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アメノチハレ

都志見隆の果てしない日々の日常

明日はラジオに出ます

2019-12-19 | 音楽♪

昔の写真などが本棚にかさ張る

本当に大切な写真だけスマホで管理して
そろそろ処分しようかと思う

同じような写真が重複していたり
整理するときしか見ないものなどが
6割以上を占める

友人が車の車検を機に
次はリースにすると言う

単なる移動手段のためなら
絶えず新しい方が便利だ

世の中は物を所有しない方向に進みつつある
必要な時だけシェアしたりレンタルすればいい
とても合理的な時代になった

出来るだけ身軽に
そしてその便利さの傍らで
自分の感受性や生み出す作品については
これまで以上に執着し拘ってゆこう

さて 明日はラジオに出ます

【ミューアのMUSIC LUNCH】



パーソナリティーのミューアとは久しぶり

久々に楽しいトークが出来たら




夢の振り子

2019-11-18 | 音楽♪

振り返れば時の過ぎるスピードは
明らかに自分の感覚よりも随分と早い

2008年暮れ
歌手の竹島宏くんへの楽曲提供を頼まれて
作詞家の松井五郎氏と書きあげた
禁じられた想い」という作品
発売は翌2009年5月

いつもと変わらぬスタンスで書いた歌が
それから何年かして今のレコード会社に移籍後
竹島くんの過去の作品を聴いていたディレクターの
耳に留まった

その「禁じられた想い」の作家コンビで
是非また竹島に書いて欲しいと
ある日僕らに発注がきた

それから竹島くんと僕らの第二章が始まった


2017.

最初の5〜6曲のプレゼン曲の中からの第一候補が
松井氏の詞先で書いた「月枕」だった

今までのムード歌謡の王道なる様式美や
その匂いから少し離れた視点で
歌作りをしてみようと挑んだ

早いな 彼と出会ってもう10年

色んな切り口を模索しながら
結果的に僕らはその歌声を決め手として
景色を描く

僕らが携わって三年目の今年
メインリード曲「夢の振り子」では
NHK土曜時代劇「大富豪同心」のエンディング曲として
とても多くの人たちに親しまれた

「人生は夢の振り子
右も左も人生だって♫」

幾多のキャンペーンやライブ そしてコンサート
毎年この時期になると
彼の歩んできた一年を振り返り
改めてその活動に敬服する

それと同時に僕は僕で自分に与えられた役割を
ちゃんと果たせたのだろうかと自問する

われわれ作家の仕事は
そんな歌手たちが
正面切って戦っていける作品を
しっかり作り出してゆくことなんだ

夢の振り子を振り続けられるように

関連ブログ 「4.02



Co-Write

2019-11-06 | 音楽♪

数年前から始めた他の作家との共同作業

海外ではむしろこのコライト方が昔から主流で
違うアイデアや感性が交わる事で作品の可能性を広げる

僕一人がどんなに頑張っても僕以外にはなれないが
コライトでは得意分野を持ち寄って
うまくいけば明らかに違うエネルギーを作れる

約20年前 僕自身が独立して作家事務所を作った当時
在籍していた一人の作家 Susumu Kawaguchi
数年前からコライト作業を始めた  

実は僕はそれまでコライトにあまり興味がなく
随分と長い間その気になれずにいた

数年前のある日 渋谷の飲み屋で彼が
是非僕と一緒に作品作りをやりたいと申し出てくれたことが
始まりのきっかけになった


オランダで現地のミュージシャンとコライト中のSusumu Kawaguchi(右)

基本的にはトラックを作ってもらって
そこにメロディーを乗せてゆく作業だが
一番の手グセであるコード進行の流れが
自分のそれとは違うアプローチだったりで
たとえばメロディーの質感が同じようなものでも
違った景色になったりする

言葉の彩り そしてデモのモティーフが
何倍もに膨れ上がったパワーのあるアレンジメントのおかげで
出来上がった作品はとても納得いくものになった

今は今の作り方でという一つのヒントを元に
違った曲作りの方法として始めてみたコライトだけど
今更ながら結構可能性を感じてる



2019-8-28発売 初回限定B
2.Smiling Forever
(lyrics:Susumu kawaguchi .Atsushi Shimada  
Music:Takashi Tsushimi . Susumu Kawaguchi)



