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面白い日本語と英語の慣用句(イディオム)とことわざ

日本語と英語の慣用句やことわざには、表現や発想がよく似たものがある。
たとえの面白さをいろいろな角度からながめる。

面白い日本語と英語の慣用句(イディオム)とことわざ(12)

2008年02月20日 | 日本語の慣用句、英語の慣用句
18 国名や地名を使った英語の慣用句やことわざ

 同じように、国名や地名を使った英語の慣用句やことわざを集めてみた。「American」、「Dutch」、「French」、「German」、「Samaritan」、「Turk」などのように形容詞や「~人[語]」として使われているものも含めた。「Dutch」、「French」、「German」、「Greek」などはあまりよい意味で使われていない。

 (1) (as) American as apple pie
     「
 きわめてアメリカ的である」の意。「apple pie」は、《米》では母親が作ってくれる菓子の代表で、アメリカ的なものの典型というイメージがある。

 (2) for all the tea in China

 「どんなことがあっても」の意。「wouldn’t do」の強調表現で、文字どおりには「中国のお茶をすべてもらったとしても(~しない)」である。長い間中国が全世界のお茶の供給地であったことから。

 (例文) I hate cities. I wouldn’t live in New York for all the tea in China.(都市は嫌いだ。いくらお金を積まれようと、私はニューヨークには住まないよ)

 (3) from China to Peru
    
 「世界中、世界のすみずみまで」の意。やや古風な表現である。

 (例文) The invention of radio broad-casting meant that people from China to Peru could learn all the details of an ivent very soon after it happened.(ラジオ放送が考え出されたということは、事件が起こるとすぐにその事件の詳細を世界中の人々が知ることができることを意味した)

(4) Something is rotten in the state of Denmark.

 「何か怪しい」の意。シェイクスピアの『ハムレット』から。

 (例文) Upon hearing so many different stories as to how the accident happened, I began to suspect that something was rotten in the state of Denmark.(その事故がどうして起こったのかということについていろいろと食い違う話を聞いたので、何か怪しいぞと思い始めた)

 (5) go Dutch

 「(食事や集まりなどで)各自が自分の分を払うこと」を意味する。「割り勘にする(合計金額を均等割りにする)」の意で使うこともある。「a Dutch treat」はその名詞形。

 (例文) She wanted to go Dutch with me at the restaurant last night.(彼女は昨夜レストランで私と割勘にしたがった)

 (6) double Dutch

 「意味が全く理解できないことば、ちんぷんかんぷんな話」の意。オランダ語(Dutch)がとても難しく聞こえることから。《英》の語法。

 (7) Dutch courage

 「酔った勢い、酒でつけた度胸」の意。

 (例文) He needed some Dutch courage before he went in to see his employer about his pay increase.(昇給の件で雇い主に会いに行く前に、彼は酒を飲んで元気をつけなければならなかった) 

 (8) a Dutch uncle

 「ずけずけものを言う人、厳しく指導してくれる人」の意。

 (9) in Dutch

 「(~と)まずい関係で、(~の)機嫌を損ねて」の意。

(例文) He is often in Dutch with his superiors.(彼はよく上司の機嫌を損ねる)

(10) an Eskimo kiss

 「(鼻と鼻を触れ合う)エスキモー・キス」のこと。

 (例文) No matter how many times I date Mary, she refuses to let me have any more than an Eskimo kiss.(メアリーと何回デートしても、彼女はエスキモー・キス以上はさせてくれない)

(11) an French kiss

 「ディープキス」の意。

(12) take French leave

 「無断欠席する、(授業を)サボる」の意。

(13) Excuse [Pardon] my French!

 「下品なことばを使ってすみません」の意。

(14) German goiter
    
 「ビール腹の人」の意。

(15) be (all) Greek to someone

 「(話・書物などが)人にとってちんぷんかんぷんである」の意。ギリシャ語は非常に覚えるのが難しくて分かりにくいと考えられていることから。(6)の「double Dutch」や17-(14)の「唐人の寝言」と似た発想である。

(16) an Itarian western
 「イタリア製西部劇」の意《米俗》。日本では「マカロニ・ウエスタン」という。

(17) See Naples and die.

 「See Naples and die.」は「ナポリを見て死ね」と和訳されて、日本のことわざになっている。

(18) carry [take] the coals to Newcastle

 「余計なことをする」の意。「英国の有名な石炭の産地である Newcastle-upon-Tyne に石炭を運ぶ」ということから。

 (例文) Selling rice to Japan is like carrying coals to Newcastle.(日本に米を売るなんてニューカッスルに石炭を売るのと同じで無駄だよ)

(19) a Philadelphia lawyer

 「腕利きの法律家、凄腕の弁護士」の意。しばしば軽蔑的に使う。《米》の植民地時代に Philadelphia の法律家が敏腕だったことから。

(20) All roads lead to Rome.
     
 「All roads lead to Rome.」は「すべての道はローマに通ず」と和訳されて、日本語のことわざになっている。

(21) fiddle while Rome burns
     
 「大変なことが起こっているのに関係のない些細なことに気を取られている」の意。暴君ネロが、ローマの大火の最中に竪琴を弾き、歌を歌っていたという故事から。

(例文) While the Nazis were dragging Europe ever closer to war, most of the world seemed content to fiddle while Rome burned.(ナチスがヨーロッパをどんどん戦争に引きずり込んでいったとき、世界中の国のほとんどは、大事をよそに安逸をむさぼるのをよしとしているように見えた)

(22) Rome was not built in a day.

 「Rome was not built in a day.」は「ローマは一日にして成らず」と和訳されて、日本のことわざになっている。

(23) When in Rome, do as the Romans do.

 日本のことわざ「郷に入っては、郷に従え」が近い意をもつ。

(24) a good Samaritan

 「慈悲深い人、親切な人」の意。「強盗に持物を奪われなぐられた男を、2人の人が見て見ぬふりをして通り過ぎて行った後、サマリア人が来てその人に金を与え助けた」という聖書にあるイエスのたとえ話から。

 (例文) A good Samaritan stopped and changed my flat tire for me.(親切な人が車を止めて、私のパンクしたタイヤを取り替えてくれた)

(25) build castles in Spain

 「あてどない空想にふける、実現不可能な夢を抱く」の意。「build castles in the air」の形もある。

 (例文) It’s good to build castles in Spain when one is young.(若いうちはあてどない空想にふけるのもよい)

(26) young Turk
     
 「(ある組織の中で)改革を求める若者、過激派の人」の意。20世紀の初頭に、トルコ政府を支配し近代化を果たそうとしたYoung Turks(青年トルコ党)から。

(27) (meet) one’s Waterloo
     
 「大きな敗北や災難にあう」の意。ナポレオンが率いるフランス軍が、ウエリントン将軍の率いるイギリス軍に1815年のワーテルローの戦いで敗北し、これによってナポレオンのヨーロッパ支配が終結したことから。

(例文) Watergate was President Nixon’s Waterloo.(ウォーターゲイト事件はニクソン大統領にとって致命的な敗北だった)


1 コメント

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Unknown (Unknown)
2013-01-31 11:17:10
おお
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