仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

読書録 2024年5月下旬

2024-06-01 20:43:00 | 読書録(備忘)


5月24日
『吾輩は猫である』 夏目漱石
明治39年(1906年)8月

再読。長篇。
1973年(中学1年)初読。半世紀ぶりの再読。
主人の苦沙弥先生、迷亭、水島寒月、越智東風。懐かしき面々。
懐かしいといえば、興味本位で雑煮の餅を噛み歯から取れずに踊る猫のシーン!目に浮かぶようだ。
今回気づいた面白い迷亭の言、「鼻高きが故に貴からず、奇なるがために貴し」
鈴木藤十郎、多々良三平、独仙は覚えていなかった。
終盤に、迷亭の話す未来記が現代を予言していて面白い。個人主義、自殺の増加、夫婦別居、離婚、結婚しない男女。明治時代に既にこれらを看破した迷亭くん、大したものだ。
ビールに酔い水瓶に落ちて溺死する猫、あはれなり。

5月26日
『薤露行』(かいろこう) 夏目漱石
明治38年(1905年)9月

初読。短篇。
言文一致ならぬ、擬古文体。
漢語表現が多く読み難い。2ページも読んでいると眠くなる。
アーサー王物語を下敷きにした、円卓の騎士ランスロットと王妃ギニヴィアの恋に端を発する物語。
「夢」、「鏡」、「袖」、「罪」、「舟」の5章構成。
ランスロットに恋をした美しき少女エレーンあはれなり。

5月28日
『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』 中山七里
2020年10月

初読。連作短篇集。
 『さよならドビュッシー』で亡くなった香月玄太郎と元高裁判事・高遠寺静の謎解き。
玄太郎が大腸がんで入院。静さんが面倒をみるハメになる。
玄太郎70歳超、静さん80歳超。この二人いいコンビだというと静さんに叱られるか。
第3話で、あの岬洋介が登場。静さんが教官となっている司法研修所で、司法修習生の岬はまだ23歳。
このあと岬はピアニストとしての苦難の道を歩み始めるのだが、それはまた別の物語。

5月28日
『極主夫道』14巻 おおのこうすけ
2024年5月9日発行
初読。

5月30日
『時の罠』 辻村深月ほか
2014年

初読。
時間をモティーフにした作品のアンソロジー。
「タイムカプセルの八年」(辻村深月)
「トシ&シュン」(万城目学)
「下津山縁起」(米澤穂信)
「長井優介へ」(湊かなえ) 
 
 
 


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