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アメノチハレ

都志見隆の果てしない日々の日常

いろんな区切り

2018-03-06 | 音楽♪

いよいよ3月

毎年のように今年も彼岸には帰省予定だ。

ちょうど同じ時期 名古屋で仕事があるので
その足で広島へ帰ろう。

毎年8月のお盆と3月のお彼岸の帰省であるが
海外にいた時期を除いては
これまで一度も欠かしたことはない

母の父と父の母 
それぞれが両親の幼い時期に亡くなっていたこともあり
夏休みに両方の里に行く度に墓に出向いていたことが
習慣として身に付いた。

最近までは愛犬と一緒の生活だったので
病院に預けて連泊するにしても
長くて2泊3日のスケジュールであった。

そんなワンコ達を見送ってから
はじめての彼岸の墓参り

せっかく愛犬たちが与えてくれた時間なので
今回は少し長く両親たちと過ごそう

丁度いいタイミングなのだが
今年の3月13日は両親の60回目の結婚記念日にあたる

そして僕らも今年で還暦を迎える

これ以上のいいオケージョンはない

今からだと予約が取れないかも知れないから
祝いの席は8月のお盆の時期にするか?と訊けば
「夏のことはかわらん。元気でおらんかもしれん。
思い立った時がやる時よ。」と母が言う

86歳になる父だが今月の車検を区切りに
いよいよ車を手放すという

あれだけ「自分はまだまだ大丈夫」と頑固だった父も
自分からもうそろそろ運転も終わりにしようと言い始めた

ブレーキなどの踏み間違いなどで自分だけならともかく
人を危める危険性があるからとかねてから心配していた

運転しなくなれば心配がひとつ減るが
あらためて親父が車を卒業すると訊くと
それはそれでなんだか切ない気持ちにもなる

時間は後戻りしない 
老いとはひとつひとつ手放しながら前に進むこと

そうだね それも大きな区切り

22年前に生まれた甥も今年から社会人だそうだ
仕事が始まればまた生活も変わるし 
いい区切りだからと
今度の彼岸には広島に寄ってくれると言う

それぞれが いろんな区切りを迎えるこの年

そんなこといろいろ ご先祖さまにご報告

Nekoizm

2018-02-22 | 音楽♪

夜遅くに帰宅するとポストにアマゾン

しかしこのスピード感は凄いな。
昼前にクリックしたCDが夜には届いている。

友人である作詞家の及川眠子のこれまでの集大成
ネコイズム〜及川眠子作品集」という二枚組30曲。

作家活動が始まったのもほぼ同じような時期から
これまで歌の世界を歩いてきた信頼できる作詞家で
いわば同志のひとりだと勝手にそう思っている。

そんな彼女の馴染みのある歌から初めて聴く歌まで
昔の旅を懐かしく思い出したり
まだ行っていなかった国に訪れるように
あっちやこっちと読んでみる。

CDジャケットや曲順 そしてライナーノーツ。
パッケージの中にさまざまなストーリーが
丁寧に収められ それはさながら
歌の地球儀のようだ。

さて 及川眠子
ズケッと言われてグサッとくることもよくあるが
腹が立たない。
言ってることが当たっているからだろう。
人のことよく見てる。

飾ってみせたところで
どうせ見破られるとわかるから
自然に力が抜ける。
彼女のその気取りのない接し方は
人を楽にさせる。

〜クロールクロールしてわたしをつかまえて〜
(三浦理恵子「水平線でつかまえて」)
なんていうサビのフレーズを聴くと
ひょっとしたらそんな乙女も
及川眠子の中にいると思う時だってある。


「いかに自分らしくないものを書き続けられるか。
もっと言えば、
過去の自分を裏切るものを書いていけるかが
作詞家の値打ちを計るとも思ってる。
そして私の代表作はきっと未来にある。
そう信じてこれからも歌の言葉を紡いでいきたい」
              (一部抜粋)


ライナーノーツの1ページ目にそんな言葉があった。

才能ある作詞家は僕の言いたいことを
いつも先に言ってしまう。

あ〜カッコイイ。

及川眠子のネコイズム。

うん。サイコー!

2018-02-16 | 音楽♪

久しく会っていなかった後輩と食事をした。

「どう?最近」

「色々とやっています。
でもなんなんでしょうね、
たとえば出来上がったものに
もっとピコピコとか入れて派手にしてくれとか
平気で言ってくる そんなプロジェクトの中にいると
本当に精気を殺がれます。」

彼は作編曲家
ミュージシャンを含めて
製作をコーディネートしている案件も多く扱う。

「出口の見えない音楽だらけで
どこを目指して作っているのだろうと。。」

彼は酒を飲まないからイタリアンの前菜も
なんだか和定食のおかずのような食べ方をする。

「きれい事に聞こえるかもしれませんが
音楽制作にかかるお金を削らなくていいように
他でかかる経費をできるだけ抑えて
いい作品を作りたいなんて
そんな雰囲気の現場は稀少です。」

