拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

  『覚悟』と書初め

2024年01月11日 | 東洋自分なり研究所

  今から約40年前? 当時塾生の一人としてお世話になった、鍼灸を中心に東洋医学を指導する横田観風先生の無為塾の新年会で

  10人ほど集った塾生一人一人が、長さ135cmx幅35cmの大きな和紙に、筆禅道用の大きな筆で、各自の抱負を書くことになった。

  いわゆる『書初め』であるが、急な話だったので何を書いていいやら・・・少し迷い、頭に思い浮かんだ言葉が『覚悟』であった。

  何の為の『覚悟』なのか?自分でもよく解らなかったが・・・、ただ漠然と、当時の私のその先の人生に対する『覚悟』であったような。

 

  あの時の『書初め』は、私の最初であり、最後となる『書初め』であったと思うが、今思うに、私が自分の生涯に課した『公案』であったのだ。

  塾生仲間と観風先生の見守るなか『書初め』する機会を得たことは、私だけでなく塾生皆にとって、めったにない『幸運』な事であったが、

  当時、その事について気づいた塾生は一人もいなかったであろう。

 

  時代は変わり、読み書きのほとんどをIT機器で済ます現代、

  『書初め』・・・などする日本人はいるのだろうか? 

  墨と筆と和紙に、新たまった心持ちで抱負を大書する・・・その言葉は、その人にとって『公案』である。

  『抱負』という言葉、『負(マイナス)を抱く』と読むと、抱負として書いた言葉の実現(プラス)を目指し、『0』にすれば『公案』だ。

 

  『書初め』の精神は、別にキーボードでも、携帯でもいい、問題はその『抱負』を『0』にするまで念じ(漢字、観じ)続ける事だと思う。

 

             

                  2021年7月20日のブログ記事〜覚悟への縁起(より)