消しカスビート_人参方程式-(ん)

農業高校生、のらりくらりと日々過ごしてます。

部内恋愛。

2011-01-02 23:32:16 | 日記

私が吹奏楽部だった頃…

同じパートだった○○が、1年生の○○と、付き合っているそうです。

 

楽しいですね。

 

でも、最近情報が入ってこないので…。

淋しいですね。


僕の母は犯罪者 5 下

2011-01-02 22:27:52 | 僕の母は犯罪者 【完】

件名なし 

送信者 豊田光樹 

日時 2010年11月7日 5:47:45

—蒼空の母さんの名前って何?— 

 

時間が止まったように感じた。 金縛りにあったように身体が動かない。 何も考えられない。

蒼空は携帯を持ったまま、母の思い出を探した。 

なるべく楽しい日々を…… 

数少ない母との思い出を頭の隅から引っ張り出す。 

小学校に入学する前、仕事を休んで、遊園地に連れて行ってくれたこと。 

身長が足りなくて、あまりアトラクションに乗れなかったため、次の日も仕事を休んで動物園に連れて行ってくれたこと。 

ホッキョクグマを見ながら売店で売っていた、アイスの白くまを食べたら、手がべとべとになったような気がする。

些細なことに喜びを感じていたあの頃。

母は最後まで俺のために色々なことをしてくれた。

眠いときも、疲れているときも、母が食事を作らなかった日はなかった。

思い出すのは母の優しさ。悪い思い出なんて浮かんでこない。自慢の母だ。

天井を見上げて、いつの間にか溢れ出していた涙をYシャツで拭う。

「わぁーーーーっっ!!」

叫ぶ。近所迷惑だとは分かっている。

それでも止められない。

気持ちが良い。僅かではあるが気分が晴れる。

黒くなっていた画面を見つめ、それからメールの返信を打ち込む。

あいかわ…相川 る…瑠 い…依…。

相川 瑠衣。

その名前を口にするのは、入学手続きの時以来だ。

この名前を送れば、きっと明日から俺は一人になる。中学生の時に戻るのだ。

母の名前を訊いてきたというのはそういうことだろう。

メールを送ってきたのは、1年生の時、同じクラスだった豊田光樹という男だ。

特に関わりはなかったが、アドレスだけは、周りが教えていたノリで交換していた。

たしか…テニス部だったような気がする。

南松中のテニス部の誰かと連絡を取っていて、俺の母の話を聞いた。その確認。

だが、豊田光樹にそんなことを教えて何になるというのだろう。

否、そんなことは分かっているのだ。目をそらしたいだけで…。

このメールを送った瞬間、学校生活が一変する。

誰も近づいてこなくなる。

 

自慢の母だ。恥じることは何もない。

そう自分に暗示を掛け、送信を押した。

 

全て受け入れよう。

只、前の生活に戻るだけだ。

 

「歴史は繰り返す」とはこのことか

そんな歌詞があったような気がする。

蒼空はふっと笑みを浮かべた。

 

 

うふん。とりあえず。謝っときます。

ごめんなさい。

あ、わたし。ハッピーエンドは書くのが苦手なんです。ごめんなさい。




僕の母は犯罪者 5 上

2011-01-02 22:26:14 | 僕の母は犯罪者 【完】

2010 11 07 繰り返す歴史— 

 楽しいことは長く続かない。

幸せなことになれては駄目だ。 

‘幸せ’からは落ちる一方。

分かっていたはずなのに…。

 

誰も自分のことを知らない。

 ほどよく人と接する。深く関わりすぎないように。

女子はあまり好きになれない。小学校の時のトラウマがまだのこっているのかも。

話しかけられれば無視することはないが、自分からは話しかけないようにしている。

高校に入学してからは、2年間で10回ほど告白されている。

毎回同じ言葉で断ってはいるが…。

あまり女子と仲良くすると、男子からの反感を買うかもしれない。もう一人にはなりたくないのだ。

第一、今の生活に不便はない。

これ以上何かを求めてはいけない身分だということは心得ている。

血が繋がっているのだ。母の犯した責任を少なからず負わなければならないはずだ。

教師は、流石に蒼空の家庭環境を知っている。

だが有心高校の生徒に、蒼空を幼い頃から知っているものはいない。つまり、蒼空と相川瑠衣の関係を知っているものはいない。

そう思っていた自分はやはり甘いのかもしれない。

人の情報など、すぐ漏れるのだ。それを忘れていた。

蒼空の通っていた小中学校の連中と連絡を取っていたヤツがいたのだ。よく考えれば、それほど不思議なことではない。

南松中学校…蒼空の通っていた中学校は、テニスと女子バレー、吹奏楽の強豪で、毎年関東大会以上の成績を収める。

常連校同士で連絡を取ることもあるだろう。

考えてもいなかった。考えが浅はかだったのだ。

何故、そこに自分の話が出てきたのかは謎だが…。

11月7日、珍しく朝の6時に目が覚めた蒼空は、枕元にある携帯がメールの受信を知らせているのを見て妙な胸騒ぎを感じた。

気を取り直して、携帯を開く。