ヴァイオリンなどは生楽器入れなくたって
シンセで充分でしょ?
なんでそこにわざわざ人をいれて
お金をかけるのですか?なんて
そういう価値観なのだそうだ。

「かといって、制作費がないわけではないんです。つまり、
いまの時代 音楽はそんな程度で出来てしまうんでしょ?
っていう認識に心がなえるんです。」

好き嫌いはあれど僕らが耳にしているものは
どんなジャンルのものであろうとも
その最高を目指した結果であると信じたい。
最初からこんな程度でいいのでという音楽のどこに
携わる理由や魅力を感じることができるのだろうか。

チカラのない音楽に心をむしばまれないよう
早くそんな現場からは脱出すべし。

親がすすめた公務員やサラリーマンの道を選ばず
この仕事にこだわった理由があるだろう。

そのとき偶然ラジオで聴いた音楽に
胸を撃ち抜かれたような衝撃を感じたことや
あるアーティストの歌に
心の底から湧き上がる感動を覚え
自分も、もしかしたらそんな感動を
作り出す担い手になれるかもと信じたからだろう。

人の心を動かさずして 
この仕事に始まりも終わりもないじゃないか。

          

そいじゃあな!と、車で送ってくれた後輩に礼を言って
そそくさと部屋に戻った。

いよいよ始まった平昌オリンピックのフィギュアスケート

羽生結弦くんのSPの演技を
テレビの前でコートも脱がずに突っ立って観た。

ショパンと陰陽師がひとかたまりになる。

観客の想いを全部受け止めて
そして見事にはね返した。

思わず自分も柏手(かしわ手)の連続の様な拍手をしてた。

小学校の頃 広島東洋カープが巨人を負かした時の
親父の真正面からの拍手になんだか似ている。

シンプルで美しく見えるものほど 
巧みさはその裏にジッと潜む。

高みを目指さすということはその領域。

繊細に作り上げてきたからこそ大きく跳べる。

音楽もまた然り。

渋谷にて

2018-02-04 | 音楽♪

久しぶりに渋谷駅から公園通りを上った。

ビルの下にもビルが建つ勢いでどんどん様変わりしてる。
渋谷の街は次の未来に向けてメンテナンスのまっ最中だ。



そんな渋谷の真ん中で以前から誘われていた新人の
女性アーティストのライブを観た。
のっけからテンション高くスタンディングで盛り上がる。
トークも照れなく真っすぐで堂々としてる。
ちょっといい事を言おうとして
結局喋れなくなるボクとは大違いだ。

でも、なんだろう。肝心の作品だけど
僕にとってはとても言葉が多い歌ばかり。
メロディーの骨組みがわかりづらい。
ちょっとしたフェイクもメロディーの一部になって
曲の最後まで多過ぎる音符と言葉がギシギシ鳴ってる。

最近のガールズポップのメロディーの傾向なのか
ルートや5度の音にファルセットでよく飛ぶ。
コードが動いてゆく中で同じフレーズを繰り返す作り方。

耳触りは悪くないがどの曲も当然のごとく余韻が残らない。
メロディーと言葉の間に特別な関係がないからだろう。

息が足りなくてそんなに苦しいなら
もっと言葉を端折ってしまえば。
ダラダラと歌っていることを
1行のいい詞に変えてしまおう。
1行の詞をひとつの言葉にしてみよう。
そしたら間(ま)をとれる。
歌はその間が景色になって聴き手の心に焼きついてゆく。

10年経っても唄っていれるように
まずはその1行を見つけ出せたら。

そうやって丁寧に紡いだひとつひとつの言葉が、
歌っているキミにも聴いている彼らにも
特別なものになってゆくのだから。

ラジオ深夜便1月13日出演回

2018-01-16 | 音楽♪

ラジオ深夜便 オトナのリクエストアワー


テーマ「心に灯りがともる曲」2018.1.13


リスナーからのリクエスト


① 生きてみましょう        竹島宏
② それはスポットライトではない  浅川マキ
③ ニューヨークシティーセレナーデ クリストファークロス
④ トップ・オブ・ザ・ワールド   カーペンターズ
⑤ 哀愁のヨーロッパ        サンタナ
⑥ ワンス・トゥワイス       大阪昌彦





<都志見隆選曲とコメント>


1.★「空に星があるように」 Begin

1966年 荒木一郎さんのデビュー曲
歌謡曲全盛の時代 両親が共働きの全盛時代を思い出す。
土曜日にはきまって近所のお好み焼き屋で食事をしたな。
お好み焼きが70円 コーラやファンタが30円の時代。
50年以上も前の歌をちゃんと今に引き継いでいるアーティスト達が
たくさんいる。
荒木さんは詞曲歌というシンガーソングライターの第一人者。
コード進行もとてもモダンに作られており
子供時代に聴いたシンプルなメロディーとせつない歌詞はずっと
心の中に残ってる。



2.★「This never happened before」 Paul McCartney

映画「The lake house」の中の挿入歌
2000年の韓国映画「イルマーレ」のアメリカリメイク版。
違う時間軸の中で手紙をやり取りする二人の物語
アメリカ版は映画としてはつじつまが合わないシーンなど多いが
娯楽としては楽しめるかも。
この曲のコード進行 メロディー 構成など
ポールならでは。
切なくそして心がフワッと温まる名曲。


3.★「over the Rainbow」 Nilson (You’ve Got Mail Score)

