猫ちゃんと節約したい独り身おばさんの暮らし

ちょっと臆病な猫のユキちゃんと一人暮らし歴20年以上の
やる気ないパートのおばちゃんの暮らし

図書館で借りた本、日の名残り、ノーベル賞文学賞受賞 記念講演 カズオ イシグロさん

2021-06-20 07:54:00 | 図書館で借りた本 小説
2017年にノーベル文学賞を受賞した
カズオ イシグロさん
のブッカー賞を受賞した
日の名残りは、執事の
スティーブンスが主人公。

ダウントンアビーのファンの
皆様!この本を是非読んで
いただきたいです!

ダウントンアビーの時代より
かなり後の出来事になります。
ダウントンアビーの1920年代
も貴族や使用人の存在が
危ぶまれていました。

スティーブンスはイギリスの貴族に
使え、著名人と歴史的な会食の
サービスを行ったりしましたが、
今はアメリカ人に使えています。

主人が留守をする事になり
スティーブンスは主人の車を
借りて旅に出ても良いと
言われます。
彼は旅先で一緒に働いていた
女中頭のミス ケントンさん
に20年ぶりに会う事になっていて、
旅をしながら今までの人生
を思い出します。

執事の品格とは?を常に考え
根っからの仕事人間な感じは
まさしくダウントンアビーの
カーソン!
カズオ イシグロさんは
人物を徹底的に分析して
行動や、セリフを考えて
いて、スティーブンスの
回想での彼目線で少し矛盾した
所や、女中頭との会話など、
本当に違和感なく自然です。

ラストにある人から
言われるセリフが印象に
残りました。

“いま手にしているものに満足し、
感謝せねばなりますまい。”

“いつも後ろを振り向いて
いちゃいかんのだ。
後ろばかり向いているから
気が滅入るんだよ。
昔ほどうまく仕事が出来ない?
みんな同じさ。
いつかは休むときが来るんだよ。”

今がいかに大切か。
この本は、人生を40年、50年と
重ねて来た人の方が身に染みる
と思いました。

ノーベル文学賞の受賞記念講演の
本は英語と日本語で書いてあります。
カズオ イシグロさん、
ロックミュージシャンを
目指していたそうで、
作家を目指してどの様に人生を
送ってきたかを話していて
とても興味深かったです。
この本を読んでから作品を読むと
少し視点が変わり面白いかも
しれません。