社会の鑑

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コロナ対策と面会制限

2020-04-11 15:53:00 | ノンジャンル
法務省による新型コロナ対策を口実とした面会制限

 法務省は、「新型インフルエンザ等緊急事態宣言の対象となる区域に所在する刑事施設における面会の取扱いについて」と題した文書を出し、緊急事態宣言が出された地域にある刑事施設における面会を弁護人に制限することを明らかにした。
 この文書は、法務省のホームページに掲載されているが、出された日時は書かれていないので、正確には知る由もない。4月10日の朝日新聞によれば、「期間は宣言が出されている8日から5月6日まで」だという。
その文書には、「新型インフルエンザ等緊急事態宣言の対象となる区域に所在する以下の刑事施設においては,新型コロナウイルス感染防止のため,弁護人等以外の方との面会を原則として実施しません。施設への来訪をお控えください。」と書かれ、宣言が出された7都府県に存在する38の施設(刑務所、刑務支所、医療刑務所、少年刑務所、拘置所、拘置支所、東日本成人矯正医療センター、播磨社会復帰促進センター)が対象施設とされている。
 前述した朝日新聞によれば、「同省は面会制限について、施設の適切な管理を求める国有財産法に基づく措置と説明する。大阪拘置所では複数の刑務官の感染が判明。38施設に約1万5千人いる収容者の感染は確認されていないが、『各施設とも集団で生活しており、1人でも感染者が出れば拡大のリスクがある。社会全体でリスクを減らす中、施設にも責任がある』とする。」
 そこで国有財産法を調べたところ、国有財産の管理の中に人は含まれていない。法務省は、国有財産法を根拠にしているのであれば、根拠条文を示さなければならない。それは、義務である。
 
 刑事施設に収容されている容疑者・被疑者や被告人には、刑事訴訟法80条に基づき、弁護人以外の者との接見交通権が保証されている。特に容疑者・被疑者や被告人には、無罪が推定されている。その原則を守り、国家権力の代弁者である検察官と対峙するためには、家族や友人などの精神的支えが必要である。この貴重な権利を、新型コロナ感染症への対応という理由だけで制限されることは、絶対に許されてはならない。
 現在収容されている被疑者や被告人に面会しようとしたときに、施設当局から拒否された場合には、直ちに弁護士を立て、施設当局、さらには法務省に異議申し立てを行い、面会が実現するまだ徹底的に戦う必要がある。



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