1998年のアメリカ映画 [You’ve got mail]の
エンディングでかかる作品。
数ある同曲のカバーバージョンの中でも好みの一曲。
色んな人が唄っている同曲だが、とくにこのバージョンが好み。
エリッククラプトンのテイクもいい。
ハリウッド超大作よりもむしろ
日常に起こる出来事を坦々と描いた映画が好みだが
そんな映画だからこそ、いい音楽は名シーンといっしょに残りますね。

4.★「清流(父へ)」 吉田拓郎

2012年 アルバム「午後の天気」より
「あなたの家族でいたことを
誇りに思える時だから
叶わぬ願いは求めすぎず
運命の川を流れよう」
なんだかこの歳になってようやく色んな事がわかりはじめて来た時
先述の歌詞がとても胸に響いた。

若い頃は父と誰かを比べてみたり 
一生懸命育てていただいたにも関わらず
とても無礼を働いたな。
この歌を聴いたとき何故だかなんだか肩の荷が下りた気がした。


       

さて、今回で5目の出演でした。
今回は選曲も含め年末ギリギリまで苦戦。
色々なラインナップを揃えすぎたのが原因。
やはりポイントを絞ってコメントできる言葉選びと
対応力が課題ですね。

引き続き次回に反映させたいと思います。


2月と3月は「私のハッピーソング」
というテーマでリクエストを募集しています。

曲にまつわるエピソードなどを添えてハガキ、
またはメールでお寄せください。





次回の出演は2018年 3月31日です。

ラジオ深夜便11/18出演回

2017-11-21 | 音楽♪

ラジオ深夜便 オトナのリクエストアワー


テーマ「夜のしじまに聴きたい曲」2017.11.18


リスナーからのリクエスト


① ハナミズキ           一青窈
② メリー.ジェーン         つのだひろ
③ 愛はきらめきの中に       ビー.ジーズ
④ ウィアー.オール.アローン    リタ.クーリッジ
⑤ ゼイ.セイ.イッツ.ワンダフル  ジョン.コルトレーン&ジョニー.ハートマン
⑥ プレリュード.ホ短調      ジェリー.マリガン セクステッド





<都志見隆選曲とコメント>


1.★「I’D WANT IT TO BE YOU」 
バーバラ・ストライサンド With ブレイク・シェルトン

バーバラのアルバム「パートナーズ」からの曲。
あなたの一番好きな女性ヴォーカリストは?
と聴かれたら即座に“バーバラ”と答えるほど。
まさに夜のしじまに繰り返しよく聴いていたこのアルバム。
全曲、至極のデュエット作品で全曲リクエストしたいほど。
バーブラとカントリー歌手ブレイク・シェルトンのオリジナル作品。
彼女のインタビューの中の言葉のように
「長く聴かれるために作られていると確信できる」という実感を
いつも持ちながら楽曲制作をしてゆきたいね。

2.★「AUTUMN LEAVES(枯葉)」 エリック・クラプトン

結局、こういったメロディーの奥深さに跪くしかないと、
この年齢になってそう思う。
若い頃は、このような単純な曲よりもっと巧みさのほうに
魅力を感じていた。
シンプルだからこその表現の難しさもある。
改めて思いましたが、昨今の作品はメロディーや言葉を
詰め込み過ぎでしょうか。
言葉にはもちろん メロディーにも間(ま)の魔法があるのに。
クラプトンの歌の行間の素晴らしさに何度も聴いてしまいます。


3.★「花になる(アコースティック・バージョン)」夏川りみ

「涙そうそう」の一つ前のシングル曲。
 そのアコースティック・バージョンが
「涙そうそう」のカップリング曲としてリリースされた。
沖縄の島唄や民謡を軸にしたアーティストの中では
「夏川りみ」は存在そのものがジャンルとして
確立しているアーティストのなかの一人だと感じます。
彼女の声は時を選ばず癒される。


4.★「秋日傘」  中西保志

2年前のちょうどこの時期、ラジオ深夜便のうたとして
かけていただいた思い出深い曲。
この時期になると聴きたくなる。
震災への想いを歌にして、
自分の気持ちに区切りをつけたい、と
作詞家の康 珍化氏と作品を作りました。
作品ありきで歌い手を探して約2年、
なかなかいい人が見つからず、私自身が自費出版しようと
思っていた矢先、中西さんが手をあげてくれました。
彼が今でもコンサートで歌ってくれていることで、
一人でも多く、この歌に触れてもらえることが
この歌の広報部長としてとても嬉しいです。



       

さて、今回で4回目の出演となりました。
決められた時間割の中で
準備して来た事や、その場で振られた話題に対して
的確にまとめて話すという作業は本当に難しいですね。

次回に反映させたいと思います。


12月と1月は「心に明かりが灯る曲」
というテーマでリクエストを募集しています。

曲にまつわるエピソードなどを添えてハガキ、
またはメールでお寄せください。





次回の出演は2018年 1月18日です。






ラジオ深夜便9/9出演回

2017-09-22 | 音楽♪

ラジオ深夜便 オトナのリクエストアワー


テーマ「過ぎ去りし日 思い出の曲」2017.9.9


リスナーからのリクエスト

① 最後の雨           中西保志
② ターナーの汽罐車       山下達郎
③ バイバイマイラブ       サザンオールスターズ
④ ザ・ルック・オブ・ラヴ   ダイアナ・クラール
⑤ ハート・オブ・マイン   ボズ・スキャッグス
⑥ マンチェスターとリヴァプール  ピンキーとフェラス


