトップは「首相の人柄が信用できない」である。「安倍1強」など、永田町だけの話だ。

 しかも、この先、待っているのは逆風ばかりだ。肝心の経済は、いつアベノミクスが破綻してもおかしくない状況である。「異次元緩和」も、限界が近づいている。金利が急上昇したり、金融機関が経営危機に陥るなど、“副作用”は無視できないほど大きくなっている。とうとう、黒田日銀は政策を修正し、事実上「白旗」を掲げてしまった。その上、アメリカからは、同盟国なのに高い関税を課せられるなど、貿易戦争を仕掛けられている。高い関税をかけられて輸出がストップしたら、日本経済はもたない。

 早晩、山積する内憂外患に安倍政権が立ち往生するのは間違いない。「政局」に強い竹下派が、安倍ではなく石破茂を支援するのも、そう遠くない時期に安倍政権は崩壊すると計算しているからだろう。

 政治評論家の本澤二郎氏が言う。

 「安倍首相にとって致命的なのは、総理の武器である“人事権”と“解散権”を縛られそうなことです。人事権は、9月の総裁選の後、論功行賞として使ったら当面使えない。解散総選挙も、公明党が絶対に許さないでしょう。“参院選とダブルも”という話も流れていますが、来年行われる統一地方選と参院選を最重視している公明党は、統一地方選と参院選を混乱させる解散は、体を張って止めるでしょう。公明党の協力を得られなかったら、自民党議員は軒並み落選してしまうので、安倍首相も強行できない。人事権と解散権を失った総理に力はありませんよ」

 どう考えても、この先、安倍に上がり目はない。外交も展望ゼロだ。北方領土は動く気配すらなく、拉致問題は北朝鮮に相手にもされていない。3選される9月の総裁選が、ピークとなるのではないか。


 来年夏の参院選でトドメを刺される

 しかも、安倍応援団は、「同性愛カップルは子供をつくらない、つまり生産性がない」――などと、差別発言を繰り返す杉田水脈議員のような連中ばかりだ。まともな議員がほとんどいない。

 この先も、安倍の足を引っ張っていくのは目に見えている。

 どんなに延命を図っても、安倍政権の命脈は、来年夏の参院選で尽きるとみられている。自民党は大敗する可能性が濃厚だからだ。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「12年に一回、春の統一地方選と、夏の参院選が重なる亥年は、自民党は参院選で大敗するというデータがあります。政治学者の間では“亥年効果”と呼ばれ、よく知られた話です。理由は、自民党の集票マシンである地方議員が、自分の選挙が終わった直後なので、積極的に動かないためだといわれています。前回、2007年の参院選の時も、自民党は歴史的な大敗を喫しています。ちょうど第1次安倍政権の時です。野党に過半数を奪われ、安倍首相は退陣に追い込まれている。ただでさえ、自民党は6年前に大勝しているので、大きく数を減らすことは間違いないでしょう。しかも、地方を中心に安倍政権に対する不満が渦巻いています。アベノミクスの恩恵もありませんからね。総裁選で竹下派が石破茂を支援するのは、かつて参院のドンと呼ばれた青木幹雄さんが“石破で行け”と命じたからだといわれています。参院選を熟知する青木さんは、自民党は敗北すると読んでいるのでしょう。竹下派は、参院選後“安倍おろし”に動くつもりだと思います」

 1年後、石破政権が誕生する可能性はゼロじゃない。

 安倍応援団は、さしたる信念もなく、ポスト欲しさに雪崩を打って安倍陣営に駆けつけているのだろうが、果たしてどこまで先を読んでいるのか。自民党議員の76%が安倍支持では、勝ち馬に乗っても、ポストは回ってこないだろう。しかも、安倍政権は3選と同時に“死に体”となっていく。安倍礼賛派は、あまりにも浅薄というしかない。
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