12/20に、「
『嫌韓流』は読んだことがない」と書きましたが、最近読書づいて
いるので読んでみました。
これはそのとき書いたとおりですが、
サイトにのっていた
ことと嫌韓流で描かれているものは基本的に同じでした。(サイトの方が
詳しい部分も結構あり。サイトを見る場合、毒の部分は取り分けて、事実だけを
ご覧下さい。)
嫌韓流という本で、一番まずいなあと思ったのは何よりタイトル。
中を読めば、
「日本人はそもそも過去にあった事実を知らなさすぎるのが問題だ。
だから日本人はきちんとそれを知り、その上で韓国と対話を進めるべきだ」
というのがわかるんですが、このタイトルおよびカバーの作りでは
「韓国というのはひどい国で、そんな奴らとまともにつきあう必要なんてない。
むしろ嫌って遠ざけるなり徹底的にやり合うべきだ」
というように見えてしまいます。
それだと韓国における反日感情の裏返しでしかないですよね。
そりゃそんな本を本屋に飾られると考えたら、出版社も嫌がりますよねえ・・
特に韓流ブームと逆行する形でしたからよけい嫌がるでしょうね。
書籍もマスコミのうちの一つ。自分たちで作り上げた韓流というイメージを
壊すのは自家撞着でしかないですし。
(私自身は韓流を横目で見てる人間なので、ふーんそうで始終終わってましたから、
ブームかそうでないかは良くわかりません。まあブームという呼び方からも、
すぐに次のブームがやってきて、早晩忘れ去られていくのかなあとは感じてます)
そしてもう一つ。韓国側が主張していることをマンガの中でも同じような形で
再現してるんでしょうけど、ちょっと貶めて描きすぎではないかなあと感じました。
事実や国際法上などで日本の方に理があるというのは(私自身がきちんと調べ
切れていないので全部その通りかはわかりませんが)まあわかりました。
問題はそのあとです。この本に描かれているように、韓国側の主張を徹底的に
論破すれば、それでよいのか。
これは中国でも同じなんですが、中国も韓国も、「面子」と言うものを何より
大事にする国です。どっちが上か下かというのはさておくとして、対等な話し合いを
したとしても、真正面からこてんぱんに叩きつぶされたら、さらに恨みに思う
だけだろうなあという気はしています。
じゃあどうすればいいのか、という代案については、実際にはなかなか難しい
部分はいろいろとありますが
・日韓中(日韓だけでは不十分。韓国は常に中国の影響がある)の歴史、という
より事実関係を、共同できちんと押さえていく。
ここで大事なのは、何故そうなったのかという情実を差し挟まないで、
(例えば日本が何故韓国を併合したのか、等)事実だけを先に拾っていくこと。
でなければ感情的になって作業が進まない。
・それらの事実をもとに、改めて話し合いの場を設ける。ただし日韓だけで話を
終わらせない。複数の第三者(この場合双方に利害が絡まない国でないとだめ。
例えば中国やアメリカでは難しい。)の立ち会いのもとで話し合いを進める。
アジアの歴史にある程度知識がある国で、双方を中立の立場で見られる国
(具体的にどこといえないのが厳しい?)および、双方について全く知らない
分、客観的事実から判断ができる国(利害が絡まないとなると、永世中立国でも
あるスイスあたり?)などが同じテーブルについて司会進行してもらえると、
少なくとも二国間でやる泥仕合よりは話し合いが進みそうです。
これは日中間の話し合いでも同じですね。ただ、中国の場合日韓の話し合いよりも
さらに悶着が多そうでかつ世界的な影響も大きそうなので、慎重に進めなければ
なりませんが。そのためにも、まず日本は韓国との話し合いを経て、どのように
すれば両国に平和的友好的な関係が築けるかを模索するのがベターかな、と
思ってます。
もちろんガス田問題や知的所有権に環境問題をはじめ、現在進行形できちんと
話し合っておくべき事はやっておかないと行けませんが、いきなりあれもこれもと
いうのは厳しいでしょう。
さて、ここで一つネックになるのは、韓国及び中国が、衆人環視の中でやりこめ
られたとすると、二国間で話し合ったときとは比較にならないほど恥になって
