評価:★★★☆
熊切和喜監督
綾野剛、村上虹郎、柄本明、小林薫他出演
アマプラの見放題から外れるから見た。綾野剛祭り〜(ここんとこ綾野剛
出演作をもりもり見てる)。
世間的な評判はあまり良くないようだけど、私はとても好きだよ!
作品の志というか佇まいというか。そういうのが好き。
一度大きく傷ついて潰れた人の救済や再生の物語に弱いよ。
あと父息子の確執にも弱いよ。
融(村上虹郎)の過去のトラウマと研吾(綾野剛)にこだわる理由が
よく分からないのと、毒親でも子を愛してたんだ、みたいなことでお茶を
濁されるのは、ハァ??て感じだけど、全体としては良かった。
研吾がとても気の毒。
父親があんな毒親でなければ、もっと普通の暮らしができたろうに。
息子に殺されるのが本望とかいう父親、アホか。大迷惑だからやめてほしいよねぇ。
綾野剛は飲んだくれてやさぐれてる姿が板につきすぎて困る。
そろそろ業を背負わない、普通の幸せな役もやってほしいよねぇ。
村上虹郎も憂いがあって良いね。若くてキラキラ。
綾野剛がインタビューで『(村上虹郎について)この作品でいえば、一人だけ
アニメに見えるぐらい瑞々しくてピュアだなと思いました。この等身大感は、
もう自分には絶対出せない、ここで勝負しても勝ち目がない、自分は老いたなって
自覚しました。残酷でした』と話していて、ちょっと悲しくなった。
時間の流れは悲しい。
でもこれ言ってる綾野剛も35歳だからね、そんなに老いてないよ。
村上虹郎は20歳で確かに若くてキラキラだけど、綾野剛は20歳ではそんなにキラキラ
してなくて、綾野剛がキラキラし始めたのは30歳くらいだ。遅咲きだね。
柄本明も小林薫も良かった。
研吾のお父さんが光邑(柄本明)だったら良かったのにねぇ。
父親の手紙を読んで泣く研吾を見て、私も泣いたわ…。
一度大きく傷ついて潰れた人の再生や家族の再生の物語に弱いのです。
あの手紙程度であの毒親も子を愛してた、みたいに扱われるのは納得いかないけど。
綾野剛のビフォーアフターばっかり評価されてるけど、確かにそこも見どころ
だけど、見どころはそれだけじゃないと思うのね〜。
まあ、あそこはすごいよね。
それまでボサボサ長髪に髭面だった研吾が、髪を切って髭も剃り、涼しげな顔で
防具をつける終盤のシーンは、別人のような清冽さでびっくりだよね。
「S最後の警官」の蘇我伊織みたいだったもん(笑)。
今後は最初からあのスッキリした顔の綾野剛の映画をお願いしまーす。