2019-7-31発売 アルバム「IGNITE」
12.クロサンドラ
 (lyrics:Takahito Uchisaa  
Music:Takashi Tsushimi . Susumu Kawaguchi)



Namidaの結晶
作詞:川口 進
作曲:都志見 隆 / 川口 進
編曲:川口 進 / Atsushi Shimada



ザ・キングトーンズ

2019-02-18 | 音楽♪

幼少の頃 時は昭和の真っ只中
流行りの歌は誰もが口ずさめた時代

職業作家をしていると 
そんなヒット歌手の方々に出会えるチャンスも多い

「キングトーンズ」もそうだった
1968年の大ヒット曲「グッドナイトベイビー」は
当時小学生の僕にも覚えやすく何しろカッコ良くて
あの歌い方を真似て歌ったものだった



1987年にリリースされた「今夜まで待てそうもない」

サントリーの角瓶のCMタイアップということで作曲した
作詞は三浦徳子さん  編曲は本多敏之さん

オリジナルメンバーの一部が入れ替わり
グループとしては第2世代の時期だったと思うが
この曲の発注を受けた時は
そりゃもう飛び上がるほど嬉しかった

いよいよRecordingの日
さ、やりましょうか!と 
リードボーカルの内田さんがブースに入った
すぐさま聴こえてきたあの耳馴染みのあるトーン

頭のてっぺんから空に抜けるようにしっとりと
そして乾いた内田さんの特徴的な声のトーンは
サビから始まるそのフレーズひと節で
一瞬にしてキングトーンズの作品の世界に
仲間入りできた気分だった

小学生の頃 広島の実家のテレビの中にいた内田さんが
なんと今自分の目の前で歌ってる〜なんて感じだよ
僕はそのとき29歳

自分がこの世界に入るずっと以前から大活躍されている
そんな方々との出会いは
あらためて自分が作曲の仕事をしているという自覚を
しっかり持たせてくれるものだった

現在でもそんな歌手の方々にお会いすると
人知れず緊張してしまう
依然としてこの世界に居ることに慣れることができない

今朝のニュースでその内田さんの訃報を知った

思い出したことをもう一度ちゃんと書いておこうと思った

内田さん ご一緒できて光栄でした

どうか安らかに

4.02

2019-02-13 | 音楽♪

テイチクレコードの竹島宏くんの作品
「恋町カウンター」で松井五郎氏が
昨年のレコード大賞の作詞賞をいただいた

その前作の「月枕」(2017)から新たに
松井氏と(以下Goro)タッグを組んでの竹島くんの歌書き

作家同士がまずどんなものを作ろうかとやり取りしながら
詞先で書くもの そして曲先のものと取り混ぜて
毎回複数作をプレゼンする

生みの苦しみは当然あるが
だからこそ新鮮で新しい突破口も見つかる
苦しみはむしろ至福の作業だ

その中から選曲しレコーディングした作品を
一年という時間をかけて竹島くんが歌う旅をする



僕らが手渡したタスキを次は
ご本人そしてメーカや現場のスタッフが
しっかりと受け取り一人でも多くのお客さんに届ける作業

竹島くんが歌い続けてくれるおかげで
前作の「月枕」はゴールドディスク賞にも輝いた

久々のGoroとの打ち合わせの終わり際
これはそんなチームのみんなで取った賞だからと
作詞大賞の記念に特注したという砂時計を
まずは僕へと渡してくれた

4.02というのは「恋町カウンター」の楽曲タイムにあたる
4分02秒
4分02秒をかけて物語を終えるように
砂が落ちきった

どんな歌も時間にすれば5分に満たない

そんな一曲の中に
たくさんの時間と
色んな人の気持ちがいっぱい詰まってる

どうせならサインも書いてちょーだいよと
喫茶店の片隅でキャッキャ言いながら
ササッとひと筆

あの日あの時にあーでもないこーでもないと
頭を掻きむしりながら書いた曲が
竹島くんの代表作の一つにもなり 
こうしてまた僕の仕事場に戻ってきた

素敵な贈り物をありがとう

こんなに嬉しいことはない


Remember 埼玉

2018-10-19 | 音楽♪

僕がこの音楽の世界で生きたいと思ったきっかけの
最たるものがあのキャロルというバンドの出現だった
1972年 僕は中学2年生

確か広島にキャロルが来たときに配られた
コンサートのパンフレットのようなものだったと思うけれど
そこにメンバーひとりひとりのコメントがあったのだが
いまでも強烈に覚えているのが矢沢永吉さんの

