昨日放送された、プロフェッショナル仕事の流儀。
毎週、この番組を見ていますが、出演者の何気なく発した言葉が、凄く印象的でした。
繊維機械を販売する片山象三氏の会社。繊維機械なれば、大陸に販路を考えるのが「今の普通」と思って間違いはないでしょう。しかし、茂木健一郎さんの「中国へ販売は?」の質問に一言。
中国には売らない、と。理由は。。。
「儲かるかもしれないけれど、地元を裏切るから」
コレを聞いて思い出したのが、数年前の酒類販売緩和で一部ビール製造会社に「宅配通販」を企画する動きがあったものの失敗に終わった話。
これには、いくつかの要因があったのですが、その中に宅配便各社が個人に売るビールを運ぶことに二の足を踏んだことがあります。その理由、片山氏風に言うならば、
「儲かるかもしれないけれど、酒屋さんを裏切るから」
宅配便の草創期、コンビニが本格的に普及する前です。発展要素の一つに、米屋さんや酒屋さんなどに取次店を依頼して荷物を集めていった経緯があります。なので、恩を仇で返すことになる可能性があり、非常に消極的だったのです。
さて、繊維機械販売の片山氏。もともと中国産に押されて後退していた地場産業:繊維業。これを復興させる事がきっかけで始めた彼の機械開発。ただ儲かるからと、いわば商売敵に機械を売ることは出来ないというのです。
昨今、儲かることが第一になっている世の中。資本主義であって、営利団体であるならば、それは間違いではないと思います。しかし、儲かるならば何をやっても良いのか?という事件や不祥事が続く世の中でもあります。
彼の言葉に言いようのない強さを感じました