見わたせば山もとかすむ水無瀬川
ゆふべは秋となに思ひけむ 後鳥羽院
照りもせず曇りもはてぬ春の夜の
朧月夜にしくものぞなき 大江千里
日本人の美学の集約書ともいえる『新古今和歌集』からランダムに引用
してみたが、殊に第一巻「春歌」をつらつら眺めれば、
ほとんどが<霧><霞><雲>などの、おぼろの情感、かすみの美学を
詠いあげていることを発見する。
空がおぼろに霞んで、 . . . 本文を読む
涅槃経に次のような示唆深い説話がある。
むかしある土地に長者が住んでいた。
ある日、ひとりの美しい女が長者の家の門に現れた。
長者が名前を問うと「わたしは功徳天といいます」と答える。
功徳天といえば人々に幸いをもたらす神である。
長者はたいそう喜んで、彼女を招き入れて歓迎しようとした。
すると功徳天は、「じつは妹を同伴していますので、一緒に
入れてもらえないでしょうか」と言った。
その頼みを長者 . . . 本文を読む
ここ2、3年ほど私は古代史に関心を持ってきた。
歴史をやっている方は皆さん同じかもしれぬが、
人間は変わらない、ということを思い知らされる。
人間は勤勉である。かと思えば怠け者にもなる。
人間は信念をもつ。その一方で無節操にもなる。
人間は徒党を組みたがり、一人では柔弱であるが
衆を頼むと大胆になる。
みずからの利益となる事柄を正義と信じやすく、
常に有利な側に身を置きたいと考えている一方で
大 . . . 本文を読む
お昼、桜の梢の下を潜る刹那に、二つの事柄を
ふと思い起こした。
一つは、むかしアルビン・トフラーという学者
が『第三の波』という著書で述べていたこと。
現在の地球上では二千年以上も前からの狩猟・
採集で生活している人間、それに百年前と殆ど
変わらぬ農業生活に明け暮れる人間、これらが
実はいまだに人口比で全人類の70%を占めて
いるという。残りの約20%が、産業革命後の
工業化社会におり近代的な生 . . . 本文を読む
全23回の連続テレビドラマ。昨日第7回が放送された。
上掲の動画でいうDVDのシーズン1・2の内容に相当する。
ドイツ、イギリス、フランスなどでも2007年に放送されており、
シーズン4まであるらしいが、そこまでは放送されない見込み。
物語の本当の大団円は脚本家の頭の中にだけ存在するのだろう。
私は初回から継続して視聴している。きっかけは、
自宅のMacに地上デジタル対応のTVキャプチャ機器を . . . 本文を読む