「沢田研二以上のスターになるんだ!」という見出しだった



矢沢さんがソロになって最初のツアー
キャパ1500の会場に200人しか入らなかった佐世保
おまけにスタッフやイベンターは客埋めのため
街に出てタダ券配り始める始末

情けなくて悔しくてそのステージ立って言った

今日来てくれたお客さん あんた達は幸せだよ
なぜならヤザワ今から最高のステージ観せるからって
汗だくでケツ振って歌ったらしい

その出来事以来 スタッフ達と [Remember佐世保] を合言葉に
2年後 その会場をパンパンの超満にしたという印象的な話がある

声 作品 そしてヒット曲だけに限らず
多くのファンやリスナーも歌手にとってのかけがえのない財産

当時YAZAWAの歌や存在に支えられたファン達が
長い年月をそのアーティストと一緒に歩んで来て今がある
来年古希を迎える永ちゃんだが
今だに汗だくで走るステージを見てつくづく思う
この人に出会えてよかった

7000人のファンを集めて開場前にドタキャンのニュース
ワイドショーではイベンターの不手際かとか
アーティストの気持ちもわかるとか
多少のワガママもスターの証しだとか... えっ!?ってなる
僕にはとても不思議なコメントばかり

待ちに待ったアーティストの歌を聴くために
遠くから足を運んだ人たち
いつになく得した気持ちになるくらい
みんなを魅了して帰してほしかった

それが愛で それが仕事 そこがPRIDE

僕はそんな気持ち 

ぼくも一端のファンのひとり なんだか悔しい

秋日傘-2018-

2018-10-17 | 音楽♪

すっかり朝晩が冷え込む季節になった

先日観た「日々是好日」という映画の中でも感じた事だが
僕はこの四季のある国に生まれて良かったと
何かにつけ思う事が多くなった
 
四つの季節から受ける恩恵をもっと大事に噛み締めたいと
そんな風に真面目に思ってしまう自分がなんだか可笑しい

この季節は死にそうな夏の猛暑に耐えた身体を整えて
やがて訪れる寒い冬への準備をしよう



さて 先月のことだが
Vocalistの中西保志とメールでやり取りした際に
今年の6月NHKの「うたコン」でのステージにて
「最後の雨」を氷川きよしくんと一緒に唄った時の
様子について書かれていた

氷川くんは高校生の頃に聴いたあの曲に
純粋な憧れと思い入れを持ってくれていたらしく
「今をときめく人にそう言われると
何か面はゆいというか、
一緒に作った作家の方達までも褒められているようで
とてもいい気分で歌うことができました」とあった。

1992年発売 中西の代表曲でもある「最後の雨」
発売以降 色んなアーティストにもカバーされている
彼の歌声そのものが無二のマスターピースとして
人の心を掴んだ結果なのだろうと思う
そして今でもあのギリギリな感じで唄う姿には
僕自身もいまだに胸を打たれてしまう事がある

そんな中西保志のもうひとつの季節がやってきた

2013年からはじまった曲作りから
何もかもが一本の木に巻きつくように
2015年「秋日傘」のリリースが叶った

その一本の木が中西の歌声だった

このブログでも何度も述べているので詳細は割愛するが
作詞家の康珍化氏と完成したこの作品を
最終的に中西が唄ってくれたことから始まったこの歌の旅

震災で娘を亡くしたおばちゃんとその風景
何年経っても癒えることのない悲しみならばせめて
その心にそっと寄り添えるような歌を一緒に作りませんかと
康氏がまず詞を書いた

毎年10月が来ると僕はこの歌の事を書きたくなる
この歌の事を一人でも多くの方に知ってもらえるなら
毎年ここに書く意味もある
そして中西がくれたメールの最後も
そんな気持ちで締めくくられていた

「12月に福島でライブがあります
今年も「秋日傘」を歌ってきます」


「秋日傘」
「秋日傘2016」
「秋日傘2017」

なんとも静かに そして深く

2018-10-15 | 音楽♪

「輝け隣太郎」というドラマがTBSで放送開始されたのが1995年

その主題歌としてドラマのキャストでもある唐沢寿明くんと
先日他界された樹木希林さんが唄ったデュエット作品
「二人のすべて」(1995.11発売)が発売されるにあたり
後にも先にも一度だけ そのレコーディングの際に
スタジオで樹木さんにお会いした

