目指せ!ツール・ド・モンブラン。

フランス・イタリア・スイスを巡る旅「ウルトラトレイル・ド・モンブラン」UTMB他大会やハワイトレイル、国内のラン旅など。

UTMB体験記~Kさん01~ ウルトラトレイル・デュ・モンブラン2009

2009-09-19 | →UTMB & CCC体験記
2009年度大会では30名を越える日本人がツールドモンブランを走りました。
美しくも厳しいモンブランの旅。そんな旅のドラマを紹介します。

今回は機会あって知り合った方々にお願いして完走記・体験記を寄稿いただきました!
その中からUTMB166Kに出場した蚊取り線香(K)さんの完走記をご紹介します。
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Kさんの登山歴・トレラン歴・レース歴(年数と主な大会名)を教えて下さい
1971年4月中学入学と同時に山岳部に入部し、1998年4月まで谷川岳、八ヶ岳、丹沢、奥多摩を1年を通して尾根歩き、岩登り、沢登り、氷登りとジャンルを問わず登っていました。
1998年5月に登山中の事故で腰の骨を折り足が自由に動かせなくなりそれからは山歩きです。
ヨーロッパではシャモニ周辺の山(モンブランを7回ぐらい、エギューイデュミディ、エギューイデュプラン、エギューイデュビオナセイ)やスイス最高峰のモンテローザ、マッターホルン2回など合計で30ぐらいの山に登っています。

トレランは10年ほど前から年に4-5回、奥多摩や香港の山をゆっくり走っています。
レースはハセツネがたぶん1999年から全部で7回か8回完走、北丹沢は3回完走、あとはおんたけ100kmぐらいです。

KさんがUTMBに出場した「きっかけ」を教えて下さい
ハイキングで楽しかった思い出があったので走ってみるのもいいかなと思ったのがきっかけです。
若いころ登った山々を見ながら走れることも魅力だと思いました。






今回のUTMBに関する文章を残すことになりました。
前半はレースの区間ごとに起こったこと、感じたことを、後半は今後参加をされる方に参考になればと、私の考えている完走のためのノウハウ的なことを書くことにします。※後半は別ページにてご紹介します

・スタート - レズーシュ(8km)

ほかの日本人参加者と一緒に後方からスタートしましたが、8kmの間に抜かれる一方で次回はもっと後ろからスタートしようと思いました。
この区間は走りやすい車道、林道で、唯一鈍足ランナーでも走ることができる区間ですし、ここで走らないと31km地点の関門で引っかかる可能性が大きいです。
8km地点の少し手間で、シャモニ在住の友人にばったり会いここから一緒に歩くことにしました。

・レズーシュ - サンジェルベ (21km)

シャルムまでの登りはゆっくりと、そこからのくだりは早足で歩きました。今回は曇りでしたが、ここは晴れていれば夕焼けで赤く染まるモンブラン山群の景色が最高です。
7ヶ月ぶりの友人との再会で、仕事やらプライベートのこと、共通の知人の消息など話すことがたくさんあり、歩くのは多少手抜きをした区間です。

・サンジェルベ - コンタミン (30.9km)
通過時間05:36:09 順位2080
この10kmは緩やかな登りくだりを繰り返しながら徐々に標高を上げていきます。
基本的におしゃべりをしながら、時々ジョギングを交えた早歩きで進みました。



・コンタミン - バルム (38.9km)
通過時間07:33:43 順位1953
ここから本格的な登りが始まります。相変わらずおしゃべりがメインで歩きのほうはまだまだ手抜き状態でした。ただし二人とも長年の登山経験があるせいか、登りのペースは無意識ですが自分たちにとって理想的なペースで進みました。

・バルム - クロワボンノム (44.4km)
通過時間09:28:08 順位1878
ここの登りは花や山がきれいでとても好きなコースで 夜間で見えないにもかかわらず快調に登りました。
この途中、前後して歩いていたバスク人に、「お前たち話しっぱなしだな、そんなに話していると後半疲れて歩けなくなるぞ」と忠告を受けましたが、無視して話し続けました。
クロワボンノムの少し先で腰を下ろして休憩しました。
腰を下ろして休憩したのはここを含め合計10回でした。

・クロワボンノム - シャピュー (49.8km)
通過時間10:43:37 順位1908
標高差1,000メーター下り一方の道ため、慎重に早歩きで下ります。このあたりから心身にエンジンがかかり始め、心地よく歩けるようになりました。
シャピューのエイドでは焚き火をしておりそばで暖まりました。

・シャピュー - コルデュラセイニュ (60.1km)
通過時間13:25:03 順位1757
今回重点ポイントと考えていた区間のひとつです。具体的には2時間40分で歩くことを予定しており、実際その時間で走破しました。
明け方の薄暗い時間帯で眠気が襲ってきた区間でもありました。
途中眠気覚ましのためカフェインをとりました。

・ コルデュラセイニュ - ラックコンバル (64.6km)
通過時間14:19:23 順位1803
夜が明けて雄大な景色を楽しみながら早足で下りました。
太陽の光を浴びて眠気も取れてきた区間です。
ここの湿原の朝の光景は息をのむほどの美しさです。



・ラックコンバル - コルシュクルイ (73km)
通過時間16:31:39 順位1758
絶景を楽しみながら快調に進みます。
私の友人のほうはNHKのビデオ撮影も頼まれていて、私と話したり、ビデオを撮ったり、彼氏や友人からの激励の電話を受けたりと、歩くこと以外にも大忙しの区間でした。

・コルデュシュクルイ - クールマイエール(77.5km)
通過時間17:31:33 順位1814
快調に歩き続けましたが、この区間でレースを通して唯一のスリップをし、左手を15cmぐらい切ってしまいました。
長袖のシャツを着ていたため幸い傷はそれほど深くなく、ドロンネの体育館に向け順調に進みます。
2晩目の夜の寒さに備え、デポジットした荷物からセーターをザックにしまいましたが、それ以外の装備についてはそのままで、前半のいい流れを崩すのを恐れ、予定していた靴下も履きかえることもありませんでした。
体育館ではサポートをお願いしていたAさんがエイドを作ってくださり、先行していたEさんと三人でおにぎり、漬物、味噌汁でエネルギーを補給しました。やはり日本食は格別でした。
ここでは例外として30分休みました。


次回はレース後半 クールマイヨール~ゴールまでご紹介します。

※ルートMAPはウルトラトレイル・ド・モンブラン公式サイトからのものです
※レース中の画像はUTMBに出場された、はっしーさんにご提供いただきました。ありがとうございます

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