SUN PATIO

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古代日本の文明開化と秦氏(後編)

2009-01-25 | 歴史、考古学
『日本書紀』応神天皇十四年の条には、 「弓月君が百済から百二十県の人を率いて帰化し 秦氏の基となった」との記述が見られる。 列島への秦氏の渡来は、思うに、応神の王権纂奪 に伴う対外政策転換(神功の外征が誘因となった、 もしくは応神自身もその受益者の一人であった) の一環として果敢に推進され大規模化されたので あろうが、実はその先慫となったのが神功皇后の 母方の祖たる天日矛の渡来であった、というのが . . . 本文を読む

古代日本の文明開化と秦氏(前編)

2009-01-24 | 歴史、考古学
広隆寺の「弥勒菩薩半跏思惟像」といえば、 わが国の記念すべき国宝第一号だ。 哲学者カール・ヤスパースの言葉を借りれば、 “地上における全ての時間的なるものの束縛を 越えて達し得た、人間存在の最も清浄な、 最も円満な、最も永遠の姿の象徴”であり 人類最高レベルの芸術作品と称するに足る。 広隆寺を氏寺とするのが、渡来系氏族の秦氏。 巧緻極まる技量と卓越した審美眼を具えた仏師 や絵師を、その一門は数多く . . . 本文を読む

木の温もり

2009-01-18 | トイガン耽美系
この趣味を始めて約三十年が経過した。 未だ有る筈のものが突如消えていたり、 疾うに消えた筈のものが残っていたり、 欣喜雀躍するかと思えば懊悩させられ、 悲嘆に陥るかと思えば胸をときめかせ・・・ 感情の襞を随分と深めてもらったこの玩具には、 木の齎す深い愉悦が在ることを道半ばで知った。 ただ嵌めるだけ、而してヴィスを捩じ込むだけで 直線と曲線、樹脂と金属の混交たる冷たい物体に 視覚的・触覚的な温もり . . . 本文を読む

われ驚きを願う

2009-01-11 | ノンジャンル
喫驚したいといふのが僕の願なんです。 不思議なる宇宙を驚きたいといふ願です。 ・・・国木田独歩の作品の登場人物の科白だ。 “驚き”について一考してみたい。 突然、琵琶湖で化石魚が生け捕りにされれば、 学者の面々をはじめ一様に驚嘆するはず。 しかし、その椿事も月日が経つにつれ、 単なる生物学上のトピックスのひとつとして その他大勢のニュース群に埋もれてゆくだろう。 富士の山が突如として大噴火を起こ . . . 本文を読む