         


    <都志見隆選曲とコメント>

1.「さんま焼けたか」   斉藤哲夫 1975

広島時代 イベンターの宣伝カーを運転して
広島市内を一日中巡るアルバイトしていました。
東京へのツテがどこかにないかと探していた時代でもあり、
同じバイトをするなら少しでも音楽に関係のあるところ
ということで選んだアルバイト。
その車の中に斉藤哲夫のカセットが入っており、
よく聴いていました。

特に好きになった理由はないのですが
とくかく何度もリフレインしていいたお陰で
この歌を聴くとその頃の紆余曲折な日々がふと甦ります。

ちなみに、N.Y留学から帰国し最初に住んだ街が
勝ちどき橋を渡った向こう側の月島。
ただの偶然ですが。。
             


2.「気絶するほど悩ましい」 Char  1977
     詞:阿久悠 曲:梅垣達志

広島から上京したのちに、
ある人に聴いた方がいいよと薦められた数曲のうちのひとつ。
当時から色々な曲を作っていたが、この曲を聴いてさらに
自分の作品がいかに稚拙かを痛感した思い出の作品。

途中の転調や、歌詞 アレンジ 
そして歌声に間奏のギタープレイなど
どこを切っても大人な香りのする
言わばプロとしての「完成品」に
とうてい太刀打ち出来ないと観念した。

18歳のこの自分が今後どうやったら
こんな作品をうみだせるんだろうと
本当に打ちのめされた記憶がある。

歌謡曲という言葉やジャンルを嫌う人もいるが
シンガーソングライターであろうが
ロックシンガーであろうが スタイルこそ違えど
こういった歌詞やメロディーの骨格のハッキリした
クオリティーの高い作品こそが
時代を引き継いでゆく切り札になると僕は思う。 
             
            

3.「Whenever I call you friend」  
メリサ.マンチェスター 1978

20歳でニューヨークに渡米する際に
機内用に何枚かのアルバムをカセットに録音した。
その年は「Don't cry out Loud」
(日本では『あなたしか見えない』というタイトルで
カバーされた)というメリサのアルバムが
発売された年で、このアルバムは機内で繰り返し聴いた。

NYでも彼女の過去のものなどほとんど買った記憶がある。
曲の作り方や歌声が好きで
この曲の出だしの3小節間のメロディーとコード進行には
とても影響を受けた。

いまでも自分の曲作りの軸の何本かの中の一本である。
N.Yでの生活が思い出される数曲の中の
大切な一部という気がする。



4.[忘れられないひと」  郷ひろみ 1995
     詞:松井五郎 曲:都志見隆

郷ひろみさん「逢いたくてしかたない」のカップリング曲。
過ぎ去りし日の恋 思い出は今も心の中で
ずっと消えずにいるという詞は
約5分間の映像として浮かびます。
曲を聴き終えたときそれはまるで
短編小説を読み終えたような感覚の
とても切ない歌。
 
編曲ミックスともにとてもドラマチックに仕上がっており
松井五郎との作品でも大好きな中の一曲です。

             
                      
5.「想い出よありがとう」 島津亜矢 2011 アルバム「悠々」
     詞:阿久悠 曲:都志見隆

阿久悠さんの没後に、
まだ曲のついていない未発表詞の中から10作品選んで
8人の作曲家がそれを歌にしたアルバムの中の曲。

「歌よりも歌らしく心を揺さぶる 
想い出よありがとうありがとう」
このフレーズがこの歌の命。
とにかくここをどう唄わせようかと
試行錯誤の結果何パターンか曲をつけてみて
最終的にこの形になった。
過ぎ去りし日の思い出を唄った歌
             
阿久先生がもし生きておられるなら
是非 曲の感想をお訊きしてみたい。

             
       

さて、今回の選曲は随分迷いました。
このテーマに当てはまる作品というと沢山ありすぎて
決められた曲数の中で それもどういう順番で
一曲目から最後の曲までを繋ごうかなどと。
結果的には、選曲自体にも反省材料も多く
今回気づいたことなどは
次回に反映させたいと思っています。

さて、10月11月は「夜のしじまに聴きたい曲」というテーマで
リクエストを募集しています。



次回の出演は 11月18日です。
         

お題

2017-08-19 | 音楽♪

まるで梅雨の時期のような8月

ちょうどお盆で帰省する時期の広島は
到底クーラーなしでは過ごせないほどの酷暑だろうと
しっかり心構えしていたにもかかわらず
確かに日中の気温は高いが
午前中などは見事に涼しい風が吹くのである。

