21.4 日本語と英語で、使われている数が同じである例
ほぼ同じ意をもつ日本語と英語の慣用句であって、両者で使われている数が同じである例を示す。
(1) ウリ二つ (as) like as two peas in a pod
よく似たもののたとえとして、日本語は「二つに割ったウリ」を、英語は「さやの中の二つの豆」を使っている。当然のことであるが、どちらも「二」を選んでいる。
(2) 女三人寄れば姦しい Three women (and a goose) make a market.
「女性が集まるとうるさいこと」を描写するのに、両者とも女性を「三人」とした点が一致していて興味深い。
(3) 三角関係 a love triangle
「三角関係」は、男一人と女二人または男二人と女一人のもつれた恋愛関係を示す。三人が関係する状態であるので、どちらも「三」を使ったのは当然である。
(4) 三度目の正直 third time lucky
「2度失敗したら3度言目は成功する確率が高いこと」を意味する。ほとんどおなじ表現である。日本のことわざ「三度目の正直」は和訳であるという説もある。
(5) 大海の一滴 a drop in the ocean
少ないことを表すのにいずれも「一」を使っており、表現もまったく一致している。
(6) 第六感 a sixth sense
肉体的な5つの感覚(視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚)以外でものを感じる能力を「第六感」という。同じ表現が創出されても不思議ではないと思われる。
(7) 二足のわらじをはく wear two hats
「わらじ」と「帽子」の違いはあるが、表現も意味(二つの役職を兼務する、一人二役を演じる)もよく似ている。ただし、由来は異なる。前者は、昔ばくち打ちが十手を預かって捕吏を兼ねることを言ったことから。後者は、警官・軍人などのように帽子は職業を示すことから。どちらも「二」を使っている。
(8) 一言多い say one word too many
両者とも「一言」と少しだけ余分だったことを「一」を使って表現している。
(9) 一言でいえば in a word
少ないことを強調するのに「一言」とどちらも「一」を使っている。
(10) 無一文 not have a penny to one's name
貨幣単位こそ日本語が「文」、英語が「penny」と異なるが、所持金の少ないことを表すのにいずれも「一」を使っている。
(11) 諸刃の剣 two-edged sword
両者とも「利点と同時に欠点もあること」を意味する。「諸刃」は刀剣などの両方のふちに刃がついているもののことで、「諸」はとりもなおさず「二」を示す。
(12) 四つんばい on all four
体を二つの手と二つの足で支えている姿である。手足を合わせると「四」になる。日本語も英語も「四」としているが、両者が一致して「手」も「足」も使わない表現にしている点が面白い。
ほぼ同じ意をもつ日本語と英語の慣用句であって、両者で使われている数が同じである例を示す。
(1) ウリ二つ (as) like as two peas in a pod
よく似たもののたとえとして、日本語は「二つに割ったウリ」を、英語は「さやの中の二つの豆」を使っている。当然のことであるが、どちらも「二」を選んでいる。
(2) 女三人寄れば姦しい Three women (and a goose) make a market.
「女性が集まるとうるさいこと」を描写するのに、両者とも女性を「三人」とした点が一致していて興味深い。
(3) 三角関係 a love triangle
「三角関係」は、男一人と女二人または男二人と女一人のもつれた恋愛関係を示す。三人が関係する状態であるので、どちらも「三」を使ったのは当然である。
(4) 三度目の正直 third time lucky
「2度失敗したら3度言目は成功する確率が高いこと」を意味する。ほとんどおなじ表現である。日本のことわざ「三度目の正直」は和訳であるという説もある。
(5) 大海の一滴 a drop in the ocean
少ないことを表すのにいずれも「一」を使っており、表現もまったく一致している。
(6) 第六感 a sixth sense
肉体的な5つの感覚(視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚)以外でものを感じる能力を「第六感」という。同じ表現が創出されても不思議ではないと思われる。
(7) 二足のわらじをはく wear two hats
「わらじ」と「帽子」の違いはあるが、表現も意味(二つの役職を兼務する、一人二役を演じる)もよく似ている。ただし、由来は異なる。前者は、昔ばくち打ちが十手を預かって捕吏を兼ねることを言ったことから。後者は、警官・軍人などのように帽子は職業を示すことから。どちらも「二」を使っている。
(8) 一言多い say one word too many
両者とも「一言」と少しだけ余分だったことを「一」を使って表現している。
(9) 一言でいえば in a word
少ないことを強調するのに「一言」とどちらも「一」を使っている。
(10) 無一文 not have a penny to one's name
貨幣単位こそ日本語が「文」、英語が「penny」と異なるが、所持金の少ないことを表すのにいずれも「一」を使っている。
(11) 諸刃の剣 two-edged sword
両者とも「利点と同時に欠点もあること」を意味する。「諸刃」は刀剣などの両方のふちに刃がついているもののことで、「諸」はとりもなおさず「二」を示す。
(12) 四つんばい on all four
体を二つの手と二つの足で支えている姿である。手足を合わせると「四」になる。日本語も英語も「四」としているが、両者が一致して「手」も「足」も使わない表現にしている点が面白い。