大相撲

大相撲についての想い

初場所十四日目

2006-01-22 12:15:40 | Weblog
この日の横綱にはプロの意地を感じた。一昨年秋場所だったかの九勝どまりだった時のように、十三日目の負けで優勝も消え体も痛く、気持ちが切れて残り全部負けて無様な姿をさらす可能性なきにしもあらず、と危惧していた。場合によっては休場してしまうことすらも。特に今場所琴欧州にまた負けてしまうと、苦手を作ってしまうこともあり。しかし、横綱の横綱たる所以、はっきり言って調子のいいときなら立合いすぐ仕留めていたとは思うが、相手の体勢を崩すように腕を手繰り出し投げを打ち、で琴欧州を土俵に這わせた。逆に、琴欧州には今後綱とりが話題になっていくためにはこういう取り組みで風格を見せてほしいと思うし、そのためにはもう一皮か二皮むける必要があるように感じられた。とにかく、今日はあくまでこの前の二番、白鵬-時津海、栃東-北勝力が優勝争いという点で重要な取り組みであったのは間違いない。しかし、優勝の可能性がなくなった横綱と琴欧州の二人がどのような精神状態で臨んでどれだけポテンシャルを出し切るのかという点で、結びの一番もやはり見逃せない取り組みであると思っていた。そして、横綱が心技体のバランスを欠く中でも「心」で気迫の相撲を見せてくれたところに、やはり今の大相撲は面白いんだという満足感がひたすら感じられた。

もう一つ、ここにきて感動しているのが、玉乃島の姿。中日まで一勝しかできていなかった上、一番一番とり終わってから分厚いテーピングをしている肩をおさえてうずくまってしまうような状態だったので、またいつものように三役と平幕のエレベーターか、と見てしまっていた。が、どうだろう、十四日目まで五分の星に戻してきたのは見事な精神力と言わざるを得ないのでは。今場所の経験を経て、新しい何かを掴んでくれないだろうか。横綱大関陣と対等に戦い得て、もしや勝つかも、と思わせてくれる数少ない力士の一人なので何かブレークスルーがあれば三役定着は十分できると思うので。そういう意味で千秋楽の岩木山戦に勝って勝ち越せば、ウラ敢闘賞をあげたい。

しかし、そうなってくると、三役の空席は旭天鵬が落ちる一個だけ。NHKでは露鵬当確と言っているが、仮に露鵬が九勝止まり、筆頭の雅山が千秋楽の相撲で勝ち越せば、雅山が上がる可能性もあるのではないか?ゆえに、千秋楽の露鵬-北勝力、雅山-安馬も見逃せない。

ということでアンラッキーなのが横綱と二大関をやぶった黒海。下位に負けて今日勝ち越しをかけるということになってしまった。悲願の三役はいずれにしても先送り。でも勝ち越せば殊勲賞あげてよいのでは?千秋楽はやはり勝ち越しがかかる高見盛。展開の予想としては、立合い黒海攻め込むも、土俵際で高見盛の例の粘り腰でいつのまにやら体勢入れ替わり、高見盛の勝ちというような画像が思い浮かんでしまうのだが...

勝ち越しをかけての対決、ということでは、若手ライバル対決の稀勢の里-豊ノ島も面白い。十四日目に嘉風に圧倒されてしまった稀勢の里の状況からは、豊ノ島の勝ちのような気もする。

あとは、琴奨菊-北桜戦。北桜は今場所が人生のピークなのでは?十勝したら敢闘賞をあげてほしい。

それから、土佐の海、嘉風あたりは今日勝てば幕の内に残れる可能性も出てくるので、なんとか残って来場所も幕の内でとってほしい。とすると、落ちるのは駿傑、片山、若兎馬、栃栄、あたりか。十両からは栃乃洋、皇司は間違いなくあがるだろう。潮丸、大真鶴、玉春日、琉鵬あたりにとっては千秋楽が大事な相撲になるだろう。その意味で十両も見逃せない。

おまけに幕下も確か八人くらいで決勝戦のはず。とにかく千秋楽まで今場所は見逃せない相撲ばかりで実に満足感が高い。

最後に、三賞予想:
殊勲:白鵬、黒海(勝ち越せば)
敢闘:北勝力、時津海、北桜(十勝すれば)、白鵬(優勝すれば)
技能:安馬

ちょっと大盤振る舞いかもしれないが、今場所は大目に見てもいいのでは。

千秋楽、チケット売り切れでうれしいながらも残念ながらテレビ桟敷観戦だが、北の富士・舞の海コンビの解説で思う存分楽しみたい。