ドッグフード原材料シリーズを書いていくうちに、原材料一覧に「ミール」と書かれているものについて
詳しく説明しておいたほうが良いだろうと思うことが増え、今までに何度かミールについて取り上げてきました。
その中でフィッシュミールについて「アメリカで流通するものには酸化防止剤として
エトキシキンの使用が義務付けられている」と書いてきましたが、先日資料を見る機会があり
訂正する必要があることがわかりました。

「正確にお伝えしないとね」
現在アメリカに輸入または国内で船舶で輸送されるフィッシュミールには酸化防止剤を使うことが義務付けられています。
使用が認められている酸化防止剤は、エトキシキンまたはBHTまたはトコフェロールベースの酸化防止剤です。
トコフェロールはいわゆるビタミンEで、最後の一つだけが合成酸化防止剤ではないものです。
2018年10月付けの米国政府の資料で上記のように記されており、エトキシキン以外の選択肢が追加されたようです。
つまりアメリカで製造されているペットフードでフィッシュミールが使用されているものには、
原材料一覧には表示されないが、エトキシキンまたはBHTが含まれている場合もあるということになります。
(多分、含まれている場合の方が多い←私見ですが)
アメリカ国産で船舶で輸送されないフィッシュミールについては、この規定の範囲外になります。
このアメリカ国産で船以外の方法で輸送されるフィッシュミールというのは、
養殖魚の頭や中骨などの人間が食べない部分を利用して製造されることが多いそうです。
このような場合は政府が定めた規定はないけれど、フィッシュミールは非常に酸化しやすいので
酸化防止剤としてエトキシキンなど効果の高い合成酸化防止剤が使用されるのは一般的です。
フィッシュミールを酸化防止剤を使用しないで輸送や保管をすることはまず不可能です。
トコフェロール(ビタミンE)ベースの酸化防止剤は安全度は高いけれど効果は落ちると言われています。
製品が酸化してしまった場合の毒性は、使用が許可されている範囲のエトキシキンやBHTよりも危険です。
以下は私が思うところです。
エトキシキンはアメリカだけでなく、日本も含めて多くの国で飼料用の酸化防止剤として
使用が許可されており、完全にシャットアウトすることは難しいでしょう。
これはペットだけでなく、私たち人間もです。
家畜や家禽の飼料、養殖魚の餌などは多くの場合、合成酸化防止剤が使用されているからです。
もちろん、できるだけ摂取する量を少なくすることは大切ですし、
これに代わる安全な酸化防止剤が開発されることは強く望んでいます。
しかし犬も人も、ある程度はこのようなものも体に入ることを考慮して受け入れた上で
健康に留意する方が現実的で建設的な気がします。
毎日体をしっかり動かして代謝を活発に保つことは、体の自浄作用をサポートします。
野菜やハーブには、体に入ってくる化学物質の排出を助けたり体内の酸化を予防する働きもあります。
表示されていて目に見える化学物質はできるだけ避けるようにします。
犬も人も上に挙げたようなことを心がけたら、後はもうあまり細かく考えずにおおらかでいる方が
心と体の両方に良いんじゃないかな。

「でもいっつも細かいこと言ってるのおかーさんだよ」
確かにね(笑)
でもね、知らないで気にしないのと、知った上で気にしないポイントを選ぶのとでは
やっぱり違うと思うんですよ。
最後になりましたが、情報に訂正の必要があったことをお詫び申し上げます。
凹んだり反省したりしていますが、今後も気をつけて行きます😔
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