将棋は個人全集・選集が少ない

2005-12-15 01:25:01 | 将棋
 もちろん囲碁と比べての話。
 今のところ全集は升田幸三(CD-ROM)大山康晴、谷川浩司(継続中)、羽生善治(CD-ROM、七冠達成まで)の4名のみ。ついで木村義雄(実戦集全8巻)中原 誠(実戦集、名人就位まで)、米長邦雄(『米長の将棋』全6巻)が目立つ程度。
 私の思いつく理由は二つしかない。
 まず、戦後のタイトルが大山・中原・羽生に集中したこと。10期以上タイトルを獲得したのは大山康晴(80)、中原 誠(64)、羽生善治(62)、谷 川浩司(27)、米長邦雄(19)の五人のみ。後は全部一桁の獲得である。今のところ10期に届きそうなのは佐藤康光(7)、森内俊之(5)、渡辺 明 (2)の3人くらいだろう。囲碁は国内七大タイトルに限れば坂田栄男、趙 治勲の39期を筆頭に13人が10期以上を獲得している。囲碁に比べると全集・ 選集を出すに値するほど目立つ棋士が少ないとは言えるでしょう。中原 誠はフリークラスに転出したとは言え、まだ現役。引退後に期待したいところです。出 版されないとしたら、林葉直子との醜聞が表沙汰になった影響、としか思えないだろうな。
 もう一つは、古い棋譜がありがたがられないこと。囲碁に比べると昭和の棋譜でさえ需要は少ない。これは競技の性格が違うので仕方ないのかもしれない。将 棋の歴代最強者論議は要は羽生善治と大山康晴のどちらが強いか、というところに収束する。◎羽生○大山×中原△天野宗歩△谷川といった感じか。将棋では江 戸時代の棋士が現代で通用すると真面目に語られることはないし、数十年前に比べても今の方が進歩していると確信している人も多い。全盛期を過ぎた棋士の全 集や選集など(古いので)価値が低いということになる。囲碁の道策最強論が大真面目に主張されている(それも結構有力)のとはかなり違う。私は囲碁はわか らないけれど、大山康晴の棋譜を並べる人より、道策や秀策、呉清源の打碁を並べる人の方が多いんじゃないか。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