「寒い」のと「暑い」とどっちが好き?

2005-12-28 18:31:40 | 雑記
断然「暑い」の。年中30℃オーバーでかまわない。
大阪から越してきた最初の夏は驚いた。関東の夏は短い。「ああ、暑い」と思えるのは二週間くらい。湿度も低くて過ごしやすい。いや、過ごしやすすぎる。お盆を過ぎるともう夏は終っている。つまらん。残暑も短く、9月の曇りの日が寒い。

棋譜の著作権について落書き

2005-12-27 22:48:07 | 棋譜
半年も前のブログだが畠山成幸七段は

私たちプロ棋士は指す将棋(アマチュア相手でも)も自分で公表できない。 著作権は将棋連盟と新聞社にあるからだ。

と書いている。この一文を読んで疑問が湧いた。
将棋の棋譜に著作権を認めたとして著作者は誰か、ということ。棋譜は対局者の共同著作物であり、連盟と主催者(ぶっちゃけ新聞社)が財産権を譲ってもらってるのではないかと、私は漠然と考えていた。だが、畠山ナルゴン説によれば人格権にあたる部分も対局者はもってないということにならないか。日本将棋連盟はどう認識しているのだろう。法人の場合は公表後五十年、個人の場合は死後五十年てことならかなり違うんでないかと気にる。50年前の棋譜なんて金にならないんだし、どうでもいいですよ、と思っているかもしれないが。

開始日時:1911/00/00
棋戦:大阪朝日新聞将棋
戦型:中飛車
先手:早川亀次郎五段
後手:木見金治郎五段

▲7六歩△3四歩▲6六歩△8四歩▲5六歩△8五歩
▲7七角△5四歩▲5八飛△6二銀▲6八銀△5二金右
▲4八玉△4二玉▲3八玉△3二玉▲2八玉△4二銀
▲4八銀△7四歩▲5七銀右△5三銀右▲4六銀△4四銀
▲6七銀△5三銀上▲5九金左△9四歩▲9六歩△1四歩
▲1六歩△7三桂▲3六歩△8四飛▲3八飛△6四歩
▲4八金左△5五歩▲同 歩△同 銀▲同 銀△同 角
▲4六銀△2二角▲3五歩△同 歩▲同 銀△3三歩
▲5六銀△4四銀打▲4六銀△8六歩▲同 歩△8八歩
▲9七桂△8九歩成▲4五銀左△同 銀▲同 銀△4四銀打
▲同 銀△同 銀▲6五歩△同 桂▲8五歩△8三飛
▲8六角△3一角▲5三歩△同 飛▲6四角△5六飛
▲9一角成△9九と▲5三歩△同 角▲6四銀△3一角
▲5三歩△同 銀▲4五銀△7六飛▲3四歩△同 歩
▲5三銀成△同 角▲5五馬△2四香▲3六銀打△7七桂成
▲3四銀△4四銀▲3三歩△4二玉▲5四馬△9七角成
▲4六香△6三銀▲7六馬△同成桂▲2二飛△5三玉
▲2一飛成△3一歩▲2三龍△6四玉▲2四龍△7五玉
▲2二龍△8六玉▲1五歩△8八馬▲2五銀上△9七玉
▲1一龍△2六歩▲同 歩△2七歩▲同 玉△3五桂
▲1七玉△6七角▲4四香△同 馬▲3六銀打△3四角成
▲同 銀△同 馬▲2五香△2八歩▲1四龍△8九馬
▲2三角△2九歩成▲3五銀△2三馬▲同香成△4五角
▲2七角△8九角成▲1六玉△2一香▲3四桂△1九と
▲2二香△同 香▲同桂成△1八銀▲同 角△同 と
▲2五玉△2一歩▲同成桂△2八と▲同 飛△3六桂
▲2四玉△4二金寄▲3四桂△7七角▲4二桂成△同 金
▲3四香△4四銀▲同 銀△同角成▲3五銀△同 馬
▲同 玉△2八桂成▲2四玉△1二歩▲2五金△4五銀
▲3五銀△3六銀打▲1二成香△2五銀▲同 龍△5四飛
▲2三銀△4一桂▲1三玉
まで183手で持将棋

この棋譜は『木見金治郎実戦集』(1931 誠文堂)に掲載されているもの。(掲載譜では△3四歩から始まっている。棋譜の表記法が統一されたのは戦後だろう。)初出が1911年の大阪朝日新聞と書いてあるが、実物は確認していない。著作権者が朝日新聞なら1961年に期間満了。著作権者が対局者でも、木見金治郎九段は1951年に亡くなったので(早川五段はそれ以前に亡くなっていると勝手に断定(^^ゞ)、2001年に著作権が切れたことになる。
註:2006/02/24修正 上記棋譜について先後逆だったのを修正しました
追記:2006/07/09 早川は1869年生まれで90歳の長寿を保ったそうで1959年没。50年式でも切れていないことが判明した。