ダンステイスト寄りの作品で軽いステップなども踏むため
メロディーの音数を少し減らして唄いやすいように
特に樹木さんのパートはその場で譜割を調整しながら
細かく録音していった
そんなに長く時間もかからず
レコーディングはとても和みながら進んだ

当時の樹木さんは50歳台初頭
たくさんのスタッフと共に
賑やかにスタジオ入りする歌手の方などとは対照的に
お一人で静かにスッとスタジオに来られて先ずは一礼
深くお辞儀をされたのが今でもとても印象にある

         

さて、そんな樹木さんの遺作となってしまった映画

     「日々是好日」



茶の道を通して描かれる四季折々の映像と音
そして物語を構成する様々な句や台詞
この映画のタイトルと同様に
あるがままを良しとして生きる姿勢は
樹木さんの生き方そのもののようだと
映画を観ながら感じていた

劇中の台詞にもある
一年一年同じように繰り返し迎えられる事の喜び
というものを今一度ありがたく噛み締める

エンドロール終了後も
心はまるでゆっくりとヒーリングされたような
不思議な余韻にもう少しだけ浸っていたい感覚だった

スクリーンの中のご本人が
もうこの世に存在しないという現実は
まだまだ実感として湧いてこない
がしかし残された数多くの作品と一緒に
観た人の心にずっと生き続けるに違いない
樹木さんの存在

自分の持つ五感の隅々まで
なんとも静かにそして深く動かされた

いい映画だった




歌詞が先の場合

2018-10-08 | 音楽♪

歌詞が先にあって曲をつける場合
どんなものでも実は5分もあれば形にはなる
それで良しと思える場合は おそらくそれが正解

だがしかし なんとなく突き抜けてないとか
気持ちが良くないと感じる場合は
メロディーの詳細よりも
ブロックからブロックへの流れが
ブロックとブロックのメロディーの関係が
上手くいってない場合が多い



歌詞そのもののレベルが低い場合
これはどんなにやってもいい歌にならない
全体を決めてるトーンの中に
いきなり違う色合いの言葉が現れたりすると
もう悲しくなるほど絵の描きようがない

かつて作詞家の夏目純が言ってた
「いいメロって、そこに言葉が一緒について来てるのよ」

歌詞が先の場合も、同じように感じることがある
いい作詞家が書く歌はリズムを持つ

何がなんでも先頭から曲をつけるわけではなく
たとえば情感を感じる言葉やグッと歌い上げたいフレーズ
すでにメロディーを抱いているブロックなどから
書き始める場合も多い

5分でできる歌は歌詞のアシストのおかげだと思っている

歌詞が先にある場合
こちらの都合で字数を増やしたり減したりの
リクエストは基本的にしないようにしている

何故なら、その文字数や選ばれた言葉が
メロディーの方向性の決め手になるとしたら
まずはそのままの形で戦うのが礼儀だと思っている
むしろ変更できない枠組みがある方が戦いやすい

作詞家がその作品を書いた狙いや意図が
曲調を決める大きなヒントにもなる

人それぞれ作品にかける時間や書き方には差があるが
僕自身 預った作品は鮮度があるうちにできるだけ早く
形にしてお返しするという姿勢でありたい

曲が先の場合

2018-10-08 | 音楽♪

大事に大事にひとつずつ積み上げてゆくよりも
頭に浮かぶものをどんどん出して言って
そこから要らないものをザックリ無くしていく方が
いい作品になる

ピアノメロを入れてみるのは最初だけで
景色が見えて来たら 早目に自分の声で聴いてみる

唄い方も含めて その声メロを基準にすると
うまく行く場合が多い

ただ
歌った流れの良さは大きな決め手にはなるが
あくまでそれでだけはワンパターンになりがち
歌う人の息づかいや唄い方の特徴も
充分にイメージすることはもちろん大事



曲っていうのはバランスが取れてることが
いつも良いわけではなく
例えば健康体以外の美しさの方が
魅力的な場合も多々ある

一旦完成しても作っている場所とは違う環境で
必ず聴いてみるのもいい
その曲がどうなのかが客観的にわかる

僕にとっては車の中が絶対的な場所
こういう風なメロの流れがあったのか!と
嘘のように目の前がひらけてゆく
そのままボイスレコーダーにメロや変更する要点を
メモしておいて仕事場で実行する

そんな作業を何度か繰り返して推敲し
最終的にこれで良しとする

そしていちばん大事なのは
必要以上に時間をかけないこと

それ以上にいいものは出来ないか?

