フジコさんが
天国へ帰ってしまった。
GW前のことらしい。
お若いときに
無国籍になってしまった頃の
そのままに
心はずっと
どこの国にも属さず
「お国はどこですかって言われたら
天国だよ、ほんとに」
「だからわたしは
永遠に弾くことができるのよ」
ベジタリアンで
クリスチャンのフジコさんが
ドキュメンタリー番組で語っていた
そんな言葉が
いま、
ピアノの音色のなかに
こだましている。
奔放で
ピュアで
孤独な
フジコさんの美しい魂を
感じられる
柔らかな光のようなピアノと
ほのかな闇を内包した
やさしい絵
大好きでした。
写真は
ニュージーランド、
オークランドのスカイタワー。
トロイメライを聞いていたら
なぜかふと
この夜のことを
思い出して。
ずいぶん前にも
ブログに載せたことがあったけど
バイクの後ろで
アレックスに抱きついたまま
闇雲にシャッターを押した
写真です。
フジコさんが愛した
リストの『ラ・カンパネラ』
La Campanellaとは
イタリア語で
「鐘」
日々の暮らしのなかで、
そして
人生の折々に響きわたる
教会の鐘の音を
表現した曲
人びとは
フジコさんのカンパネラを聞きながら
その鐘の音のひとつひとつに
これまでの人生の
喜びや悲しみのいろいろを
見いだすのかもしれない。
そしていま、
フジコさんのカンパネラから
お別れの鐘の音が
聴こえます。
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