仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

シュトゥットガルト室内管弦楽団

2007-06-23 23:18:22 | クラシックはいかが
けふは嫁はんが豫約してくれてゐた「シュトゥットガルト室内管弦楽団」を聽きにいつた。
場所は阪急・西宮北口驛からすぐのところにある 「兵庫県立芸術文化センター」 の大ホール。
ここは交通の便もよく、ホールやラウンジなど施設もなかなかよい雰圍氣で、「兵庫縣ブラヴォー!」な施設だ。
私の縣民税がかやうなことに使はれてゐるとは、じつに嬉しいことだ・・・(ホンマか?)
今月の給與明細を見て、吃驚仰天した私にとつて、複雜な心境。

それはさて措き、シュトゥットガルト室内管弦楽団の演奏は素晴らしかつた(と思ふ)。
なぜ斷言出來ないかといふと、じつは私、「室内管絃樂團」を聽くのは初めてなのである。
なので、良い演奏だつたのは確かなのだが、それが「室内管絃樂團」といふ小編成の樂團の特性によるものか、それとも「シュトゥットガルト室内管弦楽団」ならではの良さだつたのかが私には判らない。

何が良かつたかといふと、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスのそれぞれのパートがすつきりと分離して聞こえること。
「分離」といふと表現がをかしいかもしれない。
それぞれの旋律が獨立して聞こえつつ、それらが絡み合ふさまが聞こえてくる、そんな印象なのである。
これが、大編成のオーケストラなどだと、恥づかしながら私にはヴィオラの旋律が聞き取れなかつたりすることが多い。

演奏曲目は、以下の通り。

1.モーツァルト:セレナード第13番 ト長調 K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
2.J.S.バッハ:G線上のアリア
3.J.S.バッハ:管弦楽組曲第2番 ロ短調 BWV.1067
4.チャイコフスキー:弦楽セレナード ハ長調 op.48

「どうだ、參つたか!」、そんな感じのプログラム。
クラシックにそれほど詳しくない人でも、題名は耳にしたことがあるだらうし、曲を聽いたら、「あ、この曲か」とわかる曲ばかりである。
このうち、特に素晴らしいと思つたのは、管弦楽組曲第2番。
管弦楽組曲第2番速いパッセージを輕やかに吹きこなすフルートの技巧に聽き惚れてしまつた。
いつたい、いつ息繼ぎをしてゐるのだらう・・・

今囘の演奏は、クラシック音樂の啓蒙といふ側面があるのか、チケットはA席でも¥3,000。
とても廉價であるうへに、このプロだから、クラシックに詳しくない人もかなり多かつたと見うけられた。
なにせ、「アイネ・クライネ・・・」では第1樂章が終はつたところで拍手。
第2樂章が終はつても拍手。
では第3樂章はといふと拍手なしといふ状態。
たぶん、有名な第1樂章を聽いたところで、1曲終はつたと勘違ひした人が多かつたのだらうなあ。

それはそれで、別によいのだが、コンサートを聽くマナーがいまひとつ。
正直云へば、いまひとつどころかかなりひどいありさまだつた。
といふのは、會場入口で配られるプログラムと宣傳ビラの入つた袋が諸惡の根源。
その袋を演奏中にガサガサと音をたててプログラムを取り出して讀み出すヤカラが多かつた。
プログラムの樂曲解説などたいしたことは書いてゐない。
いま、その瞬間に、ほんたうの音が流れてゐるのに、メタ情報を目から仕入れてどうしやうといふのか。
そんな無益なことのため發生する音の所爲で、周圍の人間がどれほど迷惑してゐるのか氣が付かない。
さういふ人たちが多すぎた。
私は纖細なピアニッシモを味はつてゐるのであつて、プログラムのたてるガサガサいふ音を聽きに來たわけではないのだ。
私の隣のオヤジに損害賠償請求でもしてやらうかと思つたほどだつた。

まあ、いいや。
明日は、仲道郁代さんのピアノ・リサイタルを聽きに行くことになつてゐる。
プログラムはベートヴェンのピアノ・ソナタ。
それも、「悲愴」、「テンペスト」、22、24、28番。
これも22番以外は有名な曲ばかり。
いまからすでに心配になつてゐる。
どうか、けふのやうな客が私の周圍にゐませんやうに!




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