出来ない

数は書けても決め手がないから 
それがイケてるのかそうでないのかも
わからず堂々巡りをするだけ

時間をかけるのはむしろ
普段聴く音楽の中のアイデアに
気づいてゆく作業かと思う

色んなジャンルの音楽の良さを
自分の中に取り込んで引き出しに入れとく
そこが空っぽなほど時間はかかるしかけたがる

同じクオリティーなら早く作れる人の方がいい
僕がクライアントなら迷わずそちらに発注する

歌モノ

2018-08-29 | 音楽♪

ところで
発売日当日にもう新曲を唄って
YouTubeにupしている人がいる

例えばカラオケ屋などで
(YouTubeにおいてもそうだが)
楽曲によってはプロモーションムービーとして
発売日前に紹介されるからだろうか

色んな歌がある

え〜メロディーそっちに行くの〜?

自由にフレーズが飛び回る

難しそうなフレーズはスルーして
耳慣れた感じに変えてみたり

それこそプロよりストレートに
伝わる歌があったり



曖昧なまま唄っているところが
実はその曲の大事なパーツだったりすることもあり
ちょと残念な気持ちになることもある

もしかしたらその間違ったメロの方が歌い易いのか

なんて考えてもみるが
ん〜〜、やっぱり違う

いい曲だけどメロディーがむずかしいなんて
昔から、今でもよく言われる

ディレクターレベルの話から
もちろんカラオケファンからも

そこはいつも戦いだが
唄ってもらえるように
耳馴染みがいいようにという意識よりも

プロとアマチュアの間に
ちゃんと差が出るレベルの作品を
という思いで書いている

プロアマ歌い手聴き手を問わず
待ってました!こんな歌がほしかったんだよ〜と

何しろそんな作品に仕立て上げる
突破口はないものか

曲を書きながら
いつもそこに自分の役割を探してる

特に歌モノはその予定調和を
ちょっと裏切る心地良さが

鍵なんだよな

最後だとわかっていたなら

2018-06-25 | 音楽♪

約30年前に一度だけお会いしたことのある方で
それ以来僕の書く作品を楽しみにしていてくださっている
そんな方から先日も手紙を頂いた

「お元気でご活躍のことと思います
最後だとわかっていたなら
仲間にCD廻して皆さんともて気に入り
それぞれ明日ともしれない年齢に差し掛かっているので
想いは同じ...
後悔しないために今日という日を精一杯生きようと
皆で話し合っています
先月は仲間の一人が亡くなり〜」

と便箋に5枚ほどびっしりと近況が書かれていた



終活ということで不要な荷物など処理しているので
広々とした家で何もないが
時間があったら遊びに来てと言われていたけれど
自分の体調や都合でついついあとまわしに

こんなに早く別れが来るとは思ってもいなくて
今はとても後悔している と

最近は終活という言葉もいろんなところで聞く

死は決して年功序列に訪れるわけではない
自分の身にどんな災いが訪れてもおかしくはない
もしかしたらそれが明日だってあり得る
そんな心がまえで
毎日を生きる覚悟が必要かも知れない

先日の大阪の地震からもそんな事を感じた

最後の便箋にはいろんな作品のこと
「最近の歌は中々覚えられませんが
若いころ覚えた曲は絶対忘れません
ふと気がつくと口ずさんでいたりします
年を重ねると
古いものから忘れてゆくものかと思っていましたが
どうやら違うようですね
今現在の事を忘れがち 困ったものです」

くれぐれも元気で頑張ってくれとあった

届けなきゃね いい歌 


いい塩梅に

2018-06-21 | 音楽♪

後輩がメールをよこす

「都志見さん、梅干し作りもいいのですが
音楽的にいま僕に足らないものなど教えて頂きたいです」

その後輩、近年何だかとても売れっ子らしい

僕の何倍も我慢強く数多くの不運を乗り越えてきた

そんな姿をきっと誰かが見ているはずだと思っていたが
ほらみたことか 長い年月を取り返す勢いで
彼の元には いい仕事が舞い込んで来るようになった

かつての時代を思えば
頂けるどんな仕事だって感謝とともに頑張れると
汗でテカるへちゃげた小鼻を一段と膨らませて
レモンハイをおかわりする姿は
数十年前と変わらない