今年は両親ともに夏風邪に見舞われて
体調を崩しながらも、なんとかご先祖のもとに
出向くことができた。



さて、今回のお題は「お題」。

日々の細かなことから、
人生の大きな流れの中においても
いつも何かのお題が与えられている。

人生は選択の連続だという言葉があるように
時には自らお題を設け はたまた
時には人からお題を与えられ
それが日々生きるためのエネルギーに
なっていると思う。

僕の仕事といえば、
発注をいただいて曲を書くというのが
ほとんどの場合だが
たまに、苦手なものや え〜っ。。というような
無理難題をリクエストされるものもある。

得意なものやこれまでのような匂いのするものは
それはそれでまた難しさもあるのだが
実は無理難題や一見面倒臭く感じるお題の方が
結果的にいい作品になる場合が多い。

言わば、そのようなお題こそが
新作へのヒントであり 自らの経験値を
積み重ねてゆく事にもつながる。

こちらの持論で片付ける前に まずは正面から
その無理難題に当たってみるというのも
この歳になってみると 案外居心地がいい。

繰り返すがそこに
大事なヒントが隠れていたりするのだから。

P.S
コメント楽しく拝見しています。
ありがとうございます。

暑中お見舞い申し上げます

2017-08-07 | 音楽♪
長らく仕事場での引きこもりの後は
外のスタジオでの作業が続いていた。

ここ近年は概ね 
そんなパターンの生活で成り立っている。

デモテープはほとんど仕事場で作成し 
そしてその編曲を譜面に記してゆく作業は
ほぼ自宅でやる。

最近では愛犬ミミがだいぶ老いてきたせいもあり
長時間一人で留守番させるのも気が気ではない。
出来る限り女房とどちらかが在宅できるよう
やりくりしている。

そういえば今月の28日でミミも17歳になる。



言い方が正しいかどうかわからないが
昨年亡くなったチロ(約13歳)はとにかく
心臓疾患以外は本当に元気な子だった。

くらべてミミの場合はおそらく
老衰して一生を終えてゆくような気がする。

晩年苦しんでいたチロの姿を思い出せば 
あんな大きな病いに見舞われないだけでも
ミミは幸せかもしれない。

しかし長く生きるということは
それはそれでまた別な側面もある。
聴覚はだいぶ衰え
最近は白内障も進み
抱き上げようと手を近づけると
一瞬ビクッと避けるほど。
ここ数ヶ月でだいぶ視力もなくなってきている。
これらはもう仕方のないことなのだ。

後ろ足もだいぶ弱くなった。
身体の向きを変える時はかならずよろけて
ゴロンとひっくりかえる。
2センチの段差にこけてしまう。

食っちゃ寝の生活でも太らなくなった。
この夏の暑さのせいもあるかもしれないが
そんな姿を見ていると
ミミも一生懸命に老いと向き合い
そして受け入れようとしているのがわかる。
何度もかかえ抱きしめてしまう。

動物にもそれぞれの終末があり
つたないまま親代わりになった僕らは
小さな身体ながらその力強い生き様に
多くを学ぶ。

さて 今週はいよいよお盆に入る。

先日、広島の母が手紙をくれた。
今年はチロちゃんの新盆なので、
これで花でも供えてあげてくれと
中に5千円が入っていた。
思い出してくれたことが嬉しくて
不覚にも涙がでた。
チロは幸せな犬である。

先月には父の叔母が93歳で逝った。
叔母が世話になっていた島根のケアホームにも
今年はもう出向く事はない。

父の里島根での幼少の夏休みの想い出が
ゆっくりと甦る。
時の流れは容赦ない。

今年の夏の暑さはいつになく苦手だ。

皆さま 
まだまだ夏盛り
くれぐれも体調管理は充分に。
 



ラジオ深夜便7/8出演回

2017-08-06 | 音楽♪

ラジオ深夜便 オトナのリクエストアワー


テーマ「風を感じるあの歌この曲」2017.8

リスナーからのリクエスト

① 風に吹かれて     オフコース
② 思いきりアメリカン  杏里
③ 風を感じて      浜田省吾
④ 季節のない季節    BORO
⑤ 風の歌        本田美奈子
⑥ 風のとおり道     久石譲「となりのトトロから」


             


    <都志見隆選曲とコメント>

1.稲垣潤一 「Voyager」
   2002 アルバム「稲垣潤一」詩:売野雅勇 曲:都志見隆

 どちらかというと
 目に見えない世界との繋がりも
 心のどこかで信じているタイプなのですが
 フッと風が吹く時、
 それは誰かの気配を
 感じる時だったりすることがあります。

 発売された当時よりむしろ今になって
 この歌にとても魅かれます。 
 
「幾千の夏の日を超えて出逢うよ 
 僕を呼ぶ君の言葉のない声に街で振り向いて」

 失った大切な人を思う時 その魂はきっと
 僕にしかわからない風をそっと吹かせて
 その存在を僕に伝えようとしているのだと
 心のどこかで信じているのです。

 そして僕もきっとあの世から
 想いを残してきた人たちに
 同じ方法で気づかせようとするような気がします。

 曲先で書いた作品ですが、
 出来上がってきた売野氏の歌詞は
 想像とは全く違ったテイストの作品でした。
 読めばその言葉のセンスや奥行きは
 やはり流石だなあと そして
 作詞家という職業がいかに
 プロフェッショナルな領域であらねばならないかを
 今回聴きなおして改めて痛感しました。

 何度聴いても飽きの来ない
 稲垣潤一さん独特の歌い方だからこその
 こういったテーマの歌なんだということにも
 とても納得ですね。
 
 


