
毎週月曜日は近所に住む上海太太Lさんとの相互学習の日(太太は奥様という意味です)。
私は彼女に日本語を、彼女は私にピアノを教える・・ことになっているが、午後のお茶をしながら世間話をする時間の方が多い。
彼女が日本語を学ぶきっかけは、数年前にツァーで行った日本の印象が良かったのが始まりで、5月末には九州温泉ツァーに行くそうです。いいなぁ~
鉄道で移動しながら温泉と懐石料理と海鮮三昧ののんびりツァーで、5泊6日の旅行代金はで全食事付き、ガイド付き、日本ビザ込みで8700元也。
上海から鹿児島まで飛行時間は約1時間半と近いのに、いい金額である。
それにはわけがある。
中国は2013年10月1日から旅行法が施行され、団体旅行の料金は全ての経費を含むようなったからだ。
以前のツァー旅行は低料金で客の関心を引いていたが、実は現地に着いたら入場料や食事が自己負担だったり、お土産屋さんへ強制連行されたりで、評判があまり良くなかった。
旅行法では、追加料金を認めず、お土産屋さんへの強制連行禁止などを定めたので、旅行代金が高くなるのは当然である。
ところで、私が日本から戻る際の彼女へのお土産は「わさび味の柿の種」である。
彼女が初めての日本旅行中にその味を知り、大事に取ってあった袋をあるとき私に見せてくれたのだ。
そして、意外なことに納豆が好きだと言う。
日本生活が長い中国人なら理解ができるが、彼女は違う。
実は、彼女のご両親は西安出身で、日本の納豆に似た豆鼓を料理に使っていたそうだ。
糸を引くタイプと、乾燥させたタイプの2種類あると言う。
「母が昔よく塩漬け肉や蝋肉を薄くスライスして豆鼓と蒸したものを作ってくれたのよ」彼女はその味を思い出したかのように、嬉しそうに話す。
東急ハンズで買った「納豆菌」で、私は時々納豆を作る。
日系スーパーでも納豆は手に入るが、(我が家から遠くて買いに行くのが面倒なので)私はこたつで保温しながら作っている。(上海は既に最高気温が25度を超える日もあるが、我が家は納豆を作りたいがためにこたつは出しっぱなし)
納豆菌はそれほどデリケートではないので、作るのは意外に簡単である。
①大豆を一晩水に浸す
②圧力鍋で茹でる。(乾燥大豆300gで加圧30分位)。減圧後に蓋をあけ、親指と小指で1粒つまんでつぶせるくらいの硬さを確認する。
③ザルでお湯を切る。
④熱々の大豆をボールに移し、湯冷ましで溶いた納豆菌を散布し、大豆が壊れないようにかき混ぜる。
⑤蓋つき容器に、大豆が3層以上重ならないように移す(酸素が下層にまで行き渡るため)
⑥容器と蓋の間にキッチンペーパーを1枚挟んで蓋をする(発生する水蒸気を吸湿させるため)
⑦こたつに入れる。
⑧季節にもよるが、この時期は20時間で出来上がる。

ハンドメイドの納豆を手土産に持って行くと、彼女は眼を輝かせながら喜んでくれた。
彼女「日本人はどうやって食べるの?」
私「良くかき混ぜて醤油を垂らしてご飯にかけて食べるのよ。チャーハンにしてもイケルよ」
納豆チャーハンは老公の大好物なのだ。
私が最近ハマっているのが、山芋と大根おろしとオカカと自家製なめたけを和えたもの。

山芋は「铁棍山药(tiegunshanyao)」という自然薯を使う。鉄の杖のように細くて長い。
鉄棍山薬と言えば、温県産である。2年前に焦作市の雲台山に登った時に街のあちらこちらで鉄棍山薬が売られているのを見かけて知った。

淘宝網で河南省焦作市温県の業者から取り寄せている。
粘りがハンパなく強い。父が山で掘ったり、富山の親戚が送ってきてくれた自然薯を日本にいた頃は食べていたので懐かしい(自然薯は掘るのが大変です)。
大根おろしの水分で薄まっても、とろりとした食感が楽しめるし、普通の山芋より栄養価が高い。
彼女は自家製納豆に興味を持ち、台所からヨーグルトメーカーを出してきて、これでも作れるかなぁ?と熱心に尋ねる。
すでに作る気まんまんである。今度の日本土産は「納豆菌」にするねと言ったら、笑顔で大喜びされた。