しまうので、そもそも話し合いの席に着かないのではないか、と言う点ですが、
それについては残念ながら日本が口出しすべき事ではありません。
たとえて言うなら日本と韓国は、同じアジアというクラスで隣同士に座った生徒
同士と言うところでしょうか。日本は教室の中だけでなく、よくヨーロッパの
クラスにいったりアメリカのクラスにいったりしてますが、席が隣という事実は
替わりません。そこでどういうつきあい方をしていくか考えておくのは大事な
ことです。
しかし同時に隣の席に座っているから必ず手をつないで仲良くならないと
いけないと言うわけではありません。もちろんできるに越したことはないですが、
実際のところ隣の国といつも平和でいられるというのは難しいのです。例えば
フランスとドイツやドイツとロシア、もしくはフランスとイギリスの関係なども、
常に円満というわけではありません。ある程度大きな国で、隣国どうしで問題が
なさそうなところとなると、例えばアメリカとカナダと言ったあたりでしょうか。
もっともアメリカ自身が若い国なので、まだ隣国と問題が起きるほど積み重なって
きたやっかいなものがないからなのかも知れませんし、私が単に知らないだけ
かもですが。
日本と韓国の関係は、フランスとイギリスの関係と対比してみると、見えてくる
ものがあると思います。フランスとイギリスは、百年戦争を始め、それこそ歴史上
何回も戦争をしています。が、(まあ単純なものではないにしても、)双方大人の
外交を繰り広げて今日に至っています。
それをもってすぐさま日韓も同じようにできるとは言いませんが、できないと
言って放り出してしまったんでは話が先に進みません。友好の扉を日本側から
閉ざす理由はありません。ただし、その扉をくぐるかどうかは韓国側の問題です。
無理矢理扉から引っ張り出すというのは、結局禍根を残すだけですから。
あちらの態度はあちらに任せるとして、少なくとも日本は大人の外交を進めなければ、
日韓関係以外の部分でも信用を失うことでしょう。
これも前に書きましたが、韓国とパートナーシップを築くには、まずそれ以外の
割と親日の国から順番にきっちりとしたパートナーシップを築き、国際的な
信用を得ていくことが肝要だと思います。ヨーロッパやアメリカもそうですが、
まずアジアという教室の中で、クラスメート達と仲良くしていく。そして、
その中のどこかの国に、韓国との間にうまく入ってもらう。もちろん親日だから
反韓となって日本に有利なようにし向けてもらうと言う意味ではなく、よりよい
パートナーシップを築くための橋渡しをしてもらうのが望ましいのです。親韓で
かつ親日となる国が、できれば複数あれば、日韓両国が冷静に話し合える場を
持つのもより容易になるでしょう。
そして話し合いの場をもつにいたって、話をする材料がないのではお話に
なりません。そのためにも、国や政治家任せにするのではなく、嫌韓流にも
あるように、まず国民一人一人がしっかりと過去の事実を知り、どのように
すべきか考え、うまく日韓両国の関係を築き上げてくれそうな人を国に送り込む
義務があるのではないでしょうか。
(・・ただしここで一つぶっちゃけます。最初に「パートナーシップを築くには」
と書きましたが、築く必要がないならこんな手間をかけなくてもいいんですよね。
その場合必要なのは、日本国民が何らかの不利益を被らないように手を打つという
事だけです。それにしたって、結局はどういう事実関係があるのかを知らないと
いけないのは変わりません。)
結局のところ繰り返しになりますが、まず何より大事なのは、日本人は
過去及び現在にどのような事実が存在するかをまず自分の目で見て、知ること。
そのためには単にマスコミの言うことを鵜呑みにするのではなく、複数の、
中には相反するであろう情報を並べて、矛盾のない形で分析し、自分なりの
認識を持つこと、これが結局は必要なことなんだと思います。
その上で韓国とどうつきあっていくか。相手次第のところもありますが、
考えるのはそれからでしょうね。これは韓国や中国だけでなく、世界のあらゆる
国と外交を進めていく上での基本姿勢だと思います。