2.若林ケン「嘆きの天使」 
   2007 詩:阿久悠 曲:都志見隆

 思えば、阿久先生がスター誕生という番組の
 審査員をやられてる時、僕は広島でその番組を
 よく観ていたのを思い出します。

 作曲という職業についてから何作か
 阿久先生と作品を作ったのちに
 また別の打ち合わせで初めて事務所にお邪魔し
 お会いした時に  
 「都志見くんとはこれとこれとあれもやったね!」
 と、ご一緒させていただいた作品を 
 僕の前で全部おっしゃってくださったのには
 とても感激しました。
 
 そしてその作品たちは今でも宝物です。

 あの日、阿久先生の前に初めて立った時
 僕は初めて作曲という世界に
 大きく足を踏み込んだのだという実感とともに
 心に大きな風が吹いたのを覚えています。

 シンガーの若林さんはオリーブオイルを瓶ごと
 まるでコーラのように飲んでから
 レコーディングブースに入られたのが
 とても印象的でした。 とてもいい歌声。
 そしてオンリーワンですね。

 今のところご一緒したのはこの一曲だけですが、
 声ある限り命ある限り シャンソンの世界を
 歌い続けていただきたいと願っています。

        

3.来生たかお 「マイ.ラグジュアリーナイト」 
   1979 詩:来生えつこ

 しばたはつみさんが1977年に唄って
 ヒットした作品ですが
 昔から大ファンである来生たかおさんの
 セルフカバーのバージョンです。

 都会の街路樹を夜風に吹かれながら
 「恋はゲームじゃなく 生きることね」なんて 
 そんな言葉をいう女性がいたら
 すぐに恋をしてしまいそうですね。

 アレンジメントもイントロからもうとても優雅で
 ぜいたくに作られている大人の作品だと思います。
 当時から現在まで、
 来生さんの歌声とその綴るメロディー 
 描く世界に触れるたびに今でも作家として
 僕の心に色んな風が吹いています。

 こういう音楽を聴いていると、さて今の時代に
 こんな作品を歌える人はいるんだろうかと
 考えてしまいます。

 ジャンルレスな今の時代だからこそ
 もっといろんな大人の音楽を僕らが送り出し
 多くの歌手の人たちに提案していきたいですね。



4.馬場俊英 「ボーイズ.オン.ザ.ラン」
   2001アルバム「フクロウの唄」バージョン

 メジャーレーベルとの契約が終了し、
 自主レーベルで作った最初のアルバムの中の曲。
 
 当時ある企画アルバムで彼とご一緒したことがあり
 一度ライブハウスに
 彼の音楽を聴きに行ったことがありました。

 お客さんが数えるほどしかいない広々とした会場で
 ギターをかき鳴らしながら唄ったこの
 ボーイズ.オン.ザ.ランの迫力は絶品でした。

 この人はもっと大きくなってきっとまた
 世の中にでてくるのだろうと思いました。

 あの時聴いたいろんな想いの詰まったこの作品には
 理屈抜きで「馬場俊英」の未来への風が
 うねるように吹きまくっていました。

 この歌のようにまさに大歓声の前で
 ピースをしている彼を想像させました。
 それから紅白歌合戦出場までの時間は
 そう長くありませんでした。

 後々コブクロなどとのコラボも含め
 数テイクの同曲がありますが
 僕が感じるのは何年経ってもこの最初のテイク。
 運転中だと思わずアクセルを踏み込んでしまいます。
 

            
  
さて、2回目の出演では初回に比べ要領も得て
リラックスして喋ることができました。
毎回どんな曲をお聴かせしようかとワクワクしながら
あの曲もこの曲もとついつい欲張って
最終的に選曲に困ってしまします。

世の中には本当にいい作品が沢山。



8月と9月は「過ぎ去りし日 思い出の曲」というテーマでリクエストを募集しています。

次回の出演予定は9月9日です。


音色とフレーズとそのアンサンブル

2017-05-29 | 音楽♪
作品の出来不出来を大きく左右することの一つに
エンジニアリングがある。

主に生楽器で録ったオケなどは、
それをどう処理してまとめるかによって
音像がイメージしたものと大きく離れてしまうこともある。

ドラム ストリングス そしてボーカルなど
それらの聴こえ方に関しては
とても神経質になる。

こちらは同じことをやっているんだが、
エンジニアのミックスによっては
大きく落ち込むことも多々ある。
空間系のエフェクトの使い方によっては
方向性まで変わってしまう。

もっとこういう風に そうじゃないんだよ と
気持ちの中心ではざわつくが
自分でミックスするほどの充分なノウハウは持ち得ない。
そんな時はこの世の終わりレベルまで
平気で谷底深く落ち込んでしまう 

時に情熱はノウハウを飛び越えてしまうこともあるし
アマチュアだって一曲や二曲なら傑作だってできてしまうだろうが
しかし情熱や勢いに左右されず
クオリティーを維持できるのが
どの世界でもプロフェッショナルと言われる奴らなのだ。

一方で、
具体的に何も言わないでも 
なるようになるケースもある。

そのエンジニアとの相性なのか 
それともテクノロジーとテクニックなのか 
そしてそれとも音楽の本質的な共通言語で会話できているのか。
例えば、こんな楽曲ならこんなサウンドとかという。