遅咲きでもなんでもなく
それが彼の生まれ歩んでゆく道筋

成功というものをどこで線引きして何が幸せでなんて
そんなことは本人だけが感じ得る領域でしかない

その後輩 今では真っ赤なマツダが鎮座した新築の持ち家に
防音部屋を完備してそこで仕事をしてしているが
それはむしろ不遇の時代を共に歩んできた奥さんへのご褒美という

以前より一段とパワーアップした彼の最近の作品を聞きながら 
その音楽性に驚いたり 何年経っても昔と変わらないフレーズに
思わず笑ってしまったり

守るものと壊すものとのバランスも良く
どの曲もプロとしていいあんばいに響いてきた


で、そんな売れっ子にもその都度悩みはあるらしい

一気に目の前が晴れてゆくように何かに気づける時もあれば
やればやるほど客観性に乏しくなるのも僕らの仕事


「最近、お前の作品 何だかつまんね〜な」

僕がまだ30歳前あたり 
そこそこ曲が認知され始めてきた時期に
東京の父として慕う方にそう言われたことがあった

「なにかもう一つ足らないんだよ。それを見つけない限り
いつまでたってもアルバム用の曲だな」

当時の時代性が見える言葉だけれど
もっと聴き手を裏切ったものを書いていかないとダメだと
いうニュアンスの意味を持った言葉だった

心底ヘコんだ

なるほど、そういう切り口で音楽を聴いているのかと
その後の創作に大きなヒントになった。

僕自身も足すことばかりで構築していたものから
必要なものだけ残してひき算した音楽の心地良さに
ここ最近改めて気づいたりと
今なら少しはタメになる話ができるかも

さて、毎年この時期には
母が漬けた梅干しとらっきょうを送ってくれていたのだが
高齢ゆえ昨年で終わりにすると宣言していたのを思い出し
それならと今年から僕がやってみることにした

小梅で漬ける塩のよく効いたあの昭和の梅干し

僕にとっては長く聴いているなじみ深い歌のようなもの

毎日のように必要ではないが いざ無いとなると困るのだ

と言うわけで ついでにらっきょうも漬けて

おかげさまで 今年もいい塩梅に
 

喜楽にいくぜ!

2018-05-10 | 音楽♪

何ヶ月も前から計画しているのに 
よりに寄ってどうしてその日だけ雨に降られるんだろ

昔から たぶん雨オトコ  
たまたまかと思っていても たまたまがここまで続くと
さすがに きっと雨オトコ

たとえばゴルフ

つい先日もけっこうな雨オトコぶりを発揮
やめるか決行かの2択で最終的にキャンセルしたのだが
行けばよかったと実は半分後悔した。
同伴予定だったメンバーと夕方早めから会食で集まって
次回の日程を合わせる
次はもう雨が降っても槍が飛んできてもやりましょう!
とゆるぎない決意で締めた

あ〜また雨か。。ではなく 
もっと雨を楽しめたら それはそれで気も楽になる

あるがままの状態に対処して
リスクを最小限におさえ 
いかに少ない打数で上がるかを競うのがゴルフだ
最高もあれば最悪のコンディションにだって出会う。
プロではないが その精神には真摯でいたい

たまに晴れオトコに助けられ
雨が止んだりその上
雲が割れてお天道様が顔など出そうものなら
なによりのご褒美だ
やはり来て良かったですね〜ってなったりする


自律神経のバランスを崩して
とにかく人混みが苦手だった時期がある

ゴルフを始めたのも実はその対処としてで
広大な緑の中で鳥のさえずりや風のささやき
草木の香りなどに触れることでだいぶ改善された

たとえば大きなホールのコンサートなどにお誘い頂くと
もう最初から心臓バクバク 席に座った途端から
曲など聴いていても実は上の空

もう一回便所に行っておけばよかったかとか
気分が悪くなって周りに迷惑かけたらどうしようとか
そんな事ばかりをずっと考えてる

それが不思議なものでコンサートが終焉に近づくにつれ
嘘のように腹が減り呼吸が楽になるのだから

そんな状態が3〜4年続いた

情けない自分に何度も落ち込んだ

とは言え振り返れば
あのヘビーで脆いメンタリティーの時代から現在まで 
なんとかなってきたわけだ

当時はいつも自宅を出る前
その日誰かと約束した事を後悔していたが
あ〜やっぱり行かなきゃ良かったなんて思いながら
帰宅したことは何故か一度もなかった

そんな経験から それなら自分に流れる時間を少しでも
いい時間に変換して過ごしたいと思うようになった

体力が落ちると気力も弱る
何でも歳のせいにするのは手っ取り早いが
雨でもやる気満々オヤジでいなけりゃ
それくらいのストレスは抱えなけりゃ
ご都合主義の張りのない毎日になりそうだ

