ロータリーエンジンとモータースポーツ その２６

GT-Pクラスには、ポルシェ962、マーチ・ポルシェ83Ｇ、ジャガーXJRなどの強豪がひしめいていた。ローラT161の予選の成績は17位にNo67のハスビー／B.ハイエ／R.クヌープ組、28位にNo6８のP.ホースマー／D.ケスター／R.グレープル組であった。
2月4日15時30分、ペースカーに先導された82台（内15台がロータリーエンジン車）はスタートを切った。１週のローリングを終えた各車は、24時間後のゴールを目指して走行を開始した。
インフィールドは、6万人もの観客で一杯になっていた。バーベキューを仲間とビールやワインで楽しみながらのレース観戦。肌寒いの気候であるのに、上半身を日差しにさらして寝転がっているいる男女。レースのサウンドに浸ってより沿う恋人たち。全てが日本とは異なるレースの楽しみ方である。そうしたインフィールドの向こうのバンクは高速で疾走するレーシングカー、日が西に傾き夕暮れが訪れるころ、2台のローラT161は快調に走行重ね、ジリジリと順位を上げつつあった。
夕闇に包まれるころ、北米ディーラーのパーティがサーキットの近くホテルで開催され、招待を受けて出かけた。パーティでは、RX-7担当プランナーが来たというので、握手攻めであった。女性シンガーのボーカルをバックに、ダンスが始まったのを期にサーキットに戻った。
スタート後、13時間から15時間の間ではNo67が一時2位になるなど健闘し、3位をキープしていた。No68も5～6位をキープしていた。
24時間レースで夜明けは鬼門である。No67がエンジントラブルで戦列を去った。No68は、ギアボックス、ハーフシャフトの交換で遅れはしたものの、24時間を走りきり、17位でフィニッシュした。特筆すべきは、アーゴ・マツダが9位でフィニッシュしたことである。
GT-Oは、No38のマンデビル組がクラス3位（総合14位）、GT-UはNo76のボールドウィン組が優勝（総合12位）でロータリーファミリーは快調であった。
デイトナ24時間レースは、須藤に、GT-Pへのチャレンジ、GT-Oでのポルシェとの戦いを見て次期RX-7(FC)は、ポルシェと真っ向から対抗できるスポーツカーにしなければならないという感を深く心に刻ませるものであった。