『サッドネスブルース』
出演:金子聡
ブエノスノーチェス皆様!
貴女のバレッタに挟まれた小っちゃい素っ裸田口トモロヲ鉄男ダンス☆
今日も浅草的ラテンチューンでメリメリメリメリメリッ!!
と、お送りします。(^o^)
今日は・・・演目解説!
『田原町ライブ!Part29~HumanWork~』
に、ご来場、ご観劇いただきました皆様、
僕の「サッドネスブルース」いかがでしたか?
沢山の方々からお褒め頂、有難き幸せでございます ♫
何と!泣いていた人が多数居たといいます。
それぞれの心に響いた何か…
たった10分余りの物語の中の一瞬、
伝えたかった「切なさ」はいったいどうやって作られたのでしょう。。。
そもそものきっかけは、ニャンバ君と映画の話をしていて、
僕の好きな映画「セントラルステーション」の、
ほんの一瞬のシーンにスイッチが入ってしまい、
滅多に泣かない僕が号泣してしまった話をしたあと、
帰りの電車の中で「切なさ」って、
いったいどこからやってくるのか?
襲ってくるのか?
滲んでくるのか?
そんなことを、グルグル1週間くらい考えてたわけです。
色々な切なさがあるけれど、
やはりここは王道、というか、
ど真ん中ストレート!
かけがえのない人との別れ、
その周りに散りばめられたような思い出の回想、
そんなイメージで台本を書きました。
ボスに無駄な贅肉を落としてもらい、
構成を組み替えてもらい、
振りを付けてもらい・・・
何から何までボス依存で甘えまくり、
いったりきたりを繰り返して、最終的な構成は、
1・慟哭
2・歓喜
3・未来
4・陥落
5・兆し
自分なりに上のようなテーマを作って、
演技とマイムを練習しました。
身体的にも動作的にも一番きつくて難しかったのが最初の慟哭のシーン。
生気のない男、斎場(火葬場)から離れ、一服。
冬の柔らかな日差しが頬に染み込むように感じて空を見上げる。
様々な想いが巡り、ふっと、悲しみが突き上げ泣き崩れる・・・・
この、ふいに悲しみが突き上げてくる感じを表現するのに、
頭、首、背中、胸、腹、尻、腿、
それぞれを、限界まで震わせて表現することをボスに徹底的に仕込んでいただいた。
酸欠になって、目の前が真っ暗になる感じ(みえないんだけど)
までやらないとOKがもらえなくて、
体力の8割を一番最初に使ってしまうので、
今回このあとずっと地獄でした・・・(^_^;)
2番目のレストランで食事のシーンでは、
椅子に腰かけているフォルムが、中腰かつ片足がかかと上げ状態で、
終始プルプルしそうになるのを抑え、
3番目のシーンでは、駅の階段を駆け下り、
彼女を探して走りまくるマイムで、腿がパンパン!
4番目のタンデムツーリングのフォルムもやはり中腰、
かつ、オートバイであることを表現するため、
両かかとをパタパタと動かし続ける。
そして、ラストシーンは最初の泣き崩れたシーンに戻ってくるわけですけど、
ここでまた、震わせるためにさっと血の気がひき、
実は立ち上がった時は、
立ってるのが精一杯なのでした。。。
レストランのシーン、あれは夏前くらいに火曜日の稽古でやっていたものの流用です。
グラスを持つ高さ、ふちが唇に触れる瞬間のとめ、
会話のキャッチボールを感じさせるためのリズム感が、
難しかったなぁ。
他にも沢山ポイントはあるけれど、
場面場面でみあった表情を作ることにかなり意識したこと、
寂しさを背中で語りかけるために角度にこだわったこと、
最後に振り返って微笑む瞬間のタイミング、
その様々な無数の仕草の中に、
観る人の記憶、こころのひだに触れ、
「切なさ」を共有できたなら、
この演目を演じて本当に良かったと思う。
次回は何をテーマにしようかな。
きっかけをそっと待っている…金子聡なのである。
(c) Masami Gan Iwafune