物事の見る角度を少しだけ変えて
苦難も楽しめるようになれといつも脳に命じる

さて今日からはまた 
自由奔放で実に難しいお題の曲発注を前に
まだまだ試練は続きそうだ

心にハチマキ巻いて喜楽にいくぜ!

ラジオ深夜便3月31日最終回

2018-04-11 | 音楽♪

ラジオ深夜便 オトナのリクエストアワー


テーマ 「私のハッピーソング」2018.3.31


リスナーからのリクエスト


① 明日の私           竹内まりや
② きみの朝           岸田智史
③ 4×4           Cocco
④ アップタウン・ガール   ビリー・ジョエル
⑤ エイント・ノー・マウンテン・
  ハイ・イナフ"       マービン・ゲイ&タミー・テレル
⑥ エイプリール・フール   ディオンヌ・ワーウィック




<都志見隆選曲とコメント>

1.★「あなたには守ったものがある」  上間綾乃 

何か社会に貢献したとか、何か大きな事を成し遂げたとか
言葉にして語れるほどの生き方でもなく、
平凡にひたすら、家族を支えて来た父や母の姿は、神々しい。
生きる、ということの尊さ、そして、その難しさを痛感する
今日この頃

「名もなき花の豊かさよ 誇らぬ人の清しさよ」
という歌詞がとても心に響く。

作詞:康 珍化(かん・ちんふぁ) 作曲:都志見 隆



2.★「We are No PLAN2 ~ささやかな幸せ~ 」
NO PLAN  

日々日常の中にあるちょっとした事にも
幸せを感じることができたなら、
人生はどんなに豊かで奥行きのあるものになるだろう。
この歌のような心持ちで生きたい、と思う。
心がほっこりする、という表現が一番似合う歌。

これまで作ってきた作品の中で唯一
タイトルに「しあわせ」という言葉がある楽曲でした。


作詞:内村光良とゆかいな仲間達&榎土敦之
作曲:都志見 隆



3.★「僕は君を連れてゆく」  SMAP   

“ある女性のこんなツイッターを見つけました”
と後輩から連絡があった。
そのツィッターとは・・・
「幼稚園の頃にこの歌を好きになってから
10年以上も曲名も歌詞も思い出せず、
メロディーだけを口ずさんでいた。
高校生になったある日、歌詞の一部を思い出し
検索してやっと曲名を知ることができた。
昨年、自分へのご褒美に、自分にとって特別なその歌の
楽譜を買ってピアノで弾いている」というものだった。

歌を送り出したその先には聴く人それぞれの物語がある。
作家はいつもそんな話に勇気をもらう。

作詞:工藤哲雄   作曲:都志見 隆



4.★「君がいてくれたから」 中村雅俊  
(平成26年 7月~9月「深夜便のうた」)

そんな風に人を想える時、
そして、そんな風に人から想ってもらえることが
できたら、何て幸せなんだろう。

先日、中村雅俊さんのコンサートでこの歌を聴いて
最終回、最後の曲に決めた。

この放送を聴いてくれた人を含め、
私の周りにいてくれる全ての人たちに
「ありがとう」の言葉と共に贈りたい。

作詞:松井五郎   作曲:都志見 隆


      

残念ながら今回でこのコーナーも最終回となってしまった。

約1年間にわたって番組に出演させていただいたおかげで
自分の作品を振り返ることができ
改めて音楽というのはどんな時代にもどんな世代にも
人を成長させてゆく力を持つものだなあと感じた。

だからこそ 送り出す作品に力がなくてなならない。

番組後半には作詞家の松井五郎氏にもスタジオに入ってもらい
予定の曲を一曲減らして色々と話ができた。
おかげでとても暖かい雰囲気での終演となり
最終回にそっと花を添えていただいた。

喋る事は上手ではないが、嫌いではない。

音楽を通して今回のような語れる場所があるなら
またいつかやってみたいと感じています。

短い期間ではありましたが
大変ありがとうございました。