32.1.1 「~そう」、「~ほど」、「~よう」などを伴った形で使うことが多い例(続き-2)
(10) 喉から手が出る
「欲しくてたまらないこと」をたとえていう。「喉から手がでるほど欲しい」のように「ほど」を伴って使うことが多い。喉から手は出せない。
(11) 人を食う
「人を人とも思わない、ずうずうしい態度や言動をする」の意。「人を食ったような答え」のように「よう」を伴って使うことが多い。人を食うのは人道的には大問題だが、やってやれないことはない。
(12) ほっぺた[あご、ほお]が落ちる
「非常においしいこと」のたとえ。「ほっぺた[あご、ほお]が落ちそう」、「ほっぺた[あご、ほお]が落ちるほどおいしい」のように「そう」や「ほど」を伴って使うことが多い。「ほっぺた」や「あご」や「ほお」が落ちることはない。
(13) 盆と正月が一緒に来たよう
「うれしいことが重なること、また非常に忙しいこと」のたとえ。「よう」を伴って使う。盆と正月は一緒に来ない。
(14) 水もしたたる
「若々しく色香のある魅力的な女性または男性の美しさ」の形容。「水もしたたるようないい男」のように「よう」を伴って使うことが多い。通常人から水がしたしたたることはないが、人に水をかければ可能。
(15) 目(玉)が飛び出る
「びっくりして目を非常に大きく見開く」の意。「目(玉)が飛び出るほど高価」、「目(玉)が飛び出るほどの値段」などのように「ほど」を伴って使うことが多い。目の近くを棒などで強く殴るなどすれば可能かも。子供のころ祭りで喧嘩でもしたのか片方の眼球が眼窩からぶら下がった状態で歩いている男を見たことがある。
(16) 目から火が出る
「頭を強くぶつけたとき、目の前が真っ暗になって光が飛び交うような感じがすること」をいう。「頭を壁にぶっつけて、痛くて目から火が出るほどであった」のように「ほど」を伴って使うことが多い。目から火が出ることはない。
(17) 目の中に入れても痛くない
「(孫などが)可愛くてたまらないさま」のたとえ。「目の中に入れても痛くないほど可愛がる」のように「ほど」を伴って使うことが多い。人は目の中に入らない。
(18) 目を皿にする
驚いたり、物を探したりするときに、目を大きく見開くさま」をいう。「目を皿のようにする」と「よう」を伴って使うことが多い。目を皿にすることはできない。
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