しかし ふと考える。

どんなエンジニアの皿の上でも 
それなりにまとまる編曲であるべきではないかと。

それぞれの楽器が受け持つパートと音色と
そのフレーズさえ確固たるものであれば
誰がミックスしたって音楽的にはまとまるに違いない。

再現性も含め 誰が奏でても どこで演奏しても
ちゃんと聴こえてくる旋律や骨格で成り立つ音楽を
ひとつの王道として今後も目指したいものである。

音色とフレーズとそのアンサンブル
まさにそれが時代を色彩化する。


もちろん その前提として
人の心を突き抜けてゆく力が
その時代の言葉とメロディー
そして武器となるヴォーカルに宿っていることが
絶対の絶対条件だが。

       
            




ラジオ深夜便 初回出演回

2017-05-22 | 音楽♪

ラジオ深夜便 オトナのリクエストアワー
テーマ「新たなページを開く曲」2017.4.29

リスナーからのリクエスト

① 新しいラプソディー     井上陽水
② う・ふ・ふ・ふ     エポ
③ まーるく生きてみませんか 西田敏行
④ つぐない         テレサ・テン
⑤ 言えないよ         郷ひろみ

           

  < 都志見隆選曲とコメント >

1.中村雅俊 「涙」 
  2008年 NHK土曜時代劇 オトコマエ 主題歌

自分の甥っこも含め この春で新社会人になり
新たな生活を始める姿は かつての自分がそうであったように
時に頼りなく時にたくましく輝いています。 
社会に出れば今までにも増して
辛いことや困難に立ち向かわなければならない場面も
沢山出てくると思いますが
とにかく前を向いて歩いていこうという応援歌です。

サビのメロディーは言葉と一緒に作ったので
その勢いで歌詞も書いて一応仮詞として提出したところ
気に入っていただいてそのまま使っていただきました。

個人的にも色んなことがあった年で
結果的にはそんな気持ちを自分で吐き出させてくれて
そして自分を励ましてくれた作品になりました。


2. 前川清 「哀しみの終わりに」
  2012年 発売

もともと震災の事をテーにしてという前提で
この歌の制作がはじまりましたが
そのことに限らず
大切な人を失った大きな悲しみの先には
きっと笑える日が来るからという作品です。

悲しみの渦中からその人なりの時間を経て
新たにその悲しみと向きあうことで
また一つ心が成長できてゆくのだなあと最近思います。

実際に発注を受けた段階で作詞は伊集院静さんと決まっており
僕自身も初めて伊集院さんとご一緒した作品でもあり
そういうキャスティングからも
また今までとは違った新たなメロディーを
引き出されたという印象が強い作品です。


3. 矢沢永吉 「東京」
1993年  発売

新たなページという意味では
趣味でやっていた音楽を
自分の職業にしたいと強く思うようになった
きっかけになった人です。

当時は今と違って 
やはり何が何でも東京に来なくては話にならない時代でした。
生まれた街が広島だったということも
片田舎から上京してひと旗上げるという想いに
繋がっていったのだと思います。

数ある永チャンの作品の中から
今でもよく一緒に仕事をしている
松井五郎氏の作詞したこの作品を選んでみました。

海外レコーディングということもあり
マイナーの切な系で歌も濡れ濡れでありながら
どこかクールで渇いた印象の聴こえ方がとても好みです。

年齢を重ねると喉も衰え
声にも艶がなくなる歌手もたくさんいますが
最近の矢沢さんは昔よりキーをあげて歌っている楽曲もあり
何事にもストイックに取り組む姿を見るたび
この人に出会って良かったと思える人です。


4. さだまさし 「残春」
  2014年 発売 映画 サクラサク 主題歌

自分の両親のことが浮かぶ曲です。

僕自身も老いてゆくことを素直に受け入れて
自分自身ともうまく付き合って行こうと
思えた作品です。

人生の悲哀を感じ また
些細な事にさえ感謝の気持ちが湧いてくることなど
自分がこの年齢になってみて初めて気付くことも多いですが
そんなページを一枚一枚めくって来たのだなあと
老いた両親を見て ますます愛おしく感じるこの頃です。

この曲に限らず、さださんの作品は音域的も幅広く
僕が発注を受けて書く作品としては
基本的にはここまで音域を使えないのですが
ご自身の声と表現力ならではのダイナミックさは
唯一無二ですね。

さださんの作品を聴くと
歌をつくるというのはこういうことなんだと
改めて気づかされる作品です。

            

初回ということもあり、僕自身を知ってもらう意味でも
比較的わかりやすい作品を揃えました。

6月と7月は「風を感じるあの歌 この曲」というテーマでリクエストを募集しています。

次回の出演予定は7月8日です。


旅先から

2017-03-27 | 音楽♪
最近は割とマメにスポーツクラブで汗を流している。
今のところ長続きしていると言っていい。

今はランニングマシーンにテレビもついていて
なかなかいいねえ飽きないねえとつぶやいたら
友人が、「そんなのもうだいぶ前からあるよ」と。。

バイクのペダルを漕ぎながらメール打ってる人もいる。

ピアノに向かって ない頭をひねっているよりも
スポーツクラブで曲をスケッチする方がアイデアが出そうだが。

作曲はできるだけ予定調和を裏切りたい。 
ある意味 流れに逆らってみたりすることでバランスがとれれば
むしろそんな楽曲がもっといい。

汗といっしょに先入観や固定観念をながして
仕事場で石のように固まった頭をリフレッシュ出来れば
スポーツクラブでの役割としては上出来である。

そして運動の後は代謝が上がりビール🍺もウマいし腹が減る。
今年の目標はシェイプアップだと年頭に立てたばかりだ。
毎回運動したあとはハラヘリの現実と年間目標のシェイプアップの狭間で
どう折り合いをつけるか考える。
マシンのスピードを時速6kmから9kmに上げながら
最近世間を騒がせている森友学園関係の参議院での証人喚問をほぼ見終わり
その日の昼食は早々にビールと担々麺と決めた。


