本当の賢治を渉猟(鈴木 守著作集等)

宮澤賢治は聖人・君子化されすぎている。そこで私は地元の利を活かして、本当の賢治を取り戻そうと渉猟してきた。

外臺(とだい)の悲劇(2/18)

2017-02-20 10:00:00 | 賢治の真実
 外臺の圃場整備が着々と進んでいる。
《1 》(平成29年2月18日撮影)

《2 》(平成29年2月18日撮影)

 さぞかし附近の農家の人達も喜んでいるだろうと思っていたが、私は自分の浅はかさを知った。
 お話しをお訊きしたそのご老人は、圃場整備がされたからといってちっとも喜んでなどいなかった。
 やむを得ずその整備事業に従っているだけであり、米余りの今の時代に何で新たに田圃を作らねばならないのか。そもそも、新たに田圃が増えたからといって肝心の跡継ぎもいない。一体誰が耕すというのか、そしてこの悩みは自分だけではない周りの農家は殆どそうだ。その挙げ句、米の値段はかつての半分以下になってしまった。
と嘆き、
 こんなことをしたって、誰一人農家の人は喜んでなどいない。喜んでいるのは、圃場整備に関わっている土建屋だけだ。儲かるのはそいつらだけだ。
と吐き捨てるように言っていた。
 そうか、そういう図式だったのか。この外臺の圃場整備は農家のためではなく、土建屋のためだったのかということを初めて知らされ、私は頭を殴られた気がした。
 そういえば、この辺りは、
《3 初夏には麦秋が拡がり》(平成23年7月5日撮影)

《4 でっかい合歓木が見事》(平成28年7月16日撮影)

だったのだが、もう二度とこのような光景を目の当たりにすることはできなくなってしまった。

 おそらく賢治は、この外臺のていたらくを見て嘆き悲しんでいるに違いない。だから賢治は言っているはずだ、

    やつらにもうこれからは騙されるなよ。

と。そして私は、賢治の夢を奪ったのが誰かということをよ~く理解できた。

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