病欠のおかげで、一冊の本を読み終えた。大沢在昌氏の新宿鮫シリーズ8 この人の本を初めて読んだ。西瑞では日本の本はなかなか手に入りにくいが、ボクはあるルートで時おり古本を手に入れ、彼の本も何冊か持っていたが、読まず嫌いの偏見で3ヶ月前に部屋のペンキを塗り替えたとき本も整理して30冊ぐらい捨ててしまった・・・ことをいま後悔している。
他の鮫シリーズはどうか知らないが、この第8巻はストーリーも何もかもよくできてるなあ~!と感心させられた。社会現象などを観る見識も高く、勉強になった。というのは。
日本の新宿すらグローバル化現象が進んでいる。(この本によると新宿の中国人の進出)
この小説の中で、登場人物にこういわせている場面がある。
『この国は、こと労働力という面に関しては、一種の鎖国政策をとっている。やがてそれでは立ちいかなくなるときがくる。
もし今のような大国気取りを続けていきたいなら、多民族国家の道を受け入れる覚悟が必要だろう。もちろん伴う痛みもしょうじるだろうが』・・・
ふだん何にも考えていないボクは、ここの所を大いに感心したわけだが、それはわが町ローザンヌは西瑞の中でも多民族国家化の道をいやでも進まなければならない国としてのテストケースにされているとしか考えられない程、とみにここ4~5年実に様々な人種の人達が集まり、暮らし始めているのだ。西瑞の20%は外国人で占められているそうだが、ここローザンヌに住んでいると70%以上が外国人ではないかという気がする。
ボクは初対面の人に会ったとき、必ずする質問が国籍はどこか? というもので、見ただけでは分からないケースがほとんど、インド人に見えても、アフリカ人に見えても、スペイン人に見えても、スイス人であることが多い。というのは、もちろんオリジナルは見た感じのままインド人、アフリカ人、スペイン人であるが、スイスに帰化して二重国籍者になっている人がほとんどだ。日本人だって15年ぐらい前までは,スイス男性と結婚した日本人女性は自動的にスイス国籍を取得できたので、
ボクの女友達もスイスと日本のパスポートの両方持っている人が沢山いる。
ボクはこの日記で日本は”島”であると書いたことがあるが、この多民族国家の道という選択がありえないという意味であったが、この鮫シリーズで考えを新たにした。
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