自宅近辺の川縁で偶々見掛けた一羽の青鷺。
大阪市街の中心部を貫く幾多の河川の一つの
さして清くもなからんと思しき流れであるが、
その瞑想的、禁欲的な不動の佇まいは、
凡百の鳥獣とは一線を画した風雅を漂わす。
筆と墨と紙が有れば佳い水墨画が描けそうだ。
そのか細くも芯の剛い脚の直線と鋭角的な嘴、
頭頂部から胴体にかけての幾何学的な曲線、
その鋭利さとしなやかさとの共存と相乗、
そして彼らが生得する無 . . . 本文を読む
今年は梅雨の終わり・夏の始まりが
截然としており、二季の交替が敏活で、
あたかも精巧な三次元立体映像を
スキップさせて見ているようだった。
唯識説にいう阿頼耶識の考え方では、
認識者である人間の五感や思考なしに
諸法は生起・存在し得ないことになる。
しかるに現象の過ぎゆく速度自体が
われわれの大多数の感覚器官にも
明白にそれと峻別される程に
刻々上昇しているとしたなら、
一体これは何を意味している . . . 本文を読む