拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

  還暦ギャラリー『森』〜スイス闘牛(その1)

2023年12月13日 | 必撮無眼流

  スイスに来て、もうすぐ33年を迎える。

  うち前半11年を観光ガイド、後半15年を(海外向け)引越屋、そして来年2024年に定年退職して7年目を迎える勘定になる・・・。

  いずれの仕事も、イベント稼業のようなもの、お客様に対して非常に神経を使う稼業であって、一日一日が勝負みたいなところがあったので

  一心不乱で駆け抜けていたら『定年退職』・・・みたいな感じがする。

 

  それでも、仕事スケジュールが不安定な『観光ガイド』からサラリーマン『引越屋』への移行は、気持ち的、経済的に安定をもたらし、

  長年封印していた写真活動をボチボチ始めた頃、最初に取り掛かったテーマの一つが、今日紹介する『スイス闘牛』であった。

 

  スイスにこんなに長く居住しながら、ろくにフランス語も喋れなく、東洋だなんだと、結局日本のことばかり考えているような自分に呆れるのであるが

  それでもまぁ、今日のような写真活動を『還暦スキャン』してみれば、自分なりに『現地レポート』をちゃっかりしていたことを思うと

  それこそ今日このブログという『場』で、それを発表できる幸いを有難いことだとしきりに思う・・・。

         

  この写真は、2004年・Martigny(マルティーニ)という小さな町での『闘牛』風景・・・ローマ時代の円形劇場を利用した闘牛場が格好いい。

  ほぼ、20年前ということになるが、当時は『闘牛』もバレー州…、それも酪農関係者の間で楽しむ、地方色の強い行事であったのが

  十数年前よりテレビ中継が入るようになり、徐々にポピュラーになって全スイス的行事として受けとめられつつある。

 

        

                   

     

               

  私は、牛たちが闘っている場面も好きであるが、より面白いのがこれらの写真のように、控えている時の人々や牛の様子だと思う。

  日本にいた時も、宇和島の闘牛を取材したが、酪農家の人々の『闘牛』というイベントに対する思いは全く同じ様子なのが面白い。

  そして、同じスイス人でも山間部に牛とともに暮らす彼等のメンタリティと、

  ローザンヌやジュネーブの都市部に住む人々とのその違いは非常に大きい・・・と感じたものだ。

 

          

  スイスに初めて来た時、スイス人の友人が給料の男女比が大きいと嘆いていたが、たしかにスイスは極めてマッチョな国だ。

  スイスで『婦人参政権』が認められたのが、なんと1971年であった・・・というのが驚く。 州レベルでは1990年になってやっと認められた州(アッペンツェル)もある。

    

    この写真は2006年、同じくバレー州であるが州都、Sion(シオン)での闘牛風景。 

     白ワインを瓶ごと豪快に飲むオッサン・・・これがバレー州の男だ!!

 

  バレー州はゴツゴツした岩山ばかりの不毛な地であるような印象があるが、レマン湖に注ぐローヌ川沿い北の斜面は陽当りがよく

  ワインの為の葡萄畑が続き、スイス産として美味しいワインは、このバレー州で穫れる。

  

  

  



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