good day to Die

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日記代わりに書いておくためのブログです。
ネタバレあり。

「落照の獄」その2

2009-09-27 21:13:50 | 漫画・書籍
十二国記新作短編「落照の獄」について。

最後に狩獺に何かオチがあるのかと思いきや、何もなくて拍子抜けしたけど、
国が傾くと人心も荒廃して行くということなんだろうね。

国が傾いて行くことを感じつつ、国民の犠牲を目の当たりにしつつ、仙籍にあり、
まともな頭を持ったままの官吏というポジションにゾッとした。恐ろしい。
十二国記の世界では、結局王がダメだと、官吏がどんなに頑張っても国は傾いてしまうわけで、
その無力感は恐ろしいだろうなぁ。王に諫言しようとしたら、おかしくなってる王に殺されそうだし。
いったん仙籍に入って、長く官吏やってから仙籍返上して野に下るのも大変だ。
今回の話でも触れられていたけど、親戚友人知人がみんな死に絶えた世界って、孤独だよねぇ。
傾いた状態の国ではなおさら大変だ。妖魔が跋扈する世界だもんねー。


十二国記についてご存じない方に、Wikipediaからコピペ。

十二国記の舞台となるのは、山海経に登場するような神仙や妖魔の存在する世界である。
その名のとおり、12の国が存在する。文化、政治形態は古代中国(特に周王朝)に類似しており、
絶対的な王制である。しかし世襲制ではなく、12の国はそれぞれ神獣麒麟(きりん)が天意に
従って選んだ王により統治されている。王は諸侯を封じ、政治をさせる。王や一部の高位の官は
神仙として不老長寿(だが必ずしも不死ではなく、胴や首を冬器により断たれれば死んでしまう)の
身体を得て、天意に従う形で国を治めることを求められている。麒麟が失道の病にかかりそのまま
死・禅譲するか、誰かに討たれない限り王は死なない。王とそれを選ぶ麒麟、そして天意とは何なのか
という問いが、作品全体の主題となっている。


設定がとても魅力的で面白い。
今回の話みたく、登場人物を借りて作者の主張を読まされているような気がするときは
げんなりするけど、それでもこの世界設定が魅力的で惹き付けられる。

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