—2010 11 08 仮面—
豊田光樹からのメールに対する返信をした後、携帯は、もう着信を告げることはなかった。
きっと、相川瑠衣が、蒼空の身内であることを確認したかっただけなのだろう。
今日、学校に行ったら起こることはもう想像できている。
車の行き交う交差点を渡り、カーブミラーを見上げた。
鏡の中に自分を目が合う。
どこか、いつもより疲れて見える。
いつも通りを心がけなければ。変化する周りに、流されてはいけない。
孤独に負けたら、きっと自分の足で立っていられなくなる。支えてくれる人はいないだろう。
…大丈夫…。俺は、小学生の時も、中学生の時も、一人で耐えられた。
もう本心を表に出すことは許されない。
偽るしかない。心を…。偽りの仮面で……
自分の感情を抑える方法を思い出さなければ。そうしなければ、俺はつぶれる。
鞄を持つ手に力を込める。掌に、爪が食い込んだ。
痛い。掌よりも…心が…
フンッ…心が痛いとか…クセェ台詞だな…。
あごを引く。 隙を見せたら…………
いつも通りを装って、下駄箱から上履きを取り出す。
…?あれ?
想像と違う。
中学校の時は、上履きの中に何か入っていたり、上履きがなくなっていたり…。
………。
もしかしたら、豊田光樹はそこまで実行しなかったのではないか。
もうずいぶん前の出来事だ。証拠は見つからなかったのかも…。
そんな淡い期待を抱く。
8時25分。HRの前の、最も廊下が人でにぎわう時間。
階段から一番遠い、2−Aの教室を目指し、歩く。
層状以上にいつも通り。
『トンッ』
すれ違う人とぶつかるのも、珍しいことではない。
が、蒼空が足を止めたのは、他に理由があった。
「あ、蒼空君、おはよう。いい朝だねぇ……これから色々と…よろしく」
豊田光樹。
ゆとりそうな顔で、蒼空を見下ろす。
実際、身長的には光樹の方が2,3cm高いだけだ。それほどの差はない。
だが、見下ろされているような、この感覚は二人の心境の違いからだろう。
口元をつり上げた豊田光樹。それに対して蒼空の顔は、唇を引き締めた無表情。
廊下の真ん中で、二人が異様な雰囲気で睨み合う。
周りの空気とは全く異なった空気が、二人の間を流れていた。
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教室にはいると、一番に視界に入る黒板。
そこには何の変化もない。
だが…心なしか皆の視線が痛い。
中学生の時に浴びた視線に似ている。
「ぅゎ…来た…」「てかあれ、本当なのかね?」「後で確かめてみようよ」
自分を見ながら、成される会話。
これにも経験がある。
小声で話しているつもりかもしれないが、残念ながらしっかりと耳に届く。
馬鹿な女子だ。
既に仮面は被ってある。
感情の押さえ方も思い出した。
黒板の横の、辞書が置いてある場所に、何人かの男女が群がっている。
携帯を片手に。
あぁ…そういうことか…。
今日は調子に乗って2節公開。
。。。
まぁ、
ドンマイです。中学3年生です、私。
文章が下手なのは見逃して。
こんなこと言ってほんとにごめんね
頭で分かっても心がごねるの だけどそんな僕~♪
me me sheです。
たぶんそうです。
RADWIMPSです。
ふふふ。