蒼穹

SOU建築設計室の徒然なるブログ

保育園の内装材が原因となることも?シックハウス症候群の対策を NO16

2020年05月01日 09時00分00秒 | 保育園

皆さま、昨今の不安な世情のなか、お変わりなくお過ごしでしょうか。

さて、連日のニュースでは、ステイホームが呼びかけられると共に、換気などの大切さも、改めて実感しています。


そこで、このブログでも、室内空気環境について書いてみました。

シックハウス症候群という言葉を聞いたことはありませんか?


さまざまな体調不良を起こすシックハウス症候群は、使用する内装材や、普段の生活に気を付けないと保育園でも起こってしまいます。


シックハウスについてしっかりと理解し、対策を講じておかなければ、子どもたちの健康を脅かすことになりかねません。


シックハウス症候群の症状や原因は?  


シックハウス症候群という言葉を耳にしたことがある人でも、いったいどんな症状があるのか、どのようなことが原因で起きるのか。


あいまいな認識のまま過ごしている人も多いと思います。では、詳しく見ていきましょう。

【シックハウス症候群とは】


シックハウス症候群を直訳すると「病気の家症候群」です。この言葉の通り、家のような屋内に問題があり、
体調不良を引き起こす症状のことをシックハウス症候群と言います。ただ、同じ空間にいてすべての人に症状がでるわけではありません。


同じ空間で過ごしていても、症状が出る人、出ない人がいます。

【原因】
シックハウス症候群の原因は、建材や家具などに含まれる有害な化学物質が挙げられます。化学物質は目に見えないので、
知らず知らずのうちに吸い込んでしまい、体調不良として現れます。

具体的には、合板や壁紙、内装材に含まれる、接着剤、塗料、防腐剤、防カビ剤、香料などが原因で、その多くは揮発性物質のため、
気温が高くなると発散量が増え、季節によって室内の化学物質濃度が高くなることがあります。

さらにシックハウス症候群の原因は化学物質だけではありません。室内の空気汚染も原因のひとつです。日ごろから手入れが行き届いていないと、
カビやダニが繁殖し、体調不良を引き起こすこともあります。

【シックハウス症候群を引き起こす主な化学物質一覧】
・ホルムアルデヒド

・アセトアルデヒド
・トルエン
・キシレン
・エチルベンゼン
・クロルピリホス
・スチレン


【症状】
シックハウス症候群には以下のような主な症状があります。

<全身の症状>
めまい
吐き気・嘔吐
頭痛
疲労感
蕁麻疹や湿疹

<目の症状>
目がチカチカする
涙が出る

<鼻の症状>
乾燥
鼻水

<口の症状>

のどの痛みや乾燥


シックハウス症候群を予防するためには換気が不可欠
シックハウス症候群を防ぐためには未然の対策が必要です。その中でも基本となるのが換気です。
一日中窓を開けず密室でいると、室内の化学物質濃度が高くなります。できるだけ窓を開けて、新しい空気と入れ替える、
換気扇を使用するなどしてうまく換気をしましょう。換気は化学物質の濃度を下げるだけでなく、結露を防ぎ、カビやダニの繁殖も防ぐ効果があります。

【換気のコツ】

・1カ箇所の窓を開けるよりも、対角線上になるように2カ所の窓を開けることで空気がよく通る。

・家具は空気の流れを遮らない場所に配置する。

・晴れた日の湿度の低い昼過ぎの時間帯は湿気がよくとれるので、12時~16時ごろに換気する。

・窓を開けて換気扇を同時にまわすことで、空気の換気が早くできる。

・ 換気扇をまわす際には、給気窓は全開ではなく、15cmくらい開ける方が空気の流れがよくなる。

・入浴中や調理中には必ず換気扇をまわす(その後もしばらくまわしておく)。

換気をする際は、空気の出口と入り口を意識し、空気の流れを考えながら、効率よく換気できる方法を実践しましょう。

保育園・幼稚園の内装材選びの際にも注意を
シックハウス症候群にならないためにも、保育園の内装材選びはとても大切です。
内装材の選定についてご紹介します。

【無垢材や天然材料を選ぶ】
一見普通の木の板に見えるものでも、合板のフローリングなど下地に薄くスライスした木(化粧板)を張り付けたものや、
同じ大きさや厚さ軒をつなげて一枚の板にみせる集成材などがあります。

このような板には強度や扱いやすさの面でメリットもありますが、接着剤などの化学物質が含まれています。
一方、一枚の木を加工した無垢材や天然素材からは化学物質の発散はほとんどありません。



【できるだけ化学物質の発散が少ない内装材を選ぶ】
無垢材や天然材料は体や環境にやさしいですが、建物の内装すべてに使用するとなると扱いやすさや費用面で難しい部分もあります。

断熱材や下地材のようにどうしても加工されたものを使用しなければならないシーンでも、なるべく化学物質の発散が少ない材料を選びましょう。

ホルムアルデヒドの発散量を星の数で表す規格があり、放散量がチェックできます。
例えばは、「F☆☆☆☆(フォースター)」は、最も発散量が少ないランクを示しています。

ホルムアルデヒドは、発がん性など、人体に有害な化学物質として建築基準法の規制対象になっており、F☆☆☆等級以下のものは、
使用面積に制限があったり、使用が禁止されています。

【製品安全データシートを取り寄せる】
ホルムアルデヒドの発散量は、上記のホルムアルデヒド発散等級でチェックできますが、それ以外の化学物質については、
内装材メーカーなどから、製品安全データシート(MSDS)という製品情報の書類を取り寄せてチェックすることができます。

 

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清水義文 (株)SOU建築設計室
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