真珠を採るために人間が使役している軟体動物。
その霊魂の進化度は、魚類と昆虫類の間くらいだが、人間の仕打ちによって感性が伸び、痛い、と感じ始めている。
彼らが真珠を欲しがるのは、女が欲しがるからだ。それで嫌なことをしたいという思いがあるからである。
真珠を作るためには、アコヤガイは痛い思いをせねばならない。それは異物から身を守るための策なのである。いつまでもそればかりやらされていると、貝類もきついと感じ始める。
彼らの霊魂が、痛いと言えば、人間はもう彼らを虐げてはならない。
真珠の似合う女性はどんどん少なくなる。進化するに従い、人間は虚栄を必要とはしなくなるからだ。
もうそろそろ、真珠の養殖はやめたほうが良い。