拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
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  大拙東来意〜(その2)奇跡の師弟

2023年08月15日 | 大拙考

  私がもし映画監督となって、『スズキ大拙伝』という伝記ドラマ映画を撮るとするならば

  大拙最晩年81歳〜死ぬ96歳までの15年間、秘書として大拙の身の回りの世話をした岡村美穂子と大拙の師弟関係を中心に物語を始めるだろう。

 

  大拙は弟子を持たなかった・・・と言われているが、後年岡村美穂子が語る大拙とのやり取りは、明らかに禅の師と弟子の関係以外ではなかった。

  そういった岡村美穂子の眼を通して観た『スズキ大拙』を描くことで、大拙がどういった人物であったかを鮮やかに浮き彫りすることが出来る。

 

  そもそも、二人の出会いというものからして非常にドラマチックだ。

  当時16歳の少女、岡村美穂子とすでに著名であった禅思想家80歳の大拙との出会い・・・。

  ニューヨークのコロンビア大学での公開講演がキッカケで、それがどういう運命の悪戯(いたずら)か、大拙最晩年を伴に生きることになったのだから・・・。

  ここまで書いてきて、私の愚脳中では大拙映画の最高傑作が出来上がってしまった感しきり・・・あぁ〜っと独り感動の渦にまきこまれそう…。

 

  じつは、今朝までは大拙に関して別なことを書こうと思っていて、参考までに『岡村美穂子』をググってみたところ

  彼女は今年2023年6月に88歳で『御隠れ』になっていた・・・。

  スズキ大拙を実際に知っている人物が、本当にいなくなった気がして、一抹の寂しさを感じながらも、映画『スズキ大拙』の構想が浮かんだのだ。

  この映画は何時、誰が実現するかわからないが、いつか必ず実現するだろう。

  その時は真っ先に岡村美穂子さんに観ていただきたい。

        

                      水鏡の庭 (鈴木大拙館)

          2011年『鈴木大拙館』開館。   写真は2017年に初めて金沢に旅した時のもの。

         岡村美穂子さんはここの名誉館長であった。

  

 

                                 鈴木大拙博士の日常生活 その1 

                             ( 動画開始後、3分30秒より岡村美穂子氏の話 )