SUN PATIO

My Collections, My Thoughts and Ideas

S&W M65 FBIスペシャル(タナカ)

2010-02-07 | トイガン耽美系
東京に住まっていた日々の記憶が
自分自身の、というよりも
誰か別人の人生の絵巻物のように
想い起こされる今日この頃。
ニューモデルがリリースされる度に
日比谷線に乗って御徒町へ、或は
埼京線や京浜東北線で赤羽へ赴いた、
あれは無数の並行宇宙に存在する
無数の「私」のひとりに過ぎない、
近頃そんな奇妙な感懐が心を過る。
かく云う現在の自分すらも、真は
無限に分岐・展開してゆく多世界の
永遠の裡の一瞬乃至一瞬の裡の永遠
に在る「私」ではあるまいか?

このM65も東京在住時、
四、五年前に入手したと記憶する。
殆ど触らずに仕舞い込んでいたので、
今回初めて関西の空気に晒すことに。
化粧箱の蓋を開けて本体を取出すと、
仄かなオイル臭の漂う空間を隔てて
眩いシルバーメッキが目を射る。
数分間その麗しい姿態を眺めた後、
ふと思い立ってベンジンを用意。
先日M19に行ったのと同じ処置を
半ば戯れに施してみた。
サイドプレート表面は殊に繊弱ゆえ、
拭き取るというよりも撫でるように
指先の力加減を微妙に調節する。
宛らエステティシャンの如く。

作業は完了。午后の用事を思い出し、
手早く記念撮影を済ませる。
ファインダーを覗きながら、
この唯一無二の世界を涯きる自分を
至福でこそ満たさねばならぬ、
そう思い返してシャッターを切った。


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