開始日時:1950/01/20
棋戦:順位戦
戦型:矢倉
先手:丸田祐三
後手:升田幸三

▲7六歩△8四歩▲5六歩△8五歩▲7七角△5四歩
▲2六歩△3四歩▲7八銀△6二銀▲2五歩△3二金
▲4八銀△4一玉▲5八金右△5三銀▲5七銀△5二金
▲6八玉△7四歩▲7九玉△6四銀▲6六銀△3三角
▲6八角△2二銀▲3六歩△5一角▲7七銀引△5五歩
▲5七金△3三銀▲4六歩△7三角▲6六歩△4四歩
▲6七銀△4三金右▲7八金△3一玉▲8八玉△2二玉
▲4七金△5四金▲5五歩△同 銀▲5六歩△6四銀
▲5九角△5三銀▲2六角△4二銀右▲3七桂△4三銀
▲1六歩△9四歩▲9六歩△5二飛▲4五歩△5一飛
▲4四歩△同銀左▲4六歩△3三銀▲3五歩△4四金
▲3四歩△同銀右▲3六歩△3五歩▲2九飛△3六歩
▲同 金△3五歩▲4五金△4三歩▲3四金△同 金
▲3六歩△3八金▲3五歩△4四金▲2七飛△3六歩
▲4五桂△同 金▲同 歩△3七歩成▲3四歩△同 銀
▲1七飛△3六と▲6二銀△2六と▲5一銀不成△1七と
▲4二金△3三金▲1七香△3五角▲3二歩△2四歩
▲3一歩成△2五銀▲3四歩△同 銀▲2一と△2三玉
▲3一飛△1七角成▲2二と△1四玉▲3三飛成△2五玉
▲3四龍△同 玉▲3六金△2五歩▲4六桂△同 角
▲同 金△2三桂▲3二角
まで123手で先手の勝ち

これは毎日新聞の第4期順位戦の棋譜。著作権者が新聞社なら著作権は切れているが、対局者が著作権を持っているとすれば、私が死ぬより先に著作権が切れることはないだろう。
(将棋の棋譜の著作権の有無については様々な立場があるが、『もずいろ 風変わりな将棋の部屋』棋譜と著作権にまつわるMEMORANDUM棋譜の扱いに関するトピックスが大変参考になる。)

1987年5月号近代将棋巻頭「フレッシュ座談会」(メモ)

2005-12-16 20:34:05 | 将棋
塚田泰明七段、中井広恵女流名人、山田久美女流初段、清水市代女流初段
確定申告の話が出て、中井310万、山田180万、清水不明(親に渡している)
3人の収入は対局・指導・普及で貰ったいずれも一時金。安定した収入はない。中井は女流名人を獲得したタイトル料込。

(感想)
山田久美と中井、それほど差がついていないのは山田の方が対局以外の仕事が多いからか。今の方が全体のパイは大きくなっているだろうが、人数も増えているので一人一人の収入は変わっていない気がする。基本的な待遇が変わっていないのだろうか。保障関係が気になる。あ、別にそういう生臭い話で埋め尽くされた座談会ではなく、勉強法とか抱負とか人間関係とかの分量の方が多い記事。今の私が気になった部分が待遇面ってだけで。

直近の将棋世界の渡辺&女流55年組の座談会と比べると、20年近く経っても待遇が改善されてないわけね。面白い。もっとも、普及が大切、道場が閑古鳥、支部会員になる意味がない、アマ上位>プロ下位など、今の連盟の課題は1980年代前半から読者投稿ページで言われてることなので、女流の扱いだけが冷凍されてるわけではない。70年代に娯楽→趣味の変化がはっきりした時点で手を打っておくべきことだった、全部。谷川浩司・羽生善治といったスター棋士がでたこととバブルのおかげで問題が先送りになっていただけかも。
(奨励会との兼業が禁止されて)正棋士になる道が事実上絶たれたことを考えると悪くなってる?女性の正棋士が誕生するとは露ほども思わないけれど、普及や話題づくりのこと考えても損、兼業不可は下策だった。不可になった経緯が読みたいな。
女流をお荷物扱いするのでなく将棋界を共に担う存在と認めるなら、女流三段以上とか男性棋士に公式戦で勝利とかの条件で棋士総会への参加くらい認めても罰は当たらないと思うのだが。

将棋は個人全集・選集が少ない

2005-12-15 01:25:01 | 将棋
 もちろん囲碁と比べての話。
 今のところ全集は升田幸三(CD-ROM)大山康晴、谷川浩司(継続中)、羽生善治(CD-ROM、七冠達成まで)の4名のみ。ついで木村義雄(実戦集全8巻)中原 誠(実戦集、名人就位まで)、米長邦雄(『米長の将棋』全6巻)が目立つ程度。
 私の思いつく理由は二つしかない。
 まず、戦後のタイトルが大山・中原・羽生に集中したこと。10期以上タイトルを獲得したのは大山康晴(80)、中原 誠(64)、羽生善治(62)、谷 川浩司(27)、米長邦雄(19)の五人のみ。後は全部一桁の獲得である。今のところ10期に届きそうなのは佐藤康光(7)、森内俊之(5)、渡辺 明 (2)の3人くらいだろう。囲碁は国内七大タイトルに限れば坂田栄男、趙 治勲の39期を筆頭に13人が10期以上を獲得している。囲碁に比べると全集・ 選集を出すに値するほど目立つ棋士が少ないとは言えるでしょう。中原 誠はフリークラスに転出したとは言え、まだ現役。引退後に期待したいところです。出 版されないとしたら、林葉直子との醜聞が表沙汰になった影響、としか思えないだろうな。
 もう一つは、古い棋譜がありがたがられないこと。囲碁に比べると昭和の棋譜でさえ需要は少ない。これは競技の性格が違うので仕方ないのかもしれない。将 棋の歴代最強者論議は要は羽生善治と大山康晴のどちらが強いか、というところに収束する。◎羽生○大山×中原△天野宗歩△谷川といった感じか。将棋では江 戸時代の棋士が現代で通用すると真面目に語られることはないし、数十年前に比べても今の方が進歩していると確信している人も多い。全盛期を過ぎた棋士の全 集や選集など(古いので)価値が低いということになる。囲碁の道策最強論が大真面目に主張されている(それも結構有力)のとはかなり違う。私は囲碁はわか らないけれど、大山康晴の棋譜を並べる人より、道策や秀策、呉清源の打碁を並べる人の方が多いんじゃないか。