「備瀬のフクギ並木」-沖縄-

そんなランニングの最中にメールが入る。
家族でハワイのマウイ島に旅行している友人からだった。
ハレアカラ山3050mからの夕暮れから星空へ変わる眺望は
息を呑むほど素晴らしく
人生観が変わりそうだとメッセージがあった。

沖縄からは友人のアーティストShifoが数枚の写真とメッセージをくれた。
新しくリリースする楽曲のプロモーションから帰京するという内容だった。
沖縄での移動中 リリース予定の楽曲の仮ミックスを聴いていると
リバーブのウエット感が邪魔で もっと乾いた音のほうが合うとわかったとあった。
出来上がりがとても楽しみである。

彼女の送ってくれた-備瀬のフクギ並木-の写真が好きだから
無断で僕のブログに掲載する予定だと帰宅後に返事を書いた。

ウエイトトレーニングモドキをひと通りやったあとシャワーを浴びて
体重計に乗った。

               
 
体重マイナス5キロへの旅は想像以上に長い道のりになりそうである。

あの〜やっぱり

2017-02-28 | 音楽♪
よく行く船宿のおかみさんに
今年は恵方巻き食べたんですかって訊いたら
「あれは西の方の習慣でしょ?
こっち方じゃあ食べないよ。
とにかくこの時期だけ異常に高すぎるしね〜」って。

西の方にそんな習慣があったなんて
僕自身も知らなかった。

普段から巻き寿司や助六が好きでよく食べているので
我が家も最近は特に食べたりしなくなった。

時間は容赦無くすぎて明日からもう三月。



         

さて 最近ラジオなどに呼んでいただくことも増えたのだが
なぜだか収録の時よりも実際のオンエアーを聴くのは
特に恥ずかしさを覚える。

写真を見て自分の顔はこんな風なんだと改めて思うように
自分の声や喋り方も同様に
明らかに自分がイメージしているそれとは違うのだ。

先日オンエアされたものがradikoで一週間ほどの期間内で
再聴できるというので
恐る恐る聴いて見た。

決められた時間内でのトーク
「え〜あの〜やっぱり〜」が非常に多い。
おそらく え〜あの〜と間合いをとって
話す内容や言葉を組み立てているのだろうけど
喋ってる総量から、全ての「あの〜やっぱり〜」を取り除いたら
リスナーにとってどんなに聴きやすいことだろう。
無駄が多いのである。

収録では編集してもらえるが、生放送ではそのまま裸のtalkである。
喋り方に対して普段からの意識や訓練の必要性を痛感した。

隣の友人は30もの魚を釣るのに
その真横で釣ってる僕に魚はなかなか食いつかない時がある。
船長曰く
「何か無駄な動きが多いんだよ」

作曲もまた然り
今の時流がどうであれ
極力音数を減らした無駄な言葉を詰め込ませない作品の仕上がりに
意識を集中したいものである。

元気

2017-01-31 | 音楽♪
門前仲町と言えばこれまで女房の実家のご先祖のお墓参りに行く程度だったが
今年も明けてお誘いをいただき久々にまた門仲で飲んだ。

もうかれこれ25年になると聞いて改めて驚く。
前川清さんに書いた「男と女の破片」がリリースされたのが1991年
その当時のメーカーのスタッフの方達や
お世話になっている社長さんたちが集まった。


-辰巳新道-

最後に会ったのが25年前って。
久しぶりって言葉もちがうし、ご無沙汰ってのもなんとなく当てはまらない
四半世紀という時間を経てまたこうして訪れる出会いの妙。

当時のレコーディングの話とか作品をとりまく宣伝や営業の裏話とか
制作のこと以外で今はじめて耳にする話も多い。
「男と女の破片」という作品は実はレコーディングを2度した。
一度目に録ったものよりテンポをあげて、キーを1音あげて録音したものが
いわゆる最終形となったのだ。もちろんアレンジも質感もちがう。
曲が売れたら、そんな話も制作秘話となる。

僕の両親と同じような世代の名物社長達が
プロダクション当時の苦労話や裏話をなつかしそうに話す。
作品だって歌手だって、売れて世の中に知られてこそ
それに携わる多くの人達が幸せになるのだ。
曲を売るため タレントを守る為に奔走した数々の武勇伝は
現代ではギリギリの内容も多いかも知れないが
エネルギーはむしろそんなところから発生する。
まさに元気な時代だった。

元気というのはイコール健全ということではない。
人間だって、健康だけど元気がない人 
身体は病んでいながら
それでも元気な方は沢山いるのだ。
鉾先は違えど、
わるさも元気の一部である。

そんな方たちの中にいると、
もう少しで60歳になろうとする自分など
結局まだまだヒヨッコなのよねと潔く納得できてしまう。

僕などはもっと元気にならねばならんと思うわけである。