祝福の店 寝室

『一日を終え、布団に入る前に向かう机。そして日記帳を広げる。今日あった出来事は・・・』

episode11

2006-08-30 07:26:09 | フレンズに見る恋愛考察
「喜びの度合いを、金銭で量ることはできない。」


 好きな人ができると、まずたいていの人はその人に気に入られたいと思う。
 これは当たり前のことだよね。
 で、自分をよく見せようとする。
 その見せ方は人それぞれ。
 ただ、どういう方法であれ、よく見せようとすればするほど、本当の自分と
かけ離れてしまって、実際のところが見えるとギャップからかえって悪く
見えてしまうものなんだ。
 メッキが剥げるって言うけど、メッキはメッキでしかない。
 結局はありのままの自分でアタックするのが一番だ。
 ただ、見栄を張るのが全然ダメかというと、そうでもない。
 頑張れば手が届きそうなところに短期で目標を設定しておいて、そこに
自分を持っていくのはレベルアップになるからね。
 ギャップが問題なのであって、相手に見せているものと自分の中身に差が
ないのであれば問題ないんだから。無理して背伸びをしていたら簡単に
転んでしまうものだけど、地に足がついていればいい。
 表面がはがれたって中身も同じなら、メッキにあるようなギャップはない。

 さて、自分をよく見せるためにする事で、よくあるのがプレゼント。
 これは気をつけないといけない。
 え、僕もよくプレゼントしてるだろうって?
 そう。
 だから僕は、プレゼントをあげるときにはかなり気を遣っている。
 プレゼントをあげる時のコツってなんだかわかる?
 普段からあげる相手が何をほしがっているか、意識しておくことだよ。
 誕生日やクリスマスみたいな大きなイベントの時にだけ、頑張っていい
物をあげようとするでしょ。
 それが間違ってるってわけじゃないけど、それだけじゃ実は足りないん
だよね。
 金額の高いプレゼントというのは、いろんな意味で難しい。
 金額だけで勝負すれば、それを超える金額のプレゼントに負けてしまう。
 さらに、高いからと言って相手の好みのものでなければ、もてあまされる
だけになってしまう。
 特に趣味の品物とか、指輪のようなアクセサリーはね。
 だから、相手が欲しいものであれば別だけど、金額の高いプレゼントほど、
品物そのものではなくて、思い出やストーリーを大事にしよう。
 プレゼントって、結局品物が問題じゃないんだ。
 品物に感動しているときは、くれた相手じゃなくて品物そのものに目が
行ってしまっている。
 だから、金銭という物差しで測ってしまうと、これは割に合ってない。
 プレゼントの金額と、もらった喜びは比例しないんだよね。
「こんな高いものをあげたのに、何でそんなに冷めてるの?」
 って言ってしまう人は、そもそも相手のことをちゃんと見ていない。
 自分がプレゼントするもので相手がどういう反応をするかが、あらかじめ
全然わかってないんだからね。
 結局、心の問題なんだよ。
 私を喜ばせるために、一生懸命考えて選んでくれた。
 そういう気持ちが嬉しいんだよね。
 だから、10万円以上もする指輪よりも、暑い日に一緒に食べるかき氷の
方が嬉しいなんてことが普通に起こる。
 プレゼントをあげるのは、世間が決めたイベントをはずしてる方が、
むしろ喜ばれることが多い。
 もらえると思ってないときにもらえるんだからね。
 それに、そういうときは渡す方も変な気取りがないから、もらう方も
すんなりと受け取りやすいものなんだ。
 そういう意味でも、ぱっと思いついたらすぐプレゼントするようにして
おく方がいいね。そうすれば少々はずしたって相手も特に気にしないし、
どう言うのが好みか、どう言うのが喜んでもらえるかがダイレクトにわかる。
第一プレゼント上手になれるよ。
 同じ指輪をもらうんでも、婚約指輪のようなものならともかく、さして
深い関係でもないときにいきなりケース入りのものをどんともらうより、
イラン人のお兄さんが道ばたで並べて売ってるようなものをポンともらう
方が、君だって受け取りやすいでしょ?
 値段を気にしなくてもいいって言うのもあるけど、それより一緒に
わいわい言いながら選ぶと言うことそのものが思い出になるからなんだね。
 マスターカードのCMに出てきた『プライスレス』って言葉があるでしょ?
 あれがまさに、喜びや感動の本質を言い表しているんだ。

 反対に、プレゼントで一番困るのが、好意の押し売り。
 モニカとフィービーがやってしまった失敗がこれなんだ。
 全くと言っていいほど知らない相手に、昏睡中にいろいろと世話をして
もらって、プレゼントをもらったとしても、もらった相手は何のことだか
当然わからない。
 それをいきなり
「私たちはこんなにしてあげたのに、それだけなの?」
 なんて言われても、きょとんとするのは当たり前。
 結局2人は相手のことはちっとも見てなくて、想像上の理想の相手を
勝手に投影していただけなんだからね。
 良く言う『恋に恋する』と言うのがこの状態なんだ。
 つきあわされる方はたまらないよね。
 そんなのはブラウン管の向こう側にでも向けてとでも言いたくなる。
 プレゼントをあげるときに、そういうことも一度振り返ってみよう。

 
P.S.
 君の笑顔はプライスレス。
 だから、僕の真心をプレゼントします。

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