SUN PATIO

My Collections, My Thoughts and Ideas

おぼろなるものへの愛惜

2011-06-05 | ノンジャンル
 見わたせば山もとかすむ水無瀬川    ゆふべは秋となに思ひけむ   後鳥羽院  照りもせず曇りもはてぬ春の夜の    朧月夜にしくものぞなき    大江千里 日本人の美学の集約書ともいえる『新古今和歌集』からランダムに引用 してみたが、殊に第一巻「春歌」をつらつら眺めれば、 ほとんどが<霧><霞><雲>などの、おぼろの情感、かすみの美学を 詠いあげていることを発見する。 空がおぼろに霞んで、 . . . 本文を読む

功徳天と黒闇天

2011-04-24 | ノンジャンル
涅槃経に次のような示唆深い説話がある。 むかしある土地に長者が住んでいた。 ある日、ひとりの美しい女が長者の家の門に現れた。 長者が名前を問うと「わたしは功徳天といいます」と答える。 功徳天といえば人々に幸いをもたらす神である。 長者はたいそう喜んで、彼女を招き入れて歓迎しようとした。 すると功徳天は、「じつは妹を同伴していますので、一緒に 入れてもらえないでしょうか」と言った。 その頼みを長者 . . . 本文を読む

価値と意味のリファイン

2011-04-17 | ノンジャンル
ここ2、3年ほど私は古代史に関心を持ってきた。 歴史をやっている方は皆さん同じかもしれぬが、 人間は変わらない、ということを思い知らされる。 人間は勤勉である。かと思えば怠け者にもなる。 人間は信念をもつ。その一方で無節操にもなる。 人間は徒党を組みたがり、一人では柔弱であるが 衆を頼むと大胆になる。 みずからの利益となる事柄を正義と信じやすく、 常に有利な側に身を置きたいと考えている一方で 大 . . . 本文を読む

お手本なき時代

2011-04-03 | ノンジャンル
お昼、桜の梢の下を潜る刹那に、二つの事柄を ふと思い起こした。 一つは、むかしアルビン・トフラーという学者 が『第三の波』という著書で述べていたこと。 現在の地球上では二千年以上も前からの狩猟・ 採集で生活している人間、それに百年前と殆ど 変わらぬ農業生活に明け暮れる人間、これらが 実はいまだに人口比で全人類の70%を占めて いるという。残りの約20%が、産業革命後の 工業化社会におり近代的な生 . . . 本文を読む

NHK教育『カイルXY』

2010-11-14 | ノンジャンル
全23回の連続テレビドラマ。昨日第7回が放送された。 上掲の動画でいうDVDのシーズン1・2の内容に相当する。 ドイツ、イギリス、フランスなどでも2007年に放送されており、 シーズン4まであるらしいが、そこまでは放送されない見込み。 物語の本当の大団円は脚本家の頭の中にだけ存在するのだろう。 私は初回から継続して視聴している。きっかけは、 自宅のMacに地上デジタル対応のTVキャプチャ機